最近オークションが盛んです、珍しいものが手に入り、見るだけでも楽しいですが、気になる事があります。
これは自分だけの勝手な思い込みかもしれませんが、皆さんのご意見が知りたいです。
ご意見はラジオ工房 掲示板へどうぞ。
自分なりに感じることを下手な文章で綴って見ました。
悪い話もあるのですが、オークションの商品が全てこういう物では無いと考えます。
たまたま程度の悪いのが修理の為小生のところに持ち込れるのだと思います、念のため。
また 外観が異常に綺麗で、受信動作OKと書きながら、
「ノークレーム ノーリターン」と書かれた正体不明のBCLラジオの購入はほどほどに!。
相場の60〜70%程度の価格なら、危険覚悟で挑戦しても良いとは思うが。
なお小生はメーカーで修理技術の教育を受けたプロの技術者ではありません。
元コンピューターエンジニア(これも相当怪しいですが)が常識的にこうだと信じていることを書いてあるに過ぎません。
1)最近 ソニーの高級受信機が出品されました、メーカーの保証が1月残っているとの事。
小生はこの機種は持っていますが、未整備です。
この機種の弟機種とでも言えるICF‐6800を何台か修理しました。
これでさえ、1台 数十時間 修理にかかります。この兄貴分ですから、さらに大変でしょう。
勿論プロですから、数時間で修理できるのかもしれませんが??。
でも毎日修理するならともかく、偶に修理するには難しすぎます。
相当時間がかかったと思います。
メーカー勤めの経験から言えば、おそらくサービス部門でも5K¥〜10K¥@時間の費用が必要でしょう。
必要な費用を請求出来ないので、部品が無いと断るのが差しさわりの無いメーカーの扱いだと思います。
サービスセンターの好意でせっかく修理してもらったものを売り払ったのでは、次の人の修理はまず受けてもらえないでしょう。
自分がメーカーの責任者なら、この作業をした人に注意します。
好意をつぶす事の無いよう、是非配慮して欲しいです。
多くのBCLラジオ愛好者のチャンスをつぶす事の無いよう祈っています。
2)先日 ラジオ工房の写真と同じRF‐2600が売りに出ているとメールをいただきました。
IDは31151183です。
もう終了したので公表しますが、写真は是非自分の物を使ってください。
写真を撮るのは面倒なので、つい利用したのでしょうが、購入者は写真で判断しているわけで、現物の写真が必要と思います。
3)スカイセンサー5800が修理可能かどうか 問い合わせをいただきました。
オークションで完動品と言って購入されたそうです。
確かに年代物のTRラジオの完動品と言えば、合格でしょうが、BCