9Rー59Dの修理 9Rー59Dの修理 その2 9Rー59Dの修理 その2B 9Rー59Dの修理 その3 9Rー59Dの修理 その4 9Rー59Dの修理 その5 9Rー59Dの修理 その6 9Rー59Dの修理 その7 |
トリオの高1 中2 受信機9Rー59Dの修理を始めました。
外観は非常に綺麗です、中の汚れもありません。
これはオークションで入手したそうですが、出品者は
動作については中波帯を含め各バンド受信OKです。
7Mz帯アマチュア無線を受信してみましたがBFOも動作いたしますのでSSBも聞き取り可能です、中波帯においては適当なアンテナでもガンガン入ってきます。
ボリューム系のガリも少なく年数経過のわりに良い状態です。
毎日数時間にわたり連続通電も行ないましたが真空管を含め異常はありませんでした。簡単ではありますが動作確認済での出品になります。
普通はまず通電するのでしょうが、なんとなく危険を感じたので、
試験してみることにしました。
結果は6AQ5のG1に+15Vです。
真空管は未点火で、6AQ8のPに125V加えてあります。
実使用状態ではP電圧は半分くらいですから、出力管のGの電圧も半分くらいにはなります。
でも6AQ5のカソードバイアスを打ち消すほどの電圧です。
知らない事とは言え、毎日数時間連続通電した云々は恐ろしいです。
これではブレーキの故障した車を動くと言って運転しているようなものです。
早速結合コンデンサー(0.01)を交換しました。
プリント基板が深いシャーシに取り付けられていますので、交換は不便です。
なお取説はついていましたが、肝心の回路図がありません。
9R4と9R59の回路図はついているのですが、9Rー59Dはありませんでした。
誤解したのかどうか不明ですが、困ったことです。
手持ちの回路図を捜して利用しました。
シャーシ内部。
動作不良
正常に受信できるはずが通電しても様子が非常におかしいです。
何しろ東京でNHK(JOAK)を受信してもSメーターがほとんど振れません。
もちろんアンテナをつけてですから、出品者の説明に偽りありです。
この受信機はキットを組み立てたものですから、修理と言うより、最悪 誤配線の確認までする必要があります。
以前ナショナルのCRV−1で同じ経験をしたことがあります。
受信は音が歪んで小さいながら出来ていますので、Sメーター回路がまずいと言うことで確認を始めました。
この機種のSメーターはIFの2本の6BA6のカソード電圧をブリッジ回路で駆動する仕掛けです。
まずAVC電圧が出ていないのではと疑いましたが、これは正常でした。
各真空管のバイアスも確認しましたが、特に大きな異常は感じません、しかし第1IFの6BA6のバイアスがなんとなく変です。
回路図を見ながら動作を想定し、原因を絞り込んで行きました。
簡単に書いてありますが、意外と悩みました。
どうもUSプラグの配線がおかしいとこのようになると推定できましたので、念のため分解してみました。
結果は写真に示すごとく、とんでもないものがついていました。
このUSプラグは送信機やプリセレクターを接続するためのもので、
受信機単独の場合、指定したピンをショートしておく必要があります。
分解すると原因がわかりました。
1番ピント3番ピンは接続されている必要があるのに、写真の状況です。
4番ピント5番ピンは接続されています。
おそらくプリセレクターなどの外部機器と一緒に使っていた時代のプラグを線だけ切りとって付属させたようです。
9R−59D TX−88D SM−5Dの接続法をご覧ください。
受信機単独で使う場合の接続は回路図の下段 右をご覧ください。
まさかと思うことがオークションの楽しみですが、出品者の説明との落差にただ驚くばかりです。
これでは落札者は気の毒です。
ところでこれで受信できると喜んだのもつかの間、どうもSメーターの動きがまだ少ないです。
RF IF管のバイアスを調べると標準より高いです、どうも変だと調査したらVR不良でした。
がりは無いのですが、残留抵抗が120Ωあります。
この為RF IF管が最高感度で動作しないのです。
このVRはC型スイッチつきで現在入手できません。
このスイッチはマーカー用に使えるように準備されたものです。
現在未使用ですから、このスイッチを流用して、残留抵抗をショートすることにしました。
VRの配線です。
緑と黄色の線でスイッチに配線しました。
最高感度側にまわし切って、さらにSWをまわしきった状態で、残留抵抗分をショートし、最高感度になります。
残留抵抗120Ωの場合のSメーター。
JOAK受信。
SWをONにした状態。
残留抵抗0.
