真空管ラジオの修理 東芝 マツダ かなりやOS(5LR-287) の修理

注意 かなりやOSには外観は勿論 型番も違う同名のラジオがあります。

猛烈なハムが出るということで、Sさんから送られてきました。



内部の配線の様子。
依頼主が修理中なので、新しい部品が取り付けられている。
猛烈なハムという条件からすると、配線間違いが考えられます。
新しく半田つけした部分を追いかけて行くと、
電解コンデンサーのマイナス端子が
バリコンのステーター側に接続されている事がわかりました。
アース端子(ローター側)がすぐ近くなので間違ったのでしょう。
他のコンデンサーのアース端子もここに接続されています。
(発振バリコンのホット側をアース端子代わりに使ったことになります)


古いラジオを修理する時、よくアースすべき場所を間違える。
特にフローティング アースの時は要注意(小生もつい最近泣かされた)。
今回は幸い、普通のアース方式なので、見つけやすかったが。

回路を再確認しようと調べて行くと、変な部品がついている。
場所的にコンデンサーかと思ったが、どう見ても抵抗なので、測定してみると数十オームある。
まさに抵抗だった。
幸いラジオには回路図がついているので照合すると、この部品は無い。
大昔の修理時に付加したのかと思ったが、半田つけを詳細に見るとどうもプロの仕事。
回路図に無い部品が最初からついている事を意味します。
この部品のせいで、依頼主がアースの場所を間違えた可能性もある、ややこしい。
場所は回路図の×印の部分、この部分に抵抗が挿入されている。
抵抗の接続先がステーター端子、丁度配線を間違えた部分に相当する。



×印の部分に数十Ωの抵抗が挿入されていた。
想像するにこれは、
異常発振を抑えるために付加した可能性があります。
貼付されている回路図は標準回路図で、
実物とは異なることがあると聞いたことは有るが?。
非常に珍しい例と思われる。

間違いを修正して、通電したが、まだハムが多い。
電解コンデンサーを見ると端子が変色していて、アース端子を浮かせてある(これは通電前に確認済み)。
回路図では60+40μFとなっていて、代わりに付加されたものは47+47μFで不足は無いはず。
念のため1つの端子(60μF側)を外してみた、これで無事解決。
この現象が簡単に切り分けられたのは、今まで何回も泣かされてきたからです。
100台程度の修理経験では遭遇しないので、苦戦したのだと思います。
最終的には依頼主が修理するとして、外した部分を簡単にビニールテープで覆って終わりとした。

この様に思いもかけぬ不都合が生じます、不要部品の配線は取り外したほうが無難です。




修理完了したマツダ かなりあOS mT管トランスレス スーパー。

その2(2007年11月22日)

以前骨董市で購入した真空管ラジオマツダ「カナリヤ OS」を修理しようと 望んでおりましたが、
修理をする時間があまりとることが出来なくなりました。
途中まで挑戦しましたが中途半端のまま頓挫しております。
(バラバラの状態ではなく一応配線、部品の配置はしてあります。)

依頼主から 完成させてほしいということです。


到着したラジオの裏面。




シャーシ内部の様子。
配線は確認しましたが、間違いは無いようです。
ただACラインのコンデンサーには普通のフイルムコンデンサーが使われているので、
安全規格品に交換することにしました。
キャビネットに貼付されていた回路図が破れて跡形も無くなっている。
前回修理時の見難い回路図を参考に配線を確認した。
間違いは見つからなかった。


シャーシの外観。
配線に間違いが無いようなので、試験用の真空管をさして試験しました。
正常に動作しますが、音が絞れません。
VRを測定してみると500Kのものが780KΩに増加しています。
それは特別問題ないのですが、絞りきった位置でも20KΩあります、これでは音が小さくなりません。
2KΩでも気になりますから、10倍の20KΩだと交換するしかありません。


現在入手できるVRは軸が短いので、オリジナルのVRの先端を切断し、
両者をアルミパイプで接続して利用します。

これで音が絞れるようになったのですが・・・(後半に続く)。

取り外したVRに33.11の文字が、この時期に製造されたラジオのようだ。


IFTを455KHzに調整後。

紙にダイアル目盛りを書き込んで、目盛りあわせと、トラッキング調整をする。




修理完了後のシャーシ内部。


調整後 正常に受信できるようになったのは良いのですが、音がまだ絞りきれません。
VRの残留抵抗0でも音がでます、しかも歪んだ音です。
VRの中点をアースしても音が出ますが、12AV6のGをアースすると無音になります。
この間は0.01μFがあるだけです。
コンデンサーに誘導していると思ったのですが、念のため真空管を日立に交換してみました。
ところが無音になります、電極構造は同じはずと思い込んでいたのですが、よく見るとこのレイセオンの真空管はシールドが無いことに気がつきました。
どうもこのシールドの有り無しが大きく影響しているようです。

写真を撮って紹介しようとしたのですが、つまずいて2本とも割ってしまいました。
逆にこのため内部の構造が綺麗に見えるということにもなりました。

日立の真空管には3極管のグリッドを遮蔽するような形でシールド板があります。

音が絞りきれない原因の推定
2極管のプレートと3極管のグリッド間に遮蔽物が無いので、
グリッドにIF信号が誘導するのではと推定されます。
グリッドは5MΩでバイアスされているので、この部分で不完全ながら検波されると思われる。
明らかに歪んだ音なのが特徴。


レイセオンブランドですが、なぜかMADE IN JAPANと書いてある。
mT真空管は大メーカーしか製造できなかったはずなのにどこが作ったのでしょう。

電極の形は松下製に酷似している、あるいは同社の製造設備を引き継いだ会社が製造したのかもしれない。

我が家でNHKを受信した場合、短いアンテナでも2極管のプレートには4Vppの高周波(IF)信号が加わっている。
遮蔽板が無いとこの信号が3極管のグリッドに誘起するか、あるいは隙間から電子流に影響を及ぼすのではと考えられます。
1Vpp程度では音が確認できないので、ある程度の電圧が加わった場合に顕著に発生するらしい。


左:松下(遮蔽板あり)
中:日立(遮蔽板あり)
右:レイセオンブランド(遮蔽板無し)





PHONO MW SWの切り替えは側面のツマミで。





2002年2月19日

2005年8月16日移転
2006年6月24日移転
2007年11月21日:879
2007年11月22日
2007年11月24日:追記1021





ラジオ工房修理メモ

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