ラジオ修理メモ(ラジオ工房)


真空管ラジオの組立て修理を始めて数十年たちました。修理したラジオは恐らく数百台になるでしょう。
真空管ラジオの修理のノウハウをまとめました。
今まで不思議な故障にも悩まされました。
皆さんが困った事があればラジオ工房掲示板に実名(漢字)で質問ください、お手伝い出来ると思います。

修理用の治具
修理に使う 手作りの治具を紹介します。
これ以外にラジオ修理メモ23の冶具も便利です。
1)右側のメーターのついたのがケミコンのテスター兼ケミコン回復機です。
メーターは15mAと1.5mAが切り替えられます。
メーター左のボタンを押したとき1.5mAになる仕掛けです。
シャーシ上側のSWで50V 140V 280V の3段階に切り替えられます。レギュレーションを悪くして有ります。
こうするとたとえショートしても15mA以下になるしかけです。
使い方は−リードをシャーシに(レスの場合はBのマイナス端子)に接続、+リードを整流管の出力側につなぎます。
最初に50Vをかけ、電流が1mA以下になれば、次に電圧を上げ、使用電圧で漏洩電流が1mA以下になればOKと言う仕掛け。
なおこの時出力管のG1の電圧も測ります、少しでも電圧が出れば、結合コンデンサーの不良。
こうすればペーパーコンデンサーの不良も同時に判定できます。
回路図
なお その後絶縁トランス付きのテスター(写真参照)を製作しましたので これは現在使っていません。



絶縁トランス付ケミコンテスター。
回路図など作り方はこちら
真空管式ポータブルラジオのB電源にも使えます。

2)フイルムケースに作り込んでいるのがシグナルインジェクター。
一種の雑音発生器で、AFからRFまでの信号を発生します。
信号を出力段から順次入れてゆけば、故障個所の発見に重宝します。

シグナルインジェクターは是非自作してください、便利です。

 

3)左上が35W4の代わりの整流器(抵抗とシリコン整流器)
mTレスに最初に電気を入れるときは、まずケミコンを確認して次に、これを35W4の代わりに入れて通電する。
こうすると高価な35W4の断線が少なくなる。
4)左下はST管の代用にmT管を使った代用真空管。
  左から 6WC5(6BE6) 6ZDH3A(6AV6) 42(6AR5) 6E5(6R−E13) 12F(ダイオード)
  詳細には「代用真空管の作り方」をご覧ください。
5)左側にクリスタルイヤホーン


(ラジオ工房)ラジオ修理メモ1(ST管ラジオ)

この時代のラジオはいきなり電気を入れてはいけません
まず電解コンデンサーとペーパーコンデンサーを調べてから通電して下さい。
電源用の電解コンデンサーは昭和30年近くになると飛躍的に信頼度が高くなり、エージングするとまた使えるものが多いのですが、それ以前の物は殆どが駄目でしょう。
ケミコンのエージングは「ケミコンの復活」を参照ください。
ペーパーコンデンサーは不良の確率が高く、結合回路の物は交換した方が無難です。
結合コンデンサーの不良はmTレスより多いです、どうなるかは下の記述(修理メモ2)をご覧ください。
未使用品でも不良の確率が高いので、フイルムコンデンサーなど絶縁の高いものに交換される事を薦めます。
昭和20年代中頃までのラジオはコンデンサーはほぼ全滅、抵抗は切れてはいないが抵抗値が大幅に増加している可能性が高いので、必ず確認して再使用ください。特に500KΩ以上の高抵抗が怪しい。
20年代後半からのスーパーラジオはペーパーコンデンサーは不良は多いが、中には使える物も有ります。
抵抗は使える確率が高いです、偶に断線しているのは有りますが。
ST管5球スーパーのSP用アウトプットトランスは半数近くが断線しています。
断線したまま通電すると、出力管のG2だけに電圧がかかり、G2が加熱して球を駄目にします。
通電する前に必ず確認しましょう。交換用は秋葉原のトランス屋さんで650〜800円くらいで売っています。


(ラジオ工房)ラジオ修理メモ2(mTトランス レス)

mT管のトランス レス スーパーを購入する事が、多いと思います。
これらのラジオは昭和28年頃から、多量に生産されたので、
現在でも比較的安く、簡単に入手出来ます。
IFT  バリコン  コイルそれに真空管を個別に購入するより安いです。
劣化し易いところは、ケミコン、ペーパーコン、ボリュームです。
1)電源のケミコンは350V耐圧の物に比べ、何故か劣化が多いようです。
特に外側に紙が巻いてあるタイプの物はNGの可能性が比較的多い。
ブロック型の同種のケミコンは秋葉原でも見かけないので、修理に困ります。
チューブラ型で代用する事になりますが、整流管の出た所の直後のCは
あまり大容量の物を使わないように(最近小型で200μなどが簡単に入手出来るが、
これが大きいと整流管をいためます、ここでは大は小を兼ねません)。
2)ペーパーコン     絶縁不良が多いので、確認を。
特に出力管のG1に+の電圧が出るのはCの絶縁不良か、球の不良(G1のエミッション)が原因です。
しかし圧倒的に結合コンデンサーの不良が多いです、少しでもここで+になった時はCの交換が無難です。
テスターでの測定は入力抵抗の影響を受けます、20KΩ/Vのテスターでも120Vレンジで測定してください。
小さな信号を確認しようと10Vレンジで測定すると、テスターの入力抵抗でリーク電圧がショートされた形になり、確認できません。
デジタルテスターは入力抵抗が比較的高いので、使えば便利と思います。



出力管のG1に+電圧が加わるとどうなるか。
左のグラフを見てください(30A5の特性曲線)。
リーク電圧(電流)が有るとカソードバイアス電圧が打ち消され、
結果的にグリット電圧が浅くなるので想像以上の電流が流れます。
1Vバイアスが浅くなると10〜20mA電流が増加します。
リーク電圧は数Vは簡単に出ます、この結果30A5のダウンは勿論 
整流管35W4不良、出力トランスの断線など重故障が続出します。
出力管にはカソード抵抗が入れられていますので、
電流が増えればカソード電圧も上昇し、悪影響を軽減する方向ですが、
電流が増加して、球に想像以上の悪影響を与える事は変りません。
この故障は外観的にはわかり難いことで、すぐ壊れるわけでは有りません。
鳴るので大丈夫と思っているうちに、重故障となります。
ご注意。

3)ボリュームのがりがり
修理メモ22に独立させました、そちらをご覧ください。
4)レス用の試験用冶具を考えました、修理メモ23をご覧ください

余談
1)レスを修理する場合、35W4を断線させる恐れが有ります、注意してください
球で切れるのは90%以上35W4です、これは球のヒーター接続順と
PLの接続に関係があります。また切れるのは4ピンと6ピンの間が大部分です(配線を改造すれば、変則ですがこの球も使えます) 。
特に30A5と35W4のソケット近辺の測定時、テスターの測定棒の扱い注意。
2)PLが切れた場合、35W4に無理がかかりますので、すぐ交換しましょう。
3)TV球は起動時間が11秒と規定されていますが、ラジオ球には有りません。
メーカーによって異なるとの事(全日本真空管マニュアル)。
理想的には、同一メーカーの球を揃えるのが理想ですが、 現実にはこれが原因で球が断線するより、実験中のショート等で、 35W4を切る確率が高いです、充分ご注意を。
4)電源SWのON OFFを短時間に繰り返すと真空管が断線し易いと言われています。
これは12V管と35V管の熱容量の関係で、起動時間に差が出て、早い球に無理がかかる。
さらにケミコンの充電電流でヒーターに悪影響が有ると言われています。

トランスレス用のPL等。

右端 19A3用のPL 3V 0.15A 。

普通のレスにはトランスつきと同じ6.3V 0.15Aのパイロットランプを使います。
写真 右から2番目。

左から2番目の物はアメリカ製ラジオなどに使われるタイプのスワンベースのものです。

左端の物は戦前の2.5V球を使ったラジオ用のものです、
実際は3.5Vくらいの球を使わないと断線しやすいようです。
例外的にトランスレスでネオンランプを使った物があります(下の右側の箱の左側がネオンランプ)。


(ラジオ工房)ラジオ修理メモ3(ケミコンの復活)

古いラジオを入手して、すぐ電気を入れていませんか?。
日本製のラジオは昭和20年代最後の頃から30年にかけて、 ケミコンが急速に進歩しました。
したがってこの頃のラジオのケミコンは70%以上が復活します。
まずアースとケミコンの+Bの間に50V程度の直流を加えます、 漏洩電流が1〜2mA以下になったら、100Vに電圧を上げ、順次規定電圧まで上げていきます(前記の治具を使います)。
最後に規定電圧の10〜20%増しの電圧を加え、 漏洩電流が1〜2mA以下になれば合格。
ここまで数分以内で処置出来ます。
容量抜けはこれでは対応できませんが、可能性は10%程度です。
なお電圧を加える場合、数KΩの抵抗を直列に入れ、過大電流が流れぬよう、 工夫してください。
勿論レスの場合140V程度で、止めてください。
この治具は写真をご覧ください、便利です。
これはケミコンのアルミの幕が再化成される事で、再度使用可能になるためです。

余談
1)6D6のG2の0.1μFのパスコンが絶縁不良になっていて、 漏洩電流が増加したように見える事が有ります。
漏洩電流が多い場合、念の為外してみてください。
2)ケミコンの試験中に42や6ZP1のG1の電圧を測ってください。
ここに少しでも電圧が出れば、結合用の0.01のペーパーコンの不良です。
これが不良の場合、他のペーパーコンも疑った方が良いでしょう。
最低、6ZDH3AのG1のコンデンサーとAVCの0.1は交換しましょう。


(ラジオ工房)ラジオ修理メモ4(ケミコンの爆発)

これは若い頃の失敗談。
少しケースの膨れたケミコン(450V 20μF×2)を充電し、また放電するという いたずらをしているうちに、ついに爆発したのです。
爆発方向がたまたま良かったので、怪我は有りませんでしたが、 悪ければ大怪我をするところでした。
大音響のため、3日ほど耳鳴りがして大変でした。
TVが出始めた頃続出した故障です。
当時は防爆弁が無いか、うまく機能しない物が多く、大変でした。
12Fクラスのラジオ程度ですと、爆発の可能性は低いと思いますが、 80  5Z3クラスの整流管を使った物は要注意です。
現在市場に出るST管ラジオはこの時代の物ですから、 漏洩電流が多い物をそのまま、放置してはいけません。 また外形が膨らんだ物は危険です。ご注意ください。

頭の膨れたケミコンは爆発寸前です。
自分が爆発させたのは写真のものとほぼ同じでした。
当時のものは防爆弁がありません。

爆発が続発して、それ以降防爆弁がつきました。
下の写真右側のもの。





爆発寸前の様子。



防爆弁が破裂した様子。


余談
1)当時の松下のラジオに多く使ってあった、リードタイプのケミコンは殆どが不良です。
そう言えば、松下のラジオのパイロットランプ用の絶縁電線(黄色と緑色)は何故かぼろぼろになっています。材質の問題が有るのでしょうか?。
2)最近のケミコンの話題
工場を経営する友人に教わったのですが、最近のケミコンのアルミケースを アルミ板から打ち抜く工場が近くにあるそうです。中々見事に作るらしい。
(球のシールドケースなど簡単に作れそうですが。)
良く見ると頭の部分に薄い切れ込みが有ります、これが爆発を和らげるために有るのです。
メーカーによってXとかRとか形が違います、お試しください。


(ラジオ工房)ラジオ修理メモ5(マグネチック・スピーカの修理)

コイルの取り外し
断線したコイルはスピーカーから取り外す必要が有ります。
まず、コイルの中に入れてある鉄のアマチュアーに接続されている2cm程度のピンを半田鏝で取り外します。
次に馬蹄型の磁石の間を広げます。
昔は治具が売られていたのですが、最近は有りませんので工夫が必要。
(ネジを使う、2つのペンチを組み合わせて使うなど工夫要)
コイルを挟んでいるコの字型の2つの金具の内コーン紙から遠い方(上側)を
横にずらせて取り除きます。
こうするとコイルの巻枠が外せます、下側はネジで固定されているので取り外せない。


方法1
ペンチを2段重ねにして、間に釘などを入れる。
釘を梃子にすれば 馬蹄磁石は開く。


方法2
下の写真のような冶具をつくり磁石の間にはさんで開く。


本物のマグネット開き。




お礼
青森の平井さんから寄贈いただきました。
有難うございました。

巻線
巻線は0.1のUEWを使います。
本当は0.07か0.08mmくらいなものが良いのですが、切れ易いので0.1mmがお奨めです。
昔のエナメル線は使わないようにしましょう、ピンホールがあるらしく切れ易いです。
丁寧に巻けば3000回から3500回くらい巻けます。
これ以上は巻枠の関係で無理です、これで直流抵抗は500Ω程度でしょう(本物は細い線で1KΩ程度)。
細工に自信のある方は細い線で挑戦して下さい。
コイルが完成したら、元どおり組み込んで下さい。
コイルの巻き枠とアマチュアーの間は片側に吸い寄せられぬよう、注意しましょう。
名刺などを仮に挟んでピンを半田付けすればうまく行きます。
片側に寄るとびりついて音が悪くなります。
小さな破れは障子紙等で補修すれば良いでしょう。
コーンが大きく破れている場合は秋葉原の内田ラジオに交換用のコーン紙を売っていましたが、売り切れだそうです。
コーン紙を自分で作られる人はここをご覧ください。
これはラヂオ科学 昭和13年10月号10頁「高声器の直し方」の記事より転載したものです。


マグネチックスピーカーコイル巻きなおしもご覧ください。


(ラジオ工房)ラジオ修理メモ6(真空管試験器)

真空管試験器を利用している方も多いのでは無いでしょうか。
大昔はエミッション方式の簡易型が多かったのですが、最近は米軍放出のTV−7を利用している方が多いと思います。
これは中々優れもので、良く出来ています。
1)GMチェックとエミッションチェック
2)電極ショートテスト
3)ガステスト
4)ノイズテスト
が出来る仕掛けになっていますが、皆さん3)までしかテストしないのではと思います。
実は小生も4)の機能を使った事は有りません。
どれだけ実用的かも調べていません。
しかしTV−7で試験OKだが、ラジオに使うとNGという球が数本有ります。
これが皆ノイズ絡みの不良です。
例えば12AV6は叩くとカンカンという感じの音がする。
42は1〜2分するとハムが出る等です。
100本に1本程度は上記のような事が起こります。
これは4)のテストでも発見できないと思います、
やはり最後は実物で確認がよさそうです。

余談
1)球を試験済みと言って買っても不良が有ります。
球屋さんもGMとショートテストくらいしかやっていないはず。
古い球は最低、ガステストが必要。
2)TVー7は120等分目盛りですが、Bレンジは3000マイクロモー
Cレンジは6000  Dレンジは15000  Eレンジは30000マイクロモー
と換算すればGMが読めます。
勿論あるテスト条件における値ですから、厳密な事は別です。
3)TVー7は115Vが原則ですが、100Vで使うのであれば、フューズ代用のPLランプ を6V8Wくらいに交換すれば、厳密な事は別にして実用的に使えます。
4)TV−7やIー117等の試験器はBレンジ(3000マイクロモー)で5V近くの電圧をグリッドに加えて試験します。 6AK5などグリッドが赤熱する事さえ有ります。長くテストするのはNG。
また6ZDH3Aなどを試験する時、飽和のため、GMが低く出ます。
球により、減少割合はまちまちですが、半分くらいの事も有るようです。
テストして、不良と判断しないように。
目盛りが読み難いのですが、Dレンジで測定するともう少し正確です。
TV−10ではDレンジとの指定があります。
理想的にはG入力0.5VのEレンジなのでしょうが、今度は針が殆ど振れず、読み取れません。
5)GMのすごく高い球を試験する時、テスト中に球をやけどしないように触ってみて、 測定値に変化があれば、寄生発振している可能性があります。要注意。
TV−7シリーズでもTV−7Dはこの発振防止の為、ソケット近くにフェライトビーズが入れられています。
6)TV−7は10台近く修理したので困ったら相談にのります、多少お役にたつでしょう。
 


(ラジオ工房)ラジオ修理メモ7(素人組立品)

昭和20年代中頃は、日本最大のラジオメーカーはアマチュアーである、 などと言われた事が有ります。
今でも市場によく出ます。
中古ラジオを業者から購入する時、メーカー製を選びますか、組立て品を選びますか?。
初心の方は、はじめはメーカー製を断然お勧めします。
メーカー製は部品を取る目的には向かない部分(トランスがリードタイプ等)もありますが、修理すれば、必ず動作するようになります。
ところがアマチュアーの組み立てたものは修理が大変な事が、相当の割合で起こります。
組立て途中で投げ出したような物まで有ります。
まず半田付けが不味い事が多いので、組み立品の場合、一度ばらして、再組立てが必要です。
キャビネットキットの場合はままず良いとして、バラバラに部品を買ってきて組み立てた物は、部品配置も見直した方が安全。

余談(組立て品に多いトラブル)
1)スターとかトリオ等のコイルメーカーの物でも配置により、発振する事が有ります。
アンテナコイルが例のハネカムタイプの1次回路を持った物は、配置に注意。
アンテナ線がIFの近くを通ると発振します。
2)6D6は戦前の物と、20年代中頃と思うが、それ以降の物は背の高さが違います。
此の為、シールドケースとの組み合わせが悪く、G1とP間のCが多くなり、 発振する事が多々あります。少しケースを切りつめて、ぴったり合うようにしてください。
3)6ZDH3Aと42の間に76を入れた物が偶に有ります、 トラブルの元ですから取り払いましょう。
4)上に書きましたが、半田付けは全数やり直した方が無難。
5)数は少ないが古いもの(昭和25年頃以前の部品か?)には、コイル、バリコン、ダイアルの規格が未統一時代のものを組み合わせた物が有ります。
完全な調整は出来ませんが、一応ラジオは受信できます。

自作ラジオの修理体験記もご覧ください。

これが通信型の受信機となるとさらに大変です。


(ラジオ工房)ラジオ修理メモ8(IFT)

IFTのトラブルで泣かされた事は有りませんか、 私の苦い経験を紹介します。
修理したラジオを調整し、此れで完了とばかり、キャビネットに入れ、 ネジを締めようとしたとたん、音が出なくなりました。
回路を再検討しても部品の外れや接触も有りません、回路の電圧も正常です。
あれこれやっている内にまた音が出るようになりました。
書くとと簡単ですが、正直悩みました。結果的にはIFTの不良でした。
調整用のコアを以前の持ち主が回しすぎたらしく、コアは3つに割れているし、 真鍮のビスとの接着も外れていました。
最初の調整がうまく行ったのは、シャーシの方向と重力がうまく働いた為です。
キャビにいれる時に逆さにしたのがいけなかったらしい。 IFT 2本とも同じ状況でした。
中間周波増幅はスーパーの目玉ですから、IFTの故障は致命的でした。
外見からは判らないので、注意が必要です。

余談
1)IFTの故障は意外に多いです。恐らく%のオーダーで発生するでしょう。
コアの外れや、コンデンサーの絶縁不良です。
コイルのQの低下はまだまだ許せる範囲として、コンデンサーの不良は致命的です。
モールドマイカを使った物が危ない。
端子間の汚れも要注意、絶縁不良の元。 日本製の普通のIFTは比較的切れ難いようです。
しかし10台ちょっとの少ない経験ですが、電池管ポータブル用とアメリカ製のIFTは断線が起こり易い感じがします。
日本製のラジオでも断線やQの低下は偶に起こります、その場合は下記の方法で修理してください。
2)ジャンク屋さんで、高いIFTを買っても不良がある可能性があると、覚悟した方がよさそうです。
単体で買う場合、振ってみて、音がするのはコアが外れている可能性がある。
IFT単体のテストは治具無しでは意外と面倒です。
購入時 テスト済みか確認した方が安全。
3)コイルメーカー製のIFTは発振し易い物が有ります。
ラジオメーカーのIFTは安定性を重視していますが、コイルメーカーのは一時期、Qが高いIFTが良いと騒いだ事があり、 感度重視で何故か発振し易い物が有るようです。
ただ同じ型名の物に交換して正常になったので、正確な原因は不明。
4)C同調(トリマで調整)タイプのIFTは可変範囲が広いので、455KHzに調整したつもりが、高調波の910KHzに合わせてある等と言う事があるらしい、日本製はC同調は殆どアマチュアーの組立て品なので要注意。
(テスト オシレターは高調波が多いです)

IFTの修理例(ラジオ工房)
ナショナルの5球トランスレスAX−400の修理をした時、IFTの調整をしてみると、検波段のIFTの下側のコアをいくら調整してもピークが出ません。
取り外して分解してみました。
まずコンデンサーの劣化を疑いましたが、120PF正常に有ります。
DIPメーターで共振周波数を測定してみると720KHz位で共振しています。
シールドケース内に入れるとさらに周波数が高くなるので、これでは455KHzにはなりません。
巻線は絹巻線(単芯)ですが色が少し黒っぽい感じがするだけで、他に異常は感じませんでしたが、
レヤーショートを起こしていると想像しました。


分解したところ。
下側のコイルがおかしい。
コンデンサーは円筒形チタコン120PF。


下側のコイル(1次側)を取り外します。
このコイルはPとBに接続されていた部分です。
コイルの代わりに25mHのチョークを入れました。
PとG間を500V80PFのマイカで接続。
なおチョークコイルは2次側の巻線と結合しないように、
離して取り付けます(寸法的に許せば、コアの方向を直角にした方が無難です)。
シールドケースに入れて完成です。
検波段は元々2極管検波の負荷があるので、
単同調に変更しても選択度が多少悪くなる程度で充分使えます。

なお1次と2次のコイルを入れ替え、2次側は100KΩ程度の抵抗で代用する方法もあります。
コイルまで自作したラジオの検波段のコイルを参考にしてください。
下の写真はこの方法で修復した物です。

1次側に同調コイルを移し、2次側は100KΩの抵抗負荷としました。
PとGの間はコンデンサー結合。
追加情報
コイルの不良を取り上げましたが、実はIFTの不良はコンデンサーが原因の事が圧倒的に多いです。
コンデンサーの不良の場合同じ容量のものに交換します。
なおシルバードマイカやCH特性(温度係数0)のセラミックコンデンサーを選んでください。
本来IFTのセラミックコンデンサーはコイルの温度係数を打ち消す特性の物が使われていますが、修理では判別が難しいです。
それで温度特性0の物を選ぶわけです、耐圧は50Vでもかまいません。
一般のセラミックコンデンサーだと温度により同調周波数が動きます、とても実用になりません。
蛇足?
ナショナルのIFTの調整は慎重にしましょう。
ボビンが簡単に廻ります、結果的にコイルのリード線が断線し、泣く事になります、要注意。

IFTの修理例その2(ラジオ工房)
スターのIFT B4の様子がおかしいので分解してみました。

内部の様子は写真でご覧ください、凄い埃で、マイカも怪しげです。
早速マイカを取り外して容量とQを測定してみました。
測定した結果
105PF(Q12)  と110PF(Q400)でした、Qが極端に落ちている事が判ります。
Q12とは信じられない値です。
またコイルのQも60程度しか有りませんでした。
なおコンデンサーのQは
標準のLとQメーターのバリコン200PF(計算式ではC1と表示)の位置のQをQ1とし、
Qメーターのバリコンに並列にマイカを入れ、同調した時のCをC2 QをQ2として、あとは計算でだします。
(C1-C2)Q1×Q2
ーーーーーーーーーー =コンデンサーのQ
C1×(Q1-Q2)
FTの修理例その3(ラジオ工房)

ゼニスのラジオに使われていたIFTの故障例です。
ガリガリ雑音の発生があり、原因はこのIFTのコンデンサーでした。
日本製のIFTと違いコンデンサーは裸のマイカに銀メッキ電極をしたと思われるものが使われていました。
どうもこの絶縁がおかしくなっているようでした。

IFTの修理体験記をご覧ください。


なお スーパーの修理はIFTを455KHzに調整するとともにトラキング調整もしましょう。
これを省略すると このようになります


(ラジオ工房)ラジオ修理メモ9(マグネチックSPの発火)

これは小生の経験談では有りません、受け売りですが、危ない話なので念のためご紹介。
昔 松浦 一郎さんが兵頭 勉(ベートーベン)のペンネームで、 「修理メモ」というのを電波科学に昭和23年6月から、 29年5月まで連載していました(電波技術にはこの後まで連載あり)。
この中に「マグネチック スピーカーが発火して燃える」という記事があります。
家庭だけでなく、映画館のモニター用のマグネチック スピーカーが燃える事件まで発生。
これらの記事は数回に渡って書かれていて、26年7月号に調査結果が報告されています。
燃えたフレームを調べると、廃紙パルプを使っている。その充填剤に硫黄34%と
陶土らしいもの4%で含まれている。火が付けば燃えると書いてあります。
でもこの時は何故発火するかは不明であったが、その後の調べで、 銀色塗装のしかたが不味いと導電性を持ち、 並四程度の電圧のリークで発火するとの記事が出ました。
検証のために、アルミの粉末が多く、クリアラッカーを少なく、 シンナーを多く使って、殺虫剤用の手押し噴霧器を使って吹き付け塗装をしたものが、 B電源のリークで発火し易い。 原因理由はともかく、 紙フレームで銀色塗装のある特定メーカー製は発火の恐れがあるようだ。
現在製作会社は特定は出来ないが、皆さん並四の修理は下記注意。
1)スピーカーのコイルと馬蹄形磁石間に漏電が起きてないかを確かめる。
2)ラジオそのものも古いので、不在時はこまめに電気を消した方が無難。
こんなことが起こる確率は限りなく0に近いと思いますが、 承知だけはしておいてください。


(ラジオ工房)ラジオ修理メモ10(放送局123号)

放送局123号受信機を修理する場合は別項の放送局型受信機の項をご覧ください。

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(ラジオ工房)ラジオ修理メモ11(妨害電波  同調する毎にビーと音がする)

これは丁度7年前家を新築した時に経験した話。 田無市の仮住居で改造した(緑色ネオンで同調表示)5球mTレス スーパーを 実験室で動作させようとしたら、
放送局に同調するごとにピーと言う音がして、正常に受信できません。
引越しの時の振動でどこか壊れたと信じたので堪りません。
彼方此方調べました、IFTの中まで分解しましたが解決しません。
とうとうこのラジオは分解してしまいました。
その内別のラジオでも軽微ですが同じ影響がある事が分かりました。
トランス付きのラジオでは影響が比較的軽微です。
また日本無線のNRD−515では正常に受信できます。
色々試したがどうにもなりません、数ヶ月間悩みました。
電動雨戸など電灯線直結の機器が有り、配線が複雑なので、電気屋さんに協力してもらい機器の電源を順次落としてゆきました。
結果 温水洗浄トイレが原因と判明しました。
2個所作ったので、個別に電源を落としても切り分けられなかったのです。
判ってしまえば簡単ですが、有名メーカーの製品でこんなとんでも無い事が 起こるとは全然考えていなかったことが長期間悩む原因でした。
やはり困ったら、原点に立ち返り、見直した方がよさそうです。
悔しい思いとともに、大いに反省をしました。
発生機器がわかれば後は簡単。 なぜこんなことが起こるかは、455KHzのセラミック発振子が使われて、これが強烈な電波を出している事が判りました。
NRD−515で455KHzに同調させるとNHKと同じくらいの強度で受信できる事が確認できました。
多分電灯線にも乗ってもいると思います、これではレスラジオでは堪りません。
メーカーに苦情を言ったら慌てて、対策に来ました。
どうも470KHZのセラミックに交換して行ったようです。
メーカーに言わせると、着座センサーに使っているとの事。
でもマイコンのクロックの可能性もあると小生は疑っているのですが。
ラジオ用の民生品が安いからといってこんな非常識な使い方をするとはあきれた物です。
皆さん最近はマイコンを組み込んだ機器が多いです、小生と同じ悩みをしていませんか。 ご注意ください。

追加情報。
コードレス電話の充電器など とんでもない物からも雑音が出ます、特に我が家のシャープ製コードレス電話UX−KT45CLはNHK第2放送付近に強烈な雑音を撒き散らします。