JOAK受信。
これだけ違います。
120Ωは些少に思えるが、6BA6 2本分の全電流(20mAくらい)が流れるので、計算上120Ωで2.4Vバイアスが深くなり、
感度に大きく影響するようだ。
修理完了したと思って通電しているところ。
しかしどうも受信状態が安定しません。
最初はうまく受信できるのですが、時間が経過するとおかしくなります。
真空管が不良場合の現象に良く似ているのですが、不良になる時間が長いので、断定できません。
まず 真空管を差し替えてみました、これでも不良は解決しません。
さて困りました、テスターをあちこちにつけて、電圧監視をして見ました。
第2IFの6BA6のバイアスがおかしくなるので、調べて見るとIF基板と検波 AF基板を接続する配線の不良らしいことがわかりました。
どうも芋半田といわれる現象だったようです。
蓋を開けた時と 蓋を閉めた時の不良になる時間に大きな差があったので、基板が熱で暖められた時に接触不良になるようです。
芋半田は素人組み立てのセットではよくある事ですが、見つけるのは至難です。
最後に調整をして終了です。
なおこの機種は目盛りと受信周波数はあまり厳密には合いません。
大型のコイルパックとバリコンの距離が離れているのが原因かもしれません。
これを見るとクーガ2200の周波数直読の素晴らしさを再確認しました。
無事完了と試運転をしました。
ここでさらに問題発生です、今度は2時間の連続運転で不具合になリました、まだ未解決の部分があります。
長期戦になりそうです。
仕方なく 夜 工作室から書斎に持ち込んで動作試験をしました。
2時間経過すると異常現象が起こることがここでわかりました。
テスターだけしかありませんので、夜はAVC電圧が出ていないことのみしか確認できませんでしたが、通電をやめ冷えると、回復することも判明しました。
AVC回路の不良とほぼ断定できそうです。
あとはどの部分が壊れているかです。
朝起きてすぐ通電、9時過ぎにやっと現象発生しました。
現象が発生する前に工作室に持ち込み試験の準備を始めました。
9R−59Dはプリント基板方式ですから、パターン面のどの部分が回路のどこに相当するかを調査しました。
これが9R4や9R−59だと非常に簡単なのですが、裏側から照明を当ててパターン図を新たに作りました。
ここまで準備したところで、やっと異常現象発生、やれやれ。
テスターでAVC電圧を測定すると0Vです。
一方 オシロスコープで回路を追いかけてゆくと、ダイオードの入り口には455KHzの波形が観測できます。
やっと原因がわかりました。AVC電圧整流用ダイオードの不良です。
交換して 異常現象も消えました。
念のため5時間ほど連続運転して、確認終了。
上から4列目のダイオードを交換しました。
最下段のものは検波用。
本件は続オークションに寄せてにも掲載しました。
手持ちのシリコンダイオードと交換しました。
前回の修理で 下側の1N60は交換してあるので、
これでこの部分のダイオードが双方とも交換された事になります。
上の画像と全く同じものですから 比較してください。
それと 調整時Bバンドがどうも不安定なのです。
パディングコンデンサー(マイカ)が悪戯しているようなので、この部分はスチロールコンデンサーを組み合わせ、
元のコンデンサーの値になるようにして 交換したら 安定して受信出来るようになりました。
キャレメル型のマイカと言われるタイプです。
想像するに 引出線と 電極の接触が不安定になっているかも知れません。
引出線をいじると現象が再発します、この種マイカでは稀に起きる障害です。
最初は何がなんだか解らず 時間ばかり浪費しました、引出線を偶然触って気が付きました。
状況は簡単に書いて来ましたが、作業は正直大変でした。
正常に受信できるようになるまで 1週間ほど かかりました。
それでも 実は Dバンドがどうしても受信できないのです。
原因はいろいろ調べましたが 判りませんでした。
発振しないのです、真空管を交換しても B電圧を上げても無駄でした。
DIPメーターで調べるとOSC部分で Dバンドが共振しないのです、Cバンドでは共振(DIPする)のに 不思議です。
最終的には バンド切り替えスイッチの不具合(接触不良など)ではないかと推定しました。
Dバンドはもともと感度が悪いので 最終的には諦めることにしました。
Cバンドで14MHz帯までカバーできるので 被害は小さいです。
あれやこれやで とんだ作業になってしまいました。
カウンタープローブの 組み込み
カウンター プローブの組み込みは何ら問題ありませんでした。
なぜ 10年位で ここまで壊れたのか 非常に不思議です。
カウンタープローブ部分
カウンター接続
