真空管ラジオの修理 三菱 7H-456の修理 

物凄く横長のラジオが修理にやってきました。
工作机の上にやっと乗っかる大きさです。
修理の取り回しが大変でした、もう懲り懲りで、大きなラジオの修理を引き受けるのを止めようと思います。


シャーシを正面から見たところ。


シャーシ内部です。
普通のmT管レスに比べ、2倍以上の物量です。


スピーカーを外してみて吃驚、エッジが全て破けています。
ウレタンエッジらしく、時間が経っと自然に風化するらしい。
高級品のスピーカーを使ったことが無いので、初めての経験です。
このラジオに最初からついていたのか、途中で交換したのかは不明。
どうも誰かが交換したらしい。


ダイアトーンの有名な P610スピーカー。

背面から見たところ、向こうが透いて見えます。
これでも一応音が出るのですから不思議です。
さすがダイアトーンというべきか?。

音量調整用のVRにガリがあります、新品に交換する事にしました。
ただ同じ寸法のものはありませんんで、工作です。
8φのアルミパイプ(肉厚1mm、内径6φ)を継ぎ手魅します。
取り外した不良VRの軸の先端を切り取り、このパイプで接続するわけです。
エポキシで接着します、注意しなくてはいけないのは失敗すると外せないということです。

上面 交換した新品のVR

左   不良VR
中   8φのアルミパイプ
右   軸の先端部分


修理完了の様子。
これで音が正常に出るようになりましたが、どうも低い周波数の放送局が受信できません。
更にバリコンをまわすとがりがり音がします。

気のせいかCRCをかけたのでは?と思われる様子。
脂ぎった金属面がなんとなく不安。

どうもこのラジオは誰か相当内部を弄ったようで、バリコンの羽根が不規則に曲がっています。
羽根が時々接触するようです、これは大変な事になりました。

バリコンに油を引いたようになっているのはがりがりを接触不良と勘違いして、CRCをかけたのではと想像しました、本当のことは不明。

2時間ほどかけて何とかバリコンはまともになりました。
この種の作業は取り外すと比較的単純なのですが、
シャーシが大きいし、FM兼用機なので、取り外すのも大変です、Qまで測定はできませんでした。

バリコンが修理できたのですが、低い周波数は相変わらず受信できません。
それにコアの調整である程度動かせるのですが、なぜか不安定です。

調べた結果固定コンデンサーの不良でした。
容量が小さくなっている、Qが極端に落ちている事がわかりました。

不良のコンデンサー。
外観も綺麗なので、まさかと思ったのですが、見かけによりません。


修理完了時のシャーシ内部。


正面。


テレビアンのスピーカーを取り付けました。
アウトプットトランスも本来は交換すべきなのですが、
音を聞いた限り変化が無さそうなので、そのまま利用しました。

このラジオの不思議なのは内部一面に銀紙が貼られています。
何故このようにしたのか、理由はよくわかりません。
IFT2個のうち1個はいFの調整をしても反応が鈍いので、
出来れば分解して確認したいが、AM FM兼用で、
取り外しが猛烈に大変なのでやめました。
何とか受信できるようになったと言うところです。


その2(作業中)2006年1月14日
















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2003年12月26日

2005年8月16日移転

2006年6月24日移転

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ラジオ工房修理メモ

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