IF妨害に冠する関連の記事

ラジオ工房掲示板の記録 平成15年6月
http://radio.eucaly.net/Globtown/bbsbox/15-6.html

ラジオ工房掲示板の記録 平成14年9月
http://radio.eucaly.net/Globtown/bbsbox/14-9.htm


(ラジオ工房)ラジオ修理メモ12(バリコンのQ低下)

並四や高一などで極端に分離が悪い事が有ります。
また5球スーパーで感度が低いときに、念のためバリコンを疑ってみてください。
比較的可能性は低いのですが、Qが100〜200程度に低下している事が有ります(新品は軽く2000以上)。
コイルのQはどうせ100以下が多いのですが、バリコンまで低いと分離や感度に影響してきます。
コイルのQの回復は「ヒーター電圧でコイルの線を暖めると良いと」昔 雑誌で記事をよんだ記憶があります、でも確かめてはいません。悪いコイルは30くらいまで低下している事が有ります。
コイルが悪いときは巻き直した方が良いでしょう。でもバリコンは困ります。
このような場合、汚れを歯ブラシで洗剤を使って洗い、良く乾かせば、殆どが復活します。乱暴ですがマジクリンを使ってます(アルミに悪影響が有ります)、本当は中性洗剤が良いのでしょう。これでQは2000程度には復活します。
ただ一度どうしてもQが200程度から回復しない事が有りました。数日して冷静に見たら、ローターと軸のカシメが緩んでいました。これを修理してOKとなりました。
なおバリコンの羽根が接触してガリガリと雑音が出る事があります、これは羽根の曲がりを修正すればOKです。

なおCRCか接点復活材をバリコンの羽にかける方がいますが、止めた方が無難です、悲劇の始まりになります。


ラジオ修理メモ13(並四の窓のくもり)

並四や高一のダイアル窓が長い年月の間に曇ってくる事があります。
これはピカールなどの金属磨きで丁寧にセルロイドを磨けば、奇麗になります。
ただ念のため、目立たぬ所で試してからやった方がよい。
どうしようもないときは最後の手段として透明ラッカーを塗れば少しは見えるようになります(程度は悪し、薦められない)。


(ラジオ工房)ラジオ修理メモ14(真空管の修理)

真空管が不良の場合、何とか修理できないかと考える事が多いと思います。
ST管の故障は下記が一般的です。
1)エミゲンと言われる老化現象
2)ヒーター断線
3)6D6などのトップグリッドのぐらぐら
4)ベースのぐらぐら
5)雑音発生
まず
1)のエミゲンですが、201Aなどのトリウム タングステン ヒラメントの球は回復の望みが有りますが、我々がごく一般に使う酸化物陰極のST管は難しいようです。
昔のラジオ雑誌には こうすれば真空管が回復するという記事をよく見かけました、自分で試すとやり方が悪いのか、中々うまく行きません。
これらは真空管を炙って真空度を高めようと言うやり方やヒーター電圧を一時的に高くするといったやり方です、どうしてもと言う場合「だめもと」で挑戦して下さい。
2)ヒーター断線   
昔はこれも球の中でつなぐ名人がいたようですが?。
テスターで測って断線と判断した球でも意外に断線していない球が多いです、捨てないよう注意。
この現象はベースとリード線の半田が外れている事が原因です、半田付けし直せば立派に使えます、これで刻印の2A3を蘇らせました。
また逆にテスターで測って導通が有るのに点灯しない(あるいは暗い)真空管は空気が入っている可能性があります、これは回復不能です。
判定は、しばらく通電していて、ヒーターが点灯せず、ガラスが暖かくなる球は空気入りです。
3)トップグリッ
半田付けし直して、エポキシ接着剤で固定します(熱膨張が多少心配ですが、現在まで問題は未発生)。
4)ベースのぐらぐら
中のリード線が外れている可能性があります、動作試験を必ず済ませてから固定して下さい。
MJ誌に真空管製造学を連載されている小口さんにいただいた接着剤を使って見ましたが、中々快適でした。
この接着剤は自家製だそうで、小生も偶然 学会でお会いした機会にいただいたので、皆さんも入手が難しいと思います。大部分の方はエポキシを使うしかないので、ガラスの全周に多量に使うのでは無く、固定できる程度に少量使う事をお勧めします。最も最近は耐熱で柔軟性を持った物が売られているので挑戦する価値があります。
(エポキシは危険と言われる前は知らぬ事とは言え、エポキシ接着剤を使いました。100本以上に使いましたが今のところ不都合は無いようです。
プロが使うほどの数では無いので、問題が発生していないのでしょう)。
この他ノイズを出す真空管が有りますが諦めた方がよさそうです。
またmT管は修理に成功した経験はありません。

6D6などのトップグリッドのぐらぐら

修理前 修理後

(ラジオ工房)ラジオ修理メモ15(代用真空管)

戦前のラジオを修理すると補修用の真空管の入手に困った経験があると思います。
24B 
米国の24Aなどを使えばそのまま差し替えられますが、大きさが異なるので、シールドケースなどを使った場合は困ります。
戦後24Bの代わりに使うよう57Sという日本独自の真空管が有りましたがこれも殆ど入手困難です。
代わりは57のベースを外し、UYベースに付け替えれば57Sの誕生です、この場合G3はカソードに接続します。
UYベースの4ピンにG3とKの2本のリード線が入ります、57Sの本物もこのようにして作られています。
不良真空管のベースは捨てないで大事にしましょう。
47B
戦後マツダが造らなかったので、中古でGMが正規にある47Bは珍しいと言われるほど酷使されています。
代わりの真空管は3YーP1です、最近まで秋葉原で見かけましたが現在は入手が難しいでしょう。
またこの球は傍熱型なので立ち上がりが遅く、12Fと組み合わせると電解コンデンサーに無理がかかる可能性があります。
代用品は33を使います、米国製はST16で大きいのが欠点ですが、シールドケースは無関係なので、お奨めです。
ヒラメント規格以外はほぼ47Bと同じです。
小型キャビネットの場合 物理的に大丈夫か事前に確認を。
なおヒーターが2Vなので、ヒーターの両端にそれぞれ1Ωの抵抗を入れればOKです、無精して片側に2Ω入れるとハムが出る可能性があります。
最近小型抵抗がありますので、ベースの中に実装して、差し替え可能な2.5Vヒーターの47Bを造れます。
26B
これも大きいですが米国製の26か226を使えば、多少規格は異なりますが使えます。
12A
これも米国製が使える、しかし少し大きい。
56A 57A 58A
昭和20年前後の一時期 日本独自規格で発売されました、ヒーター電流が0.8Aのものです。トランス付きの場合、トランスの電流容量が多少心配ですが、普通の56 57 58がそのまま使えます。
12F
ダイオードで代用と言う方法もあります、この場合2〜300Ωの抵抗を直列に入れないとB電圧が高くでます。この抵抗は意外に熱を持ちます、要注意。
米国に1Vと言う80BKに外観が良く似た真空管が有ります、これは6.3Vヒーターの自動車ラジオ用の球ですが、Hが1と4ピン、Pが2ピン、Kが3ピンに出ていますので、接続変更すれば使えます。ただ6.3V用を5Vで使うので長時間使えるかは実験していません。傍熱型です。昔1と言う水銀蒸気入り真空管があり、この高真空版と言う事で1Vと名づけたようで、日本でも1V(水銀のHX−1も)は戦前マツダで造ったことがある。でも現物は見たことが無い。アメリカの1Vは1K¥以下で購入できる。

写真などは新ラジオ資料館の代用真空管の作り方をご覧ください。


(ラジオ工房)ラジオ修理メモ16(ダイアルの糸かけ)

ダイアルの糸かけに悩んでいる方は多いと思います。
糸は是非専用の物を使って下さい。
写真に示すごとく3mほどの小巻きにして売られています。
建築用の黄色の水糸も使えない事は有りませんが、滑りやすいです。
ツマミがつくプーりーの軸は普通3回巻けば充分です。
どうしても滑る時は写真中ほどに示す、松脂が便利です。
これを粉にしてかけると、科学調味料の如く素晴らしく良く効きます。松脂は楽器店で売られています。
右側の長い耳かきのようなものはダイアル糸かけ用の工具です。
これは中々便利です、1つ有るとBCLラジオの修理でTRを抜く時などにも重宝します。
なお慣れるまでは、ラジオ固有のダイアル糸のかけかたを個別にメモして置く事をお勧めします。
少し慣れると、簡単に出来るようになります。
ただメーカー製のラジオではまず問題ありませんが、自作品の場合、無理な設計の事が有るので、注意が必要です。


(ラジオ工房)ラジオ修理メモ17(ST管5球スーパーの故障個所の推定方法)

5球スーパーの修理で、今まで ある程度動作していたが、音がしなくなったとか、
ブーンとハムは聞こえるがどうしてもうまく受信できない場合の故障個所切り分けのヒント。
(抵抗は正常と仮定して有ります、電圧が正常でない場合、抵抗値も必ず確認ください。
なおラジオを骨董市で買ってきて、いきなり電気を入れるのは止めましょう、
修理メモ1をご覧ください)

ラジオの修理はアンテナ側から調べるのと、SP側から調べる方法が有りますが、真空管ラジオの場合、後者の方が楽でしょう。
SP→SPトランス→電源→電力増幅→低周波増幅→検波→IF→周波数変換→ANTコイル
順次正常に動作しているか確認すれば良いわけです。
このために最低限テスター(出来ればアナログ)が必要です。
必要に応じTRラジオ(イヤホーン端子から音声信号を取り出すなど)やクリスタルイヤホーンが有ると便利です

1)SPの確認
アウトプットトランスの1次側の抵抗をテスターのR×1かR×10で測り、クリック音が聞こえれば、まずOKとします(音が歪むのはここでは分かりません)。
導通が有るのに音がしないのは並列に入れられているコンデンサーのショートとSPの不良を疑って下さい。
2)B電源回路
整流管の直後でAC電圧に比べ、同じか多少高目のDC電圧が出ていますか。
これが極端に低いと整流管かケミコンの不良、それに他の回路で電流が流れ過ぎています。
高すぎる場合は電力増幅管などのエミゲンでB電流が減少しています。
さらにヒーター電圧が正常か確認ください。
3)出力管のカソード電圧
6ZーP1で10V、42で16Vくらい有りますか、これより大幅に低いと真空管の劣化、高いとグリッドに+電圧がかかり、B電流が増加している可能性があります、これは6Z−DH3AのPと出力管のG1の間の0.01μFの絶縁不良を疑って見てください。
4)42のG1がプラスになる事は上記以外に、球の不良の可能性も少しですがあります。
42を抜いたらこの電圧が消えるようであれば、この不良です。
5)6Z−DH3Aのグリッドを指で触って、ブーと音が出れば低周波段はほぼ正常といえます。
厳密にはここに音声信号(TRラジオから取り出すなど)を入れて確認すればさらに完全です。
6Z−DH3AのPの電圧を測って下さい。
電圧が出なければ、負荷抵抗の断線の可能性が高いです。
6)6D6 6WーC5のPをテスターで、電圧測定してください、通常は200〜250Vあります。
さらに、ここでクリック音が出るか確認ください(アナログテスター)。
クリック音が出なければ、この回路以降が故障しています。
7)さらにスクリーングリッドの電圧を測定ください、80V〜100V程度有りますか、これが極端に高い(例えば150V)と、真空管がぼけている可能性があります。
8)6D6のカソード電圧を測り、3V近辺であれば、6D6はほぼ正常です。
電圧が低い時はエミ減の可能性があります(AVC電圧で変わります、無信号時)。
9)6WーC5が正常に発振しているかどうかは、TRラジオ(出来れば、メーター付きのBCLラジオ)で確認できます。
5球スーパーの局部発振は455KHz(463もあり)+受信周波数で発振しています。
例えば594KHzのNHK1を受信する場合、TRラジオを発振コイルに近づければ、1049KHz付近で電波を受信できます、受信できなければ、発振停止です。
電波は いわゆる無変調のキャリアーですから注意しましょう。
10)スーパーの受信周波数は局発の発振周波数によります、例へラジオが受信出来てもバリコンを動かして変化が無ければ、漏れ電波を拾って、低周波段の非直線部分で検波され、音が出ている可能性があります(パソコン通信のモデムからラジオが聞こえた経験はありませんか?)。
11)TRラジオに親しんでいる人はアンテナに無関心と思いますが、真空管ラジオにはアンテナとアースが必要です。
アンテナ線を接続しないと受信できません。
電波の強いところでは数mのビニール線をアンテナ端子に接続すれば、受信できます。
これは電灯線がアンテナになり、数mのビニール線がアースの働きをする、昔アースアンテナと言われていた受信方法と同じです。
ビニール線はカウンターポイズと同じ働きをします。
12)アンテナをつないだ状態でアンテナコイルに触ったら、受信音が大きくなれば、アンテナコイルが断線している可能性があります。
13)6D6とシールドケースが密着してないと発振して、うまく受信出来ない事が有ります。
14)出力トランスの1次側に入れてある、コンデンサーがパンクすると他の故障と切り分けが難しいので注意しましょう。(音が悪くなる、出なくなる等)
15)IFTの故障も有ります、これは切り分けが難しい(修理方法は修理メモ8参照)。
16)6ZーDH3AのPに入れられている250PF(または100PF)がオープンになるとVRで音が絞り切れなくなることが有ります(勿論VRの不良の方が多いですが)。
17)AVC回路の0.1または0.05μFのコンデンサーが絶縁不良になると、AVCが効かなくなり、地元の強力な局を受信すると音が悪くなる事が有ります。
18)バリコンは極板がショートする可能性があります、1部分のショートも当然あります。
受信周波数の一部で受信できない時は念のため、確認して下さい。
19)SW付きVRでラジオとPHONOを切り替える方式の場合、このSW部分が接触不良になっている事が有ります。
この場合 回路方式にもよりますが、ラジオの音がVRで調整できない現象が起こります。
20)出力トランスのインピーダンスが規格に比べ、大幅に低すぎる時は、音が歪みます。
音が悪い時はトランスのレヤーショートの可能性が有ります。


(ラジオ工房)ラジオ修理メモ18(テスターだけを使ったスーパーの調整法)

テスト オシレーターなど特別な測定器を使わない、テスターだけで出来るスーパーの調整法

調整棒?を準備しましょう、製品は写真下側2本です。
自作する時は上側のような簡単なものでもOKです。
左は5円玉(2枚くらいまとめた方が効果が高い)、右側はTRラジオのバーアンテナ(磁気コアー)の破片を使ったものです。
5円玉をコイルに入れると、インダクタンスが減少します、コアーを入れるとインダクタンスが増加します。
この原理で調整します。
1)まずテスターを中間周波増幅管のカソードに接続します(+をカソードに、−を−Bに)。
普通は3V程度を示します。
放送を受信しながら、この電圧が低くなるようにIFTのネジを調整します、音は多少大きくなるはずです。
元の位置を記録しておいて、あまり廻し過ぎないようにします、せいぜい1回転くらいで止めておいた方が無難です(調整が大きくずれている時は、オシレーターが必要です)。
2本のIFTの上下 計4個所の調整をします。
これでメーカー製のラジオであれば、ほぼ合格点が取れるでしょう、自作(組立て)品の場合、多少不安はありますが、良しとします。
なお発振器は何もテスト オシレーターや標準信号発振器である必要は無いのですが、
出来ればセラミック発振子を使って、455KHzの発振器を作っておくと便利です。
これが有ると、正確に455KHzに調整できて便利です。
2)ダイアルの指針の位置が狂っていないか、確認ください、時々ずれている事があります。
3)600KHz付近の放送を受信します(東京なら594KHzのNHK)。
ダイアルの指針と放送が一致するよう、パディングコンデンサー(または発振コイルのコアー)を調整します。
4)1400KHZ(東京なら1422KHz)付近の放送を受信し、ダイアルと放送が一致するよう、発振側のバリコン付属のトリマーを調整します。
4が終わった後、3を再確認するなど、1〜2回繰り返して見る必要が有ります。
5)600KHz付近の放送を受信しながら、アンテナコイルに上記調整棒を入れてみて、どちらを入れてもIFのカソード電圧が高くなるか(感度が悪くなるか)確認します。
コアーを入れて電圧が下がれば(受信感度が上がれば)、アンテナコイルの巻数不足。
5円玉の場合、巻数過多です。
アンテナコイルに調整用のコアーがついていれば簡単に調整できますが、無い場合は諦めた方が無難かもしれません。
6)1400KHz付近の場合、バリコン付属の同調側トリマーで最高感度になるように調整します。
7)昔は1000KHz付近も単一調整に加えていましたが、省いても良いとします。

余談
1)自作品や改造品の場合、コイル バリコン ダイアルの規格が一致しない事が有ります。
日本で統一されたのは昭和27年4月頃です、それ以前はグループ毎(CLD協会など)に違いました。
さらにその前は各社独立で作っていました(ダイアルが単なる100目盛りとか)。
そんなわけで、発振側と同調側の単一調整が真面目にはできない事も有ります。
2)東芝などのラジオで、IF増幅管に自己バイアスがかけていない物が有ります。
この場合AVC電圧を測定して調整する必要が有ります。
またマジックアイがついていれば、これを利用して下さい。

3)数回ネジを廻しても変化が無い場合が偶に有ります、これはIFTの故障の可能性を考えた方が良いです。
コアーがネジから抜けている、同調用CのQが低下しているなど。
この修理法はラジオ修理メモ8をご覧ください。
4)IFTの周波数は昭和25年頃までは463KHz、戦前は175KHzの事もありました。
455と463の違いはあまり意識しないで大丈夫です。
5)名古屋地区など一部の地域では455KHzでは無くて、少し上下にずらして調整して有る事が有ります。
これは名古屋のNHK第2が910KHzだった事が原因
です


(ラジオ工房)ラジオ修理メモ19(パディング コンデンサーの容量抜け)

最近続けて悩まされた現象です。
5球スーパーを修理して、動作試験をすると、NHK 第一(594KHz)が受かりません。
全体の受信範囲も異常です。修理体験はここをご覧下さい。
スーパーの受信範囲は局部発振の周波数で決まります。
局部発振は普通、受信周波数+455KHZになっています。
親子バリコンを使えば簡単ですが、通常は等容量の2連バリコンが使われています。
このため発振側のバリコンには直列にパディングコンデンサーと呼ばれる物が使われ、
455KHZ高い周波数を発振する仕組みになっています。
この容量が変わると発振周波数が変化し受信周波数が変わります。
自作のST管のラジオでは普通max600PF程度の可変コンデンサーが使われていますが、
メーカー製のST管ラジオやmT管ラジオでは430PF前後の固定コンデンサーが良く使われています。
コンデンサーの絶縁不良は比較的見つけやすいのですが、容量不足は見つけるのに苦労します。
セラミックコンデンサーやフイルムコンデンサーでも容量減少があります。
受信周波数が不審な場合、一度確認してください。

余談
昭和20年代はセラミックコンデンサーやマイカが、
30年代になって短波帯にはポリスチロールコンデンサーがパディング用によく使われています。
容量減少は0近くになるのは原理的にあるとして、中途半端な容量抜けはあまり無いと思い込んでいたのですが、
結果は違いました。
受信周波数が不審な場合、確認してみてください。
勿論この種の故障原因はコイルとメインのバリコンの不良の割合の方が圧倒的に多いですが。 

パディングコンデンサーの思いがけない状態
スーパー用のパディングコンデンサーは普通200〜600PFと言われています。
この容量を実現する為、片側で数枚の極板が使われています、極板の間は夫々マイカ板が挟んであります。
この極板は半田で接続する仕掛けになっています、時々この半田付けが外れていて、容量不足になっていることがあります。
スーパーで受信周波数の調整不能の場合、こちらを疑ってください。

もう一つ気をつけなければいけない事は、極板を抜き取って容量を減少させたものが出回っている事です。
これはアマチュアーが実験用に使用したもので、そのままではパディングとして使えません。
ラジオに組み込んである物は、ほぼ大丈夫と思いますが、単品で購入する時は充分注意する必要があります。
注意すると簡単にわかりますが、無意識だと同じ外観なので、判り難いです。


左側のパディングコンデンサーの極板が抜き取られています。
この様に加工されたものは容量が小さいです。
左側の物は最大でも250PFくらいか?。
固定のパディングコンデンサー(マイカ スチコン チタコン セラミックコン)が容量抜けした場合は同種の物で置き換えてください。
但しセラミックコンデンサーは温度係数0の物を選んでください。

温度係数0の物は頭が黒く塗ってあります。
耐圧は50Vの物をここでは使います。
全く同じ容量の物は入手が難しいです、2個か3個組み合わせてほぼ近い値にしてください。
多少の誤差(5%程度)は我慢しましょう。
例えば445の代わりに300PF+120PFや、220PF+220PFなど。
なおマイカコンデンサーやスチコンも温度係数が0に近いので組み合わせて使えます。


(ラジオ工房)ラジオ修理メモ20(一般的な注意)

古いラジオを購入してきて、修理を計画している人は多いと思います。
一般的な注意事項をまとめました。
@故障箇所は複数箇所有ると思うこと。
昔のラジオ修理の本を読むと参考にはなりますが、全て解決するわけではありません。
当時は毎日ラジオを使っていたわけですから、故障原因はほとんど1つです(から派生したもの)。
ところが数十年経過したラジオを修理するわけですから、原因を1つと思い込むと迷路に入ります。
複数の故障原因が有る前提で、着実に調べて行く必要があります。
この様な現象だが何処が悪いかとの質問は多いです、的確な返事が難しいことが多いです。
是非 故障が複合していると頭の隅に置いてください、解決が早いです。
A真空管のピンとソケットの接触不良が結構あります。 
乱暴ですが、真空管をゆすってみるのも発見する方法です。
Bテスターで各電極の電圧を測定する時にソケットの端子を測定するだけでなく、
真空管のピンにテスター棒を当てて見ることも、厭らしい故障発見には役立ちます。
(外見からは大丈夫に見えて、接触していないことが多々あります)
Cマンションなど鉄筋の家に住む場合電波がシールドされます。
外部アンテナが必要ですので、忘れないように。


(ラジオ工房)ラジオ修理メモ21(電磁型ダイナミックスピーカー)

フィールド型スピーカーとも呼びます。
マグネチックスピーカーが永久磁石を使っているのに対し強力な電磁石を使った大出力のスピーカーです。
日本でラジオに使われたのは昭和初期から昭和27年頃までに多く、
20年代後半になると電磁石の代りに永久磁石を使ったパーマネントスピーカーが多用されるようになります。
電蓄など8インチ以上のスピーカーは30年代でもフィールド型スピーカーが使われました。
このタイプのスピーカーは当然のことにフィールドコイルに電流を流して、電磁石にする必要があります。
口径の大きなスピーカーは大きな電力が必要です。
初期のものには専用電源が準備されていましたが、ほとんどのものはB電源の平滑チョークコイルを兼ねさせる形の利用が大多数です。
この為B電源はチョークでのドロップを見込んで80〜100V高く出るように設計されています。
フィールドコイルの抵抗値は1,000Ω 1,500Ω 2,500Ωが多数ですが、これ以外もあります。
外国のものには電池で励磁させる為か、数十Ωのものも有るようですが、現物は知りません。
一般に2,500Ωのものは戦前の47B出力の4ペンに良く使われました、戦後の物は恐らく少ないでしょう。
1,500Ωは42 80の5球スーパーに良く使われました。電流は60mA程度。
1,000Ωの物は8インチ以上の大型に多く、一般に電蓄に使われることが多いと思います、一般に100mA程度必要です。
励磁するに必要な電力はスピーカにより異なりますので、このスピーカーを使う時は電流値にも十分注意する必要があります。
1,000Ωの物に数十mA流したのでは大きな音は出ません。
また粗悪品では細いエナメル線を巻いて、抵抗値だけは大きいが、巻き数が少なく大きな音が出ないものも中にはあるようです。



パイオニアのフィールド型ダイナミックスピーカー。
昭和26年の卸商報による。


パーマネントスピーカーが使われていたラジオにフィールド型を安易に交換しても良好には動作しません。
またフィールド型相互でも励磁電流まで含めて互換性を考える必要があります。

なおハム音が大きい時はフィールドコイルの接続を逆にしてみると極性の関係で小さくなることがあります。
これはフィールドコイルとボイスコイルでハム音を打つ消しあう極性がある為と考えられます。


(ラジオ工房)ラジオ修理メモ22(ボリュームのがり)

分解して接点復活剤で清掃すると修理出来る事も有りますが、真空管用のVRは交換したほうが無難です。
真空管ラジオ用の不良VRは95%以上交換します。
一時的に回復しても、後で再発する可能性が高いです。
ただmTレスの場合、ローレットツマミが使われている事が多く、 軸の長さまで同一の物を探すのが大変です。
またトランス式の場合でも特殊な形状の軸(切り込み付D型)もあります。
この場合内径6mmΦパイプを利用します(1mm厚のアルミの場合外径8mmΦ、0.5mmm厚のアルミの7mmΦと表示)。
これを軸の継ぎ手に利用します。
古いVRの軸の先端部を切りとり、新しいVRの軸と組み合わせて最適な長さに調整します。
固定はエポキシの接着剤を使ってください。


接続例
250円(最近まで180円だったが値上げされた)で入手できる500KΩ SWつきは軸が短い。
オリジナル(不良品の)のVRの軸を必要なだけの長さに切り取ってください。
接着しますので、長さの判別には多少工夫が必要です。

なお0.5mmm厚のアルミパイプの場合、外径が7mmΦの為、
ナットがそのまま外せます、入手できる場合はこちらが(使用例)お勧め。
軸をさらに延長する時には6mmΦのアルミ棒を使います、秋葉原やホームセンターで入手可。
このパイプを使う手法は意外と便利です。
実際の応用例は新ラジオ資料館の三菱6P−617H−456 東芝513 テレビアンM−48 の修理をご覧ください。


軸の違いはこのように接続して対応します。

余談
昔から軸の継ぎ手は売られていますが、肉厚があるのとネジがついているので、木製キャビネットのラジオにはなんとか使えるのですが、
プラスチックキャビネットのラジオではスペースの関係で使えないことが多いです。


(ラジオ工房)ラジオ修理メモ23(レスラジオの修理冶具)

mT管のトランスレスラジオを修理する時、この様な冶具を使うと便利です。
AC電源の入り口に100Wないし60Wの電球を直列に入れ,ヒューズ代用にするる方法です。
過電流が流れると、電球が光ります、少しでも点灯すると危険とお考えください(通電直後は光ります)。


費用は
電球ソケット       137円 (ホームセンター島忠)
電球100W型(90W) 105円(100円ショップ 2個入り)
3m延長コード      105円(100円ショップ)

延長コードの片側の線を切断し、この部分にソケットをつけるだけです。
写真を見ると仕掛けは分かると思うので、詳細は省略します。
なお100W型の場合 電圧の降下は無視できる程度。
60W型の場合10V程度の電圧降下があります。
安全性では60W型の方がよいかもしれません。
通電した時 60Wでは多少暖かくなりますが、暗くとも光ってはいけません。
電球は冷たい時は抵抗が極端に低いですが、光るようになると抵抗値が急激に高くなり、
過電流を防止します。
最悪 60W型では0.54A 100W型では0.9Aまでしか流れません。

これを使うとヒューズが切れる前に電球が明るくなうので直ぐ分かります。
60W 100Wともにレスラジオでは点灯しませんので、少しでも光る時は要注意です。
ケミコンの不良やカップリングコンデンサーの不良でB電源に過電流がながれている可能性を疑ってください。


60W型の場合、通電した直後は電球が光ります、1分くらい経過すると光らなくなり10V程度の電圧降下で落ち着きます。
この降下電圧を記録しておくことをお勧めします。
30A5のグリッ結合コンデンサーがリークしている場合や、ケミコンの漏洩電流が増加した場合、B電流が増え、結果的にAC電流が増加し、電圧降下が増加します。
降下電圧を測定するだけで、ある程度故障状況の予測がつきます。
ヒューズが断線する事もありません、ただ1分経過してもランプが暗くとも光っている場合は危険です、直ぐ電源を切って下さい。
この方法はキャビネットからシャーシ部分を取り出さなくても良いので楽です、簡易テスト方法としてご利用ください。


(ラジオ工房)ラジオ修理メモ24(ブロックコンデンサーの横リーク)

