ナショナルのmT管5球スーパーの修理です。
12BE6 12BA6 12AV6 30A5 35W4の標準的な構成です。
ラジオ修理メモ23の試験機を使って確認しました。
60W型の電球(100Vで0.54A)の場合、12Vくらい電圧降下がありました。
これはリークがあると言う事で、ケミコン試験機の出番です。
30A5のグリットに微かに+電圧が出ています。
(20KΩ/1Vのテスターで測定レンジは120V、この状態で+1〜2V程度)
早速0.01μFのコンデンサーを交換しました、ケミコンは大丈夫でした。
他に不良箇所は見つからず、修理完了とし、IFTの調整を始めました。
ところが検波段のシャーシ下側のコアを幾ら調整してもピークが確認できません。
他の3箇所のコアはそれぞれピークが確認できます。
どうもIFTのコンデンサーのQが落ちたらしいと見当をつけて取り外してみました。
取り外し、シールドケースを取り外したところ。
コンデンサーの半田を外して、Qメーターで測定してみました。
120PFでQも大丈夫です。
DIPメーターでコイルの共振周波数を測定してみると700KHz程度です。
これは変です、普通は455KHzより多少低い周波数でなければなりません。
どうもコイルがレヤーショートしているとしか考えられません。
そう言えば心持巻線の色が黒い感じがします。
仕方なく不良コイルを外しました。
不良コイルは検波段の1次側(コアは下側)だったので、RFCをプレート負荷とし、
80PFのコンデンサーで2次側と結合させる事にしました。
組み込んだ結果はなかなか快調です。
同調回路が1つになりますので、心配かと思いますが、検波段は2極管が負荷されますのでQが低く、
この様な方法でも十分実用になります。
ラジオ修理メモ8もご覧ください。
修理したIFTは写真右側。
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2005年5月3日
2005年8月16日移転
2006年6月24日移転
2015年1月4日:3,340 リンク修正
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ラジオ工房修理メモ
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