IFが457KHzですので 厳密には2KHz実際の周波数より高く表示されます。
9Rー59の場合は 普通のIFTなので455KHzに調整できますが、
この機種のIFにはメカニカルフイルターが組み込まれていて 経年変化で455→457に変化しているのです。
個体差があるので 多少の違いがありますが 経験上 数%同調周波数が高くなる傾向が有るようです。
ICF−5900のサブダイアルの+側の感度低下も同じ仕組です。
(5900の場合 10.7MHz帯のセラミックフイルターの変化が原因、サービスマニュアル通りに調整しても駄目です)
無理に455KHzに合わせると感度の悪い 選択度のいびつな受信機になります。
カウンター作者への希望
出来れば455KHz だけでなく 456 457 458に調整できるバージョンが欲しいですね。
おそらくマイコンを使っていると思うので スイッチで選択できれば嬉しいです。
最低でも455KHzと457KHzがあれば 殆どのシングルスーパーに使えるでしょう。
殆ど受信できないくらい感度の悪い9R−59DSの修理をしました。
カウンターも一緒に送られてきて、接続して欲しいとのこと。
4MHzのマーカー信号を受信中。
修理調整は省略します。
ただ同調の操作性が非常に感じ悪いので、対策をしました。
写真で判るようにダイアル糸に余裕がありません、それも見たこともないくらい太いです。
糸の太さは0.9mmくらいだろうと思います。
このためスプリングの効果が無い程度でした。
メーカーでやったことなのでしょうか、不思議でした。
ラジオで使われている0.6mmのダイアル糸に交換。
スプリングが効果的に働くようやり直しました。
カウンター・バッファーは局部発振回路の近く、赤丸の位置に組み込みます。
既存のネジを利用するので、穴あけは必要ありません。
引き出し線はシャーシ背面の既存の穴(M型コネクター用らしい)を利用します。
RF回路のプリセレクター用バリコンと距離的に近いので、
干渉を心配したのですが、今回は 悪影響はありませんでした。
カウンター接続用アダプター(バッファー)。
JA9TTT加藤さんのホームページを参考にアダプターを製作しました。
簡略化したのと、手持ちの部品の関係で回路は同じではありません。
2SK241と2SC668の2石です。
別途試作をし、動作確認後 この基板を作成しました。
電源は6.3Vのヒーターを利用します、整流はダイオードの半波整流で8Vの直流が得られます。
1800μFのケミコンで平滑しただけです。
同じものを作りたい方は上記加藤さんのホームページを参考にしてください。
手持ちの部品で作成した回路図。
これで正常に動作します。
1KΩの抵抗は基板と6AQ8のカソード間に配線します。
この回路での実績は1台のみです、
トラブルが発生したら、参考のため 対策などお知らせください。
普通の5球スーパーに応用する時は6W−C5(6BE6)のカソードに接続してください。
基板との接続は
@入力は6AQ8のカソード(K)から1KΩで基板に接続。
AAC6.3Vは6AQ8のヒーターへ。
Bアース
C同軸で出力端子に
真空管式受信機のカウンターをつけたのは初めてですが、なかなか快適です。
以下は「続オークションに寄せて」からの転載です。
「整備完了品」と銘打った59Dのハズだったのですが、主観が入っているかもしれず恐縮ですが素人でも明らかにおかしなところがありました。 以下、気づいた点は。 *ツマミを触って動作を確認致しましたが、AF GAINが異常に「軽かった」です。 *スイッチを入れてAF GAINツマミを回すと「バチ」という音がして、ガリかと思ったので すが、音声がやたらと小さいです。 (地元のSBC、NHKを受信しても受信はするのですが、 半分以上、或いは最大に回してやっと「人並み」の音声でした。(短波でも同様です。) *短波についてはラジオNIKKEI(6055kHz)等、受信はできるのですが、感度が異常に悪いです。 その他の局も電波の弱い局になると全く歯が立たない状態です。(内尾様に整備して いただいた同型機と比べれば天と地ほどの差がありました。) 針はピクリとも動きませんでした。当然、調整されているかどうかも分かりません。 (ABCDすべてのバンドで歯が立ちません。) *SSBの復調は確認出来ました。(但しA・Bのバンドです。C・Dでは独特の「ピー」とい う音が聞こえなかったです。) *上のフタを開けると、バンドスプレッド側の「L4066」なる部品が ひしゃげていまし た。(機能しているか否かは確認できませんでした。) *AF GAINのボリュームをドライバーでこんこんとつついてみましたが、「バチ」という大 きな音が聞こえました。 *あくまでも目視ですが、上部はL4066以外の部品の外装破損等は確認できませんでした。 *下のフタを開けると、ボリュームからつながっていると思われる灰色の線を触ってみると 「バチ」という音が聞こえました。 *上のフタ同様、目視ではありますが部品の外装破損等は確認できませんでした。 |
比較的綺麗な9R-59Dです、ツマミのアルミ箔が細工されていますが、見事な修復です。
ただ受信してみると酷い状態です、100円ラジオ並みの感度で 最悪の状態です。
このような感度の悪い9R−59Dは見たことがありません。
出品者は9R−59Dを何台も出品している経験豊富な方のようです。
NHK1〜TBSまでは受信できるのですが、酷い音と、音量が蚊の鳴くような感じです。
9R−4 9R−59 9R−59Dなどキットを組み立てた受信機は当たりはずれが大きいです。
購入は十分注意してください。
今回のように初心者が組み立てたものは、率直に言って完全な修理は無理です。
ただオークションで「整備完了品」とかかれると 区別がつかないので、落札者にはとんだ災難となります。
組み立て品を購入するのは「当たり外れが多い」ことを前提にあまり高額にならぬ範囲で落札ください。
輸送中に半田付けが外れる可能性もありますので、注意すべきでしょう。
修理完了後 ラジオ日経を受信しているところです。
MWはゲインを絞らないとSメーターが振り切れてしまいます。
調整はあまり狂ってはいませんでした。
この整備をしたかたはまじめに調整したのかもしれません。
輸送中に不具合になった可能性もあります。
シャーシの裏側です。
半田付けを見ると全くの初心者が組み立てたようです。
整備したかたももう少しまじめに手入れしてほしいですね。
配線がばらばら状態のままです。
後日判明したのですが、半田付けも酷いです。
検波用のIFTがぐらぐらになっています。
受信性能に影響は無いとは思いますが、製品としては弱いですね。
エポキシで接着しておきました。
どこが悪いのか、1日目は悩んでしまいました。
あちこち目処をつけるのですが、見つかりません。
2目になり、半田付け不良と思われるところを、再度半田付けをやり直しました。
これでやっと正常に動作するようになりました。
どこが悪かったか、切り分けのできないままです、結果は良くても、非常に悲惨な状況です。
このような現象は 後日再発する可能性があるので、いやらしいです。
調整も終わり、これで1段落と思ったのですが、今度は音が全くでなくなりました。
Sメーターは振りきったままです、またトラブル発生です。
あちこち調べてゆくと、IF 2段目の6BA6のバイパス回路の抵抗のはずれでした。
よく見ると一度抵抗を切り離して、別の抵抗を組み込んだ形跡があります。
その際 半田が良くついていなかったようです。
白い矢印の部分が不良箇所。
保守で交換した抵抗の半田付け不良でした。
完全に接続されていませんでした。
画像は抵抗を少しずらした時に撮影したものです。
この部分は新品に交換しました。
整備後の9R−59Dのシャーシ内部です。
SSGによる感度試験も行いましtが、合格点です。
依頼者のご希望により、M型コネクターを付加しました。
この種のラジオは当たりはずれが多いです。
整備完了品もこれでは台無しです、皆さん注意しましょう。
依頼主に返送しましたが、
残念ながら輸送中に再度不具合になる可能性があります。
オークションで手に入れた9r-59dの修理調整をお願いしたいのです。 現状では各バンドも受信は出来る状態ですが感度が悪いのです。 今日、通電をして電圧をチェックしましたら各部の電圧が異状でした。 トラッキングもずれています。 アマチュアの組み立てのようで改造(2mhzクリスタルマーカー、Qマルチ組み込み等)もされています。 サービスマニュアルが付いています。 |
オークション出品者の整備内容 @装置洗浄 A真空管は試験機でGOOD品を厳選 Bセラミックフィルター劣化で2個IFTに交換 Cコンデンサ(全部ではありません)交換 Dスプレッドダイヤルへ早回しシャフト取り付け E2MHZマーカー(HC−49U使用)の取り付け FQマルチプライヤー装備 G 定電圧放電管装備などを実施し感度良く受信します。 前面パネルで一部文字が消えてるところがあります。 取り説はコピーでよろしければお付けします。Qマルチの使い方はBFOツマミの上のVRのSWを入れます。 VRを上げていきますと発振しますが発振の手前で止めると一番帯域が狭まります。 それと同時にSメーターが振れてきますのでスプレッドダイヤルを微調整してSメーターが一番良く振れるところへセットして完了です。 Qマルチを使わない場合は、VRを左へ回してSWを切ってください。 一応改造になりますので改造図面も入れときます。到着時動作しない以外はNC/NRでお願いします。他にも色々出してます。 |
シャーシ中央にはなぜかQマルチが組み込まれています。
メカフイルを取り去ったので、選択度を稼ぐつもりだったのかもしれません。
試運転した結果 自分では効果は認められませんでした。
無駄なものを組み込んだと思います。
有効と言うのなら、具体的に説明して欲しいですね。
ロータリースイッチにはCRCか接点復活剤をかけた形跡があります。
これは止めたほうが無難です、悪くするとリークしてしまいます。
オークションの記載にはセラミックフィルター劣化で2個IFTに交換と書いてあります。
ただこの部分は単純にIFTには置き換えられないのです。
もし これで大丈夫と言うなら根拠を示していただきたい。
使われていたものは おそらくMFHーXXTタイプと思われます。
455KHzの信号を入れて、IFTを調整しても交換した方(黒コア)は反応がほとんど無いのです。
何が原因か不明です。
もしかして同調容量を取り去ったのではと疑い、
180PFをパラに入れて確認しましたが感度が落ちるだけで効果はありませんでした。
原因はインピーダンスのミスマッチが酷いのかもしれません。
無線と実験の1966年5月号の広告の一部です。
出力インピーダンスは800Ωとなっています。
検波用は5KΩ位なので、これが代わりに使えるか不明?。
結論
9R−59Dで検索すると、誰が販売したかわかります、外観に特徴があるので特定しやすいです(余分なツマミがついている)。
実は61)と同じ方でした、これで2台目なので、販売した方を公表します、いくらなんでも これは酷いでしょう。
http://rating1.auctions.yahoo.co.jp/jp/show/rating?userID=kkazu0531
出品者の方へ
記載事項に 間違いがあれば掲示板に書き込んでください、訂正します。
購入する方も気をつけたほうが良いでしょう。
但し 音は正常に出ます、性能は良くありませんが受信機としては動作品に間違いありません。
部屋のインテリアとしては良く出来ています。
目盛りあわせ、トラッキング調整はやっていない感じでした。
調整すると、感度もずいぶん良くなりました、でも完全では有りません。
当方で修理着手前の状態は61)の方が酷いものでした、最初の組み立て者も初心者でした。
61)はラジオと言えない程度でしたが、こちらはそこそこ感度もありました。
ただこちらは肝心のメカフイル(9R−59Dのうたい文句)が有りません。
オークションの説明文にも間違いは有りません、確かに正常に動作します。
しかし調整しても感度はオリジナル状態に回復しませんでした。
原因は改造と言うより、改悪してあるのが原因と思われます。
ただこれで整備済み品として販売してよいかは意見の分かれるところでしょう。
これは皆さんの判断にお任せします。
後日談(2010年4月29日)
どうもメカフイルが無いのが気になると言うことで、下記のように改造したそうです。
なかなか快適に使用できるとのこと。
9R-59DSが修理にやってきました。
9R-59Dの後継機といわれていますが、回路図などは同じようです。
マイナーチェンジになっているのでしょうか?。
現象です。 1.RFの管が動作していない? 2.AFボリームがガリが出て動作しているか不明 3.裏面のアジャストも効かない つまり動作確認が出来ていない状況です。 |
早速 分解してみると 驚く無かれ RF増幅管のヒーターが配線されていません。
これでは
動作しないはずです、早速3ピンをアースに落としました、これで大丈夫です。
3番ピンの配線が外れています。
これでは 高周波増幅管が動作しないはずです。
3番ピンと2番ピンを接続、これでヒーター回路は完成です。
これで RF増幅管も動作するようになりましたが、Sメーターの振れが依然としておかしいです。
この機種はIF増幅管2本のカソード電圧のアンバランス電圧でSメーターを駆動しています。
動作が不審なのはAVCが正常に加わっていないことが原因と思われます。
配線を確認しても AVC回路は正常でした。
しかし テスターで各部分の導通を測定すると、接続してある配線で、導通がありません。
結果的に画像の×印の部分が芋半田で、外見的には綺麗に接続されているのに、実際は接続されていませんでした。
芋半田 を見つけるのは意外と大変です。
この種のキット組み立て品には芋半田は良くあることで、念のため他も確認しましたが見つかりませんでした。
返送中に 振動で 半田付けが外れないことを 祈ります。
芋半田を見つけるのは意外と大変です。
到着時のシャーシ内部です。
RF増幅管の位置と芋半田を見つけた位置を図示します。
不具合箇所が見つかれば 修理は簡単です。
調整をして修理完了です。
ただ この9R-59D(S)に関し 6BA6などのプレートとスクリーングリッド電圧がほぼ同じな部分です。
普通はプレート電圧を高く、スクリーングリッド電圧を低くする方が、インピーダンス高くて良い筈なのですが・・。
理由はよくわかりませんが、この方が良いと判断したのでしょう。
ただB電圧が配線図表示より、高い電圧が出るので、平滑回路の2.2KΩのあとに、1KΩを追加してB電圧を下げました。
これでも回路図の電圧より 高い電圧が出ますが、真空管にとっては寿命の点で多少安全でしょう。
オリジナルの配線 | |
2.2KΩの抵抗を一つ上の空き端子に移動する。 移動した端子と元の端子間に1KΩを追加する。 これで20VくらいB電圧が降下します。 |
修理完了後のシャーシ内部です。
修理完了後の9R-59DS
594KHzのJOAK(NHK)を受信しているところです。
電波が強すぎて、多少RFゲインを落とさないと音がひずみます。
MWなどバンドスプレッドダイアルはバリコンを抜いた側で校正してあります。
ただこの機種で残念だったのはDバンドで低い方は目盛りがあわせられるのですが、
高い方はトリマを調整しても、目盛りが合いませんでした。
また感度もDバンドは悪いです。
@M型コネクターを組み込む ASメーターに照明をつける B感度不良の対策(ハム音しか聞こえない) |
オクションで購入したそうですが、確かに外観は一見綺麗に見えます。
しかし 再塗装されています、透明ニスを塗った感じです。
通電すると ハム音しか聞こえません。
感度調整用VRの不具合
全体的半田付けが汚いです、いままで沢山9R−59Dを見てきましたが、5段階評価で一番下かその次位のレベルです。
中途半端な知識を持った人が組み立てたか、改造した形跡があります。
まず 感度調整用VRが小型のスイッチつき10KΩに交換されています。
これは非常に拙いです。
このVRには回路図で見てもわかるように、真空管3本分のカソード電流が流れます。
このような小さなVRでは耐え切れないのです。
危険なので、680Ωの抵抗をパラに入れました。
こうすると最高感度(0Ω)と低感度680Ωに切り替えられます。
VRの可変範囲は極端に狭くなるのですがやむを得ません。
クリスタル・マーカー
2000KHzの水晶が組み込まれています。
500Kか1000だと良いのですが、2000だとあまりマーカーの意味がありません。
ハムが酷い M型コネクターの組み込み
この9R−59Dで目立つのはハムが酷いことです。
配線をやり直せばよいのでしょうが、それも出来ませんので、220Ωと100μFのコンデンサーで前段の平滑回路を組み込みました。
これでだいぶ解決されたので、良いことにしました。
アンテナ接続用にM型コネクターを背面に組み込みました。
Sメーターの照明
Sメーターまわりが暗いので、ランプを組み込んで欲しいとの事。
画像のような形になりました。
当然ですが 慎重に調整して終了です。
これも62)と同じ人が整備したらしい。
今回、9R−59DSの修理をお願いしたくメール致しました。
状態ですが、中波帯は
メーターも良く振れ普通に受信出来ますが、短波帯の調子が悪く、
板橋区で
ラジオNIKKEIを受信しても、メーターがSで4位までしか振れません。
Dバンドまで調子が悪いです。
またメーターまわりが暗いのでランプを付けていただくことは可能でしょうか? |
調整すると 感度は良くなりました。
NHK第1(JOAK)を受信しているところです。
ランプも2個メーターの上に組み込みました。
電源部分は安全規格のコンデンサーに交換しました。
ハムは多少ありますが、我慢できる範囲です。
(なお後で記述する半田不良の位置は白い○印の部分です)
ただ困ったことに この9R−59DSはダイアルメカが分解され、Eリングが抜けた状態でした。
画像のように組み込んでみたのですが、サブダイアルとメインダイアルが同時に動くので、
具合が悪いです、やむなくEリングは外しました、なにか部品が不足している可能性があります。
調整し 感度も良くなったのですが、受信が途切れることがあります。
たたくと回復するので、接触不良を疑いましたが、なかなか原因が判りませんでした(2〜3日も)。
やっと見つけたのは画像の部品です。
(シャーシ内部の写真では モード切替SWの横 白い○印の部分)
半田クラックらしいのですが、部品の陰で半田面を見ることはできません。
矢印の部分を再度半田つけして回復しました。
この種 キット品は組み立てた人の技術力によって組み立て不良が起きやすいです。
思わぬ不具合に遭遇することがあります。
感度が猛烈に悪い9R−59Dです。
JOAKを受信してもSメーターが9程度しか振れません。
半田つけは良くできているのですが、組み立てが無茶苦茶に悪い感じです。
あちこち ネジが緩く、またモード切替スイッチが良く固定されていないのです。
酷いことにターミナルまでグラグラでした。
組み立て不良のところを全て解消して 調整しました。
IFの調整を済ませ、MWの目盛合わせをしました。
どうもこの部分を酷く間違ったようで、調整により MWの感度が急激に良くなりました。
SW1 2 3の区バンドも目盛合わせとトラッキング調整を行いました。
これで 短いアンテナを接続しても、Sメーターが振り切れるほどになりました。
内部の様子、半田つけは良くできています。
回路上も問題ありません。
今回 一番驚いたのは感度調整用VRです。
B型 10KΩが使われているのは正解なのですが、実は大きさが小さすぎるのです。
この部分は6BA6 2本と6BE6の計3本分の電流が流れるので、大型のVRでないと不具合なのです。
ここには最大18mAの電流が流れるので、普通は30mmφのVRが必要なのですが、現在は入手できません。
どうしようもないので24mmφのVRを組み込みました。
下側の小さなVRが組み込まれていた。
このような大きさを無視したVRを使うのは素人組み立ての典型です。
感度の極端に悪い9R−59Dです。
大阪の出品者から落札したそうです。
感度調整用のVRにスイッチつきの小型VRが組みこまれていて、2,000KHzのマーカーが付加されているのが特徴です。
同種の9R−59Dはいままで何台か見ましたので、同じ方が出品しているようです。
生半可な知識で整備しているので、後始末が大変です。
この出品者のものは注意した方が良いでしょう。
特徴的なVRです。
16mmφのVRは電流を流す用途にはては使用してはいけないものです。
この常識の無さで整備しているので、とんでもない9R−59Dが出回るのです。
この感度調整用のVRには6BA6 3本分のカソード電流が流れる仕組みです。
とてもこのような小型VRではもたないのです。
VRは千石電商で購入しました、ラジオデパートの山王電子(750円)より、全く同じものが500円ちょっとで買えます。
東京コスモスの30mmφ 10KΩ B型。
断然 千石の方が安いです。
Sメーターが0にならない
感度調整用のVRを交換したので、次はSメーターの0調整です。
しかしどうしても0にならないのです。
調べてみるとVRの片側に抵抗が入れられています。
しかい これを外しても 0になりません。
調べてみると このVRは両端に残留抵抗があるのです。
古いVRには良くあることですが、両端に残留抵抗があるとは思いませんでした。
このVRを交換してみても、回復しません。
これで途方にくれたのですが、よくよく調べてみると、真空管に1本6AU6が混在しているではありませんか。
6BA6と6AU6は真空管試験機でGM確認してもほとんど差が無いので、試験した時は気が付きませんでした。
電流の微妙な関係でこのような状態になっていたのです。
最初から 疑えば簡単に判明したことですが、信じていただけ気が付きませんでした。
6BA6に交換して 回復しました。
これだけで 数時間かかってしまいました。
しかしこの種の修理は まさかということがあるので、要注意です。
Sメーターの不安定
次に怪しげな現象が見つかったのはSメーターが浮動するのです。
最初S9+20dBくらいだったものが、30秒くらいでS9に戻るのです。
これが浮動するのですから 悩ましいです。
これは困りましたが、調べた結果 原因は下記画像の○印の部分のイモ半田が原因でした。
この抵抗は今回の出品者が交換した部品です、交換時の半田つけが不良だったようです。
丁度IF1段目のグリッド回路の部分ですから、このような現象が起きるのです。
後で原因を見つけるのは大変なので、部品の交換は慎重にしましょう。
JORFの音声が歪む
Sメーターの動きも正常になったのですが、MWで一番電波の弱いJORFを受信しても音声が歪むのです。
Sメーターは7程度を指すのにこれはおかしいとと思いました。
普通はSが+30くらいでも歪むことは有りません。
AVCがかけられているので、この程度の信号では歪むはずは無いのです。
バイアスの異常が原因と思われます。
いろいろ調べた結果AVC回路の不具合と見当をつけました。
下記基板はそのAVC回路と検波回路部分です。
実は個別に部品を外して、確認したのですが部品の不良は見つかりませんでした。
この部分の対応だけでも3日以上かかりましたが、解決しません。
どうもべーク基板そのものが悪くなっているのかもしれません。
やむなく 端子板に全く同じ回路を組み込んで、利用することで、対応することにしました。