ケミコンでも同じですが、ペーパーコンデンサーを複数個 同一のケースに納めると、
理論上は接続されていない端子間に、劣化に伴いリーク(絶縁不良と表現した方がよいかも)がでてきます。
図のように点線で接続した抵抗があたかも存在するようになるのです。
隣の端子に高い電圧が加わるとこれが漏れ出て、別の端子に電圧を誘起します。
平滑回路の場合問題が無いように一見思われますが、リップル電圧も漏れてくるので、
ハムが幾ら容量を増加させても減らないなど不可思議な現象が発生します。
古いブロック型の電解コンデンサーでこの様な現象が発生したら交換してみたほうが解決が早いです。



なおラグ端子でも同じ現象(端子間の絶縁不良)が発生します、これは経験無いと切り分けにくいので注意しましょう。


(ラジオ工房)ラジオ修理メモ25(接点復活材の間違った利用法)

バリコンの羽根や真空管のソケットに接点復活材やCRCをかける人がいます。
摺動部分に微量かけるのは別として、「過ぎたるは及ばざる如し」です。
バリコンの羽根にかけると、容量が増加して、高い方の周波数が受信できなくなります。
勿論ダイアル目盛りも狂ってきます。
 

周波数直線型のバリコンに接点復活材?をかけて、使用不能にした例。
超音波洗浄をやってみましたが、時間が経過している為か、駄目でした。
バリコンを含むチューニングユニットを交換して修理。

詳細はここ

5球スーパーのバリコンにCRCを塗布した例。
496〜1276KHzに変わってしまった。
詳細はここ

ベークの2枚ウエハー製mT管ソケットに使用すると、この中に液体が溜まる為、電圧が加わると絶縁破壊を起こす可能性があります。
接触を良くしようとかけるのでしょうが危険です。


2枚ウエハーのmTソケットは多用されています。
回復の意味でCRCをかけると、ベークの間にCRCが溜まります。
整流管や出力管は高熱になり、高電圧も加わりますので危険です。
内部の清掃は不可能ですから、交換するのが理想的です。
詳細は上記と同じ

(ラジオ工房)ラジオ修理メモ26(パディング コンデンサーはシャーシと絶縁して組み込む事)


これはラジオ工房掲示板の投稿で判明した事例です。

パディング コンデンサーをシャーシに固定する時、シャーシと絶縁して組み込んでください。
またスーパー用のシャーシにも その為に少し大きな「取り付け穴」が開けてあります。
無意識に組み込むと「動作しない」、「原因が解りにくい」トラブルが発生します。
パディングコンデンサーは必ずシャーシと絶縁して取り付けましょう、構造上調整ネジと極板が接触することがあります。
この為 端子と調整用ネジが接触した時、発振が停止したり、周波数が変化しなくなる不思議な現象が発生します。
発見するのに苦労します、ご注意ください。


(ラジオ工房)ラジオ修理メモ27(電源トランスの電圧)

これもラジオ工房掲示板の質問で判明した例です(2007年12月16日)。
「トランスが断線したので、メーカーに製作依頼をしたいとの事。
一時側100Vで二次側が312V、5.4V、6.8Vと言う話が出てきます。」
議論がかみ合わないので確認すると、無負荷の電圧と実負荷(公称)電圧とを区別しないようです。

電源トランスに表示されている電圧は一般的に実負荷をかけた時の電圧が記載されています。
トランス単独で試験すると、表示電圧より、少し高い電圧が出ます。
時に巻線の細いB巻線は10〜20%高い電圧が出ることがあります。
断線したトランスの代わりを製作する時は無負荷電圧なのか実負荷電圧なのかの区別をして注文する必要があります。

下記に昭和34年2月のナショナルトランスの広告の1部を紹介します。
このように大きさに大小はあってもレギュレーションは考慮して議論ください。

(ラジオ工房)ラジオ修理メモ28(受信周波数が跳ぶ)

ラジオ工房掲示板の質問、自分の体験を含め ラジオの受信周波数が大幅に狂ったり、突然跳んだりする現象が発生することがあります。
コイルやコンデンサーの温度係数の関係で中波帯で数KHz程度は動くことがありますが、数十KHzも動くと吃驚します。
自作品の多かった時代のラジオはパディングコンデンサーの半田付け不良(修理メモ19)で発生することが殆どでした。
最近 よく話題になるのは東芝のかなりやシリーズでの発生です。
メーカー製ですからマイカ チタコンそれにスチコンが使われていることが多いです。
容量抜け、ショート(絶縁不良)、リード線の接触不良などの原因があり、時々「受信周波数が跳ぶ」時はこの部分を疑うと良いです。
真空管の熱で ある程度時間が経過すると突然「周波数が跳び」、翌日の通電時には復旧する不思議な現象も起こりえます。
パディングコンデンサーは同調回路に組み込まれていますので、必ず温度補償型のコンデンサーを使用してください。
理想を言えばコイルの温度係数と逆の物が良いのですが、実験が大変なので温度係数0(黒)を選べばよいでしょう。

発振回路の結合コンデンサー(50〜100PF)の不良でも似た現象が発生します、上記で解決しない時に疑ってみたらよいでしょう。

温度補償用のコンデンサー。
頭の黒いものが温度係数0のもの。
橙色のものは−150PPM/℃。
数字の下の線は50Vを意味する。
公称静電容量温度係数  
NP0 (PPM/℃)            記号C  カラー表示 黒
N30                      H          茶
N80                      L          赤
N150                     P          橙
N220                     R          黄


29)(ラジオ工房)ラジオ修理メモ29(音が絞りきれない故障)

音が絞り切れない故障はよく発生します、原因は
@VRの不良(0の位置でも残留抵抗がある、2KΩでもあると気になります)→交換する。
A低周波増幅段のプレート回路のバイパスコンデンサー(普通100〜250PF)の不良→良品と交換する。
B真空管の不良。

普通は@かAのケースが殆どです。
稀に真空管の不良があります、万策尽きた時に再確認すると良いでしょう。

具体例で説明すると、かなりやOSの修理時経験したことです。
調整後 正常に受信できるようになったのは良いのですが、音がまだ絞りきれません。
VRの残留抵抗0でも音がでます、しかも歪んだ音です。
VRの中点をアースしても音が出ますが、12AV6のGをアースすると無音になります、この間は0.01μFがあるだけです。
コンデンサーに誘導していると思ったのですが、念のため真空管を日立に交換してみました。
ところが無音になります、電極構造は同じはずと思い込んでいたのですが、よく見るとこのレイセオンの真空管はシールドが無いことに気がつきました。
どうもこのシールドの有り無しが大きく影響しているようです。

写真を撮って紹介しようとしたのですが、つまずいて2本とも割ってしまいました。
逆にこのため内部の構造が綺麗に見えるということにもなりました。

日立の真空管には3極管のグリッドを遮蔽するような形でシールド板があります。

音が絞りきれない原因の推定
2極管のプレートと3極管のグリッド間に遮蔽物が無いので、
グリッドにIF信号が誘導するのではと推定されます。
グリッドは5MΩでバイアスされているので、この部分で不完全ながら検波されると思われる。
明らかに歪んだ音なのが特徴。


レイセオンブランドですが、なぜかMADE IN JAPANと書いてある。
mT真空管は大メーカーしか製造できなかったはずなのにどこが作ったのでしょう。

電極の形は松下製に酷似している、あるいは同社の製造設備を引き継いだ会社が製造したのかもしれない。

我が家でNHKを受信した場合、短いアンテナでも2極管のプレートには4Vppの高周波(IF)信号が加わっている。
遮蔽板が無いとこの信号が3極管のグリッドに誘起するか、あるいは隙間から電子流に影響を及ぼすのではと考えられます。
1Vpp程度では音が確認できないので、ある程度の電圧が加わった場合に顕著に発生するらしい。


左:松下(遮蔽板あり)
中:日立(遮蔽板あり)
右:レイセオンブランド(遮蔽板無し)

シャープAR−310での事例

ラジオ工房掲示板でAR−310を修理したが音が絞れないとの投稿がありました。


多くの方から意見が寄せられましたが、解決できません。
この機種は手持ちがありますので、確認してみることにしました。
2m程度のリード線だけでTBSを受信すると、VR0の位置でも小さいながら音が出ます。
テスターで出力トランスの両端の電圧を測定してみるとハムに打ち消されてうまく測定できません。
0.1V程度と思われ、想像以上に低い電圧です。



6ZーDH3A付近のシャーシ内部。
6Z−DH3Aのグリッドをアースすると音は出ません、
しかしVRの中点をアースしても音はでます。
グリッドが直流的に浮いていないと音が出ないようです。






写真の上側の白丸のごとく、2極管の配線を外してもリード線が近ければ音が出ます。

6Z−DH3Aのグリッド回路の0.01を外すと逆に音が大きくなる。
と言うことは交流的には接地に近くても直流的に浮いていれば音が出る。
この様子は写真下側の白丸の中。


@6ZーDH3Aを抜くと音が完全に消える。
A6Z−DH3Aのプレートのデカップリングコンデンサーをショートすると(Bが0)、音が出ない。
B42のG1にクリスタルイヤホーンを接続、42を抜いても音声は出ている、と言うことは42は無関係と言える。
最近まで42のグリッドで検波しているのではと思っていたが違うようだ。
ここまでで 6Z−DH3Aの影響が強いことがわかった。

C6ZーDH3Aのグリッドをアースすると音は消えるが、0.05μFでアースしても消えない。
DIFTの2次側 ホット側(G)をアースすると音は消える。F側は音が少し小さくなる。
EF側のフイルターが省略されているので、47KΩ 200PFのフイルターを追加したが無関係。
6ZーDH3Aのプレート回路の100PFパスコンを交換しても無関係。
FVR関係の端子(ケースも) アースしても変化無い
G2極管へのリード線をソケットの端子から外しても音がでる、先端付近を動かすと音量に変化有り。
H2極管への配線を外し、ダイオード検波に改造すると正常になる。
この場合の配線は引き回しているが音量への影響は無い、この事からリード線からの輻射量は少なそう。
I6ZーDH3Aのグリッドと2極管への配線を外すとを大音量になり、VRは効かない。
JIFTのGからゲルマダイオードに接続、ダイオード検波に改造し、2極管部はアースすると正常(VR0位置で音量が0)。
K6E5に差し替えるとVR 0時の音が大きくなる。

L6AV6を利用した代用6Z−DH3Aを挿すと音が少し小さくなる。
M6Z−DH3Aの3ピン(G)と4ピン(2極管P)の絶縁を電子テスターで測定したが1000MΩ以上で測定不能。

以上で推定すると、455KHzのIF信号が6Z−DH3Aの2極管部にいり、ここから3極管部に浮遊容量で結合しているようだ。
3極管のグリッドに結合していると考えるのが自然だが、そう考えると0.05でバイパスしても音が消えない点は弱み。

ここからは独断と偏見による推定です。
マジックアイが閉じる程度の受信だと、AVC電圧は−7Vくらいです、これは波高値とほぼ同じですから、
IF信号電圧は2次側(G端子)で5V程度で、この部分から輻射されている可能性はありそう。

ST管ソケットの端子は3ピン(G)と4ピン(2極管P)で隣りだし、ここで結合すると考えると合理的ではある。
低周波段の増幅度は少なくとも50db(300倍)くらいはあるので、出力トランスで0.1Vとすると、
6Z−DH3Aのグリッド換算で0.3mVあれば良いことになります。
実際はもう少し利得があり、入力が同じなら出力は更に大きくなる。

455KHz 5Vの信号が数PFの結合容量で、0.3mV相当の入力になればこの推定は合理的と言えますが・・正解は不明です。

なおこの機種はハムが結構でます、当時のラジオは箪笥の上において家族で聞くものですから、
この程度の音量だと電圧測定値はハムより小さいし、これで良かったのかもしれません。
煩いと感じれば、アンテナを短くすべきでしょう。

6Z-DH3Aの不思議な構造

2極管のプレートと3極管のグリッドがベースで隣り合わせに配置されているので、
上記のように音が絞りきれない現象が発生することがあります。
この真空管のオリジナルはアメリカの75です。
75の双2極管を節約の精神で一個にしたものを、戦後 日本で6Z−DH3として開発、これが標準品でした。
これは75を使ったラジオの補修用にも使えるようトップグリッドで、省略した2極管の4番ピンは無接続でした。
その後下側に3極管のグリッドを引き出した6Z−DH3Aが作られました。
このような経緯から、グリッドの引き出し線が頭部からベースへ不自然な形で引き出されています。
音が絞れ無いなど問題はあるのですが、トップグリッドより便利なので、その後作られる物は6Z−DH3Aに統一されました。
この為6Z−DH3を使ったラジオは昭和22〜23年のごく短期間の製造で終了します。
歴史的には75→6Z−DH3 →12ZDH3A →6ZDH3Aらしい。

75 6Z−DH3 6Z−DH3A


  

  

30)(ラジオ工房)IF回路が発振する不良mT管(真空管内部シールドの不良?)

非常に珍しい故障に遭遇しました。
通電したところ、シールド不良でIFが発振する現象と同じようなことが起きます。
強い放送局に同調した時は正常ですが、同調が少しずれると発振気味になります。
センターピンのアースが浮いていると同じことが発生しますが、確認したところ問題は有りません。
12BA6を触ると様子が変化します、ハムが増加する感じがしました。
12BA6は管内シールドがありますので、普通はこのようなことはおきません。
真空管を交換してみると正常に動作します。
不具合がある球をTV−10で測定しても正常です。
原因は明確では有りませんが、内部シールドの溶接不良と思われます。


同じ東芝製の12BA6です、上が正常な球。
下側の物が異常動作する。
管内シールドは2番ピンに接続されているが、
スポット溶接付近付近の様子がなんとなく怪しい。


31)(ラジオ工房)半固定バイアスについて(知らないと最悪火事の原因になります)

普通出力管のバイアスはカソードに抵抗を入れて発生する電圧をバイアスにしていることがほとんどです。
アンプではマイナス電源を独自に作って、固定バイアスで動作させることも多いのですが、ラジオではまず見かけません。
しかしポータブルラジオをAC電源で使う場合は、マイナス回路に抵抗をいれて、マイナス電圧を作りこれをバイアスとする半固定バイアス方式が使われています。
普通のAC電源ラジオでは半固定バイアスはほとんど使われません。

@平滑回路をマイナス側に組み込む方式

AC電源で半固定バイアス方式は整流管のマイナス側(厳密にはB巻き線のマイナス側)に平滑回路を組み込み、
ここで生じた電圧をマイナス電圧として利用するものです。
昭和10年代中頃くらいまでは使われていたようですが、だんだん使われなくなったようです。
合理的な考えで良い回路なのですが、部品の故障時、出力管に過大電流が流れる欠陥があり、
当時の日本の部品製造技術レベルでは無理があったのかもしれません。
(抵抗の断線で出力管がノーバイアスになる)
現在の技術レベルでは充分使える回路ですが、方式を知らずに、普通の整流回路と間違えて修理すると、
最悪火事の恐れさえあります、ご注意ください。

下記画像は拙著真空管式スーパーラジオ徹底ガイド58ページ記載の回路図です。



シャープ普及3号型受信機の例です。
B巻き線のアース側に平滑回路が組み込まれているのが特徴です。
AFCに発生したマイナス電圧をR9とC10でさらに平滑、R8経由でグリッドに供給する仕掛けです。
AFCはダナミックSPの場合フイルドコイルを使いましたので、非常に合理的な回路でした。
ただ当時の日本の部品製造技術では高抵抗(R8 R9)が断線しやすく 
ノーバイアスで出力管が働く確率が高かったようです。

元の回路図は無線と実験 昭和15年1月号記載

ラジオも沢山修理しましたが、この時代の半固定バイアスを使ったラジオは非常に珍しいです。
この半固定バイアスを知らずに(ほとんどの人が知りません)修理したのが下記の例です。

http://radiokobo.web.fc2.com/a/R/national-4D3.html  (2015年7月30日)

知らないで修理すると非常に危険ですから注意しましょう。



Aスーパーの発振電圧を利用する方式

正直 この方式は話しとしては理解していたのですが、現物に出くわしたのは初めてです。
今回は一応正常に受信していたのですが、アメリカ仕様の117Vラジオを100Vで使うので、
ヒーター電圧が規定に足りず、温まるのに時間がかかります。
当然発振電圧も最初は低いのです。
その結果通電時出力管のバイアス電圧がさらに低く、そのためプレート電流が過大に流れB電圧の上昇を抑えるのです。
音が歪むし 正常に動作するのに時間がかかるので、カソードバイアスに変更しました。
なおこの方式でも数分たてば通常の動作になります(ほんの少しバイアスが浅いが)。


実は最初修復時通電するといやにハムが多いのです。
ケミコンを増やして対応しましたが、不思議でした。
最終的にカソードバイアス方式にして解決しましたが、
スイッチオン時 過大電流が流れるのでハムが多くなることが理解できました。














(ラジオ工房)ラジオ修理メモ32 IFTの調整(アメリカ製ラジオ)
アメリカ製ラジオのIFTででコアの調整が片側からしかできないものがあります。
コア自体は2個組み込まれています。
この調整にはコアドライバーが必要です。



コアのある部分にドライバーの太い部分をあわせて調整する。
2個 コアがあっても中の穴を軸が通るので 独立に動かせる。

 

修理のノウハウは 「真空管ラジオ・アンプ作りに挑戦!」をご覧ください。

   

参考図書
  
ラジオの歴史、
スーパーの原理 調整法
ラジオの基本を
詳細に説明。
ラジオの修理方法を
詳細に説明

質問はラジオ工房 掲示板へお願いします。
メールで質問は 個別にはとても対応できませんので ご遠慮ください。

最終更新日
平成13年8月21日
2002年10月25日
2002年12月13日
2003年9月15日
2004年4月27日
2005年4月6日
2005年4月19日 
2005年4月26日 修理メモ8にIFTの修理例を追加。
2005年5月6日  修理メモ8にIFTの修理例に2次側を抵抗で置き換えた方法の写真を追加。
2005年5月16日 PLの写真を追加。
2005年5月18日 写真を追加するととこに記載内容を見直しました。
2005年5月22日 
2005年6月16日 memo7にリンク追加
2005年7月10日
2005年8月17日リンク修正
2006年6月26日リンク修正
2006年8月8日修理メモ24を追加。
2006年10月6日
2008年1月14日:23,934 修理メモ26と27を追加。

2008年2月18日:25,675 22)VRのがりに写真と説明を追加。

2008年4月9日:27,672 28) 29) 30)を追加。

2008年6月8日:30,635

2008年7月6日:32,080 29)に6Z−DH3Aの分解写真を追加。
2013年3月31日:56,339 (ラジオ工房)表示を追加。
2013年4月13日:56,761 画像にラジオ工房表示を追加。
2013年8月10日60,731 移転
2015年1月4日:73,277 移転

2017年3月31日:88,094 半固定バイアスを追加
2020年2月16日:101,549 コアドライバー(メモ32)を追加。





城下町中津


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