元回路のパターン面の画像
端子板にAVC回路を組み込んで 付加。
これでAVC電圧がほぼ正常に出るようになりました。
この対応でSメーターの振れもよくなり、歪も解消しました。
ただ検波回路はそのままなので、この部分も対策するとさらに良くなる感じがします。
感度不良対策
受信してみると周波数の低い方で感度が悪くなるのです。
ということはバリコンの羽根が入ったところでだんだん感度が悪くなるのです。
この結果 バリコンの不良を疑いました。
念のため TBSを受信しながら 高周波増幅部分の端子を外し、
代わりにポリバリコンを入れて同調すると、明らかに感度が良くなります。
これで上記見込みは間違いないと確信しました。
見た目ではそんなに汚れてはいないようですが、バリコンのQが極端に落ちているようです。
面倒な作業ですが、バリコンを取り外して 洗剤で洗うことにしました。
これで Qの低下も回復しました。
バンドスプレッドバリコンも汚れが酷いので、できれば洗いたかったのですが、こちらは諦めました。
バリコンを取り外したシャーシ。
取りはずした バリコン。
まだ感度は正常のものより数dB程度悪そうですが、ここらで妥協することにしました。
SSGで測定すると 0dBの信号が受信できるので、何とか使用できるでしょう。
出品者は大阪 、小型VR付 2000KHzのマーカー付のオークション出品には気を付けた方が良いでしょう。
ただし このラジオを整備した人は62)と同じ人と想像されます。
こちらの出品者は神奈川ですから、嫌らしいです。
遺品の整備を依頼されました。
外観は画像の通りです、多少汚れがありますが、比較的美品です。
シャーシ内部の様子、半田つけは上手とは言いませんが丁寧に配線されています。
標準に比べ 500KHzのマーカーが組み込まれています。
キャリブレーション用のトリマまで組み込まれた本格的なものです。
さらに 150Vのスタビロ(定電圧放電管)も組み込まれたものです。
高周波増幅回路には6BZ6が組み込まれていたいたのですが、これは標準の6BA6に交換しました。
RF回路の真空管のヒーター回路にはRFCが組み込まれるなど改造されています。
このような改造が雑誌などで紹介されたのかもしれません。
6BZ6を使ったマーカー回路 500KHz水晶 とVR150.
この500KHzのマーカーは非常に便利です。
2000KHzのマーカーが組み込まれたものを見かけますが、これは飾りで実用的ではありません。
しかし500KHzは本格的に使えます。
この9R−59Dは念入りに調整すると素晴らしい感度になりました。
MW〜SWの最高バンドまですべてで、SSGの0デシベル信号が受信できます。
これ以上は感度試験が出来ないくらい素晴らしいです。
MWはJOAKを受信するとSメーターが振り切れてしまいます。
ただ惜しむらくはコイルの調整ネジが欠けているものがあることです。
これはペンチで挟んで動かす必要があります。
おそらく持ち主があちこち弄り回したのでしょう。
またケースのネジが無い部分がありますが、実用的にはなんら問題ありません。
この機種はオークションに出品するそうですが、購入後3月間、本体の自然故障は無償修理(ただし往復の送料は負担ください)します。
改造したり 自分で手を加えたものはこの限りではありません、念のため。
質問があればラジオ工房掲示板をご利用ください。
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9R−59D(S)の修復については下記も是非ご覧ください。
花澤さんの修復記
JA9TTT加藤さんの修復記
リンク切れなので カウンターに関するリンクを下記に掲載
http://ja9ttt.blogspot.jp/2009/03/hamtest.html
下記書籍を参考にしてください。
2004年2月25日
2004年2月27日
2007年8月29日:3266
2007年9月3日:3719 回路図を追加。
2010年8月17日:6,969 9R-59DSの修理を追加。
2011年4月26日:10,348
2012年3月5日:14,630
2012年6月15日:16,441 5月31日調整分を追加。
2012年8月3日:17,366
2012年10月26日:18,890
2013年3月7日:21,540 続きを作成
2016年1月29日:40,283 カウンターの接続を追加。
2017年4月1日:48,192 DSCF0777 DSCF0780を変更(拡大)
2020年2月26日:71,364 9Rー59Dの修理 その7 を追加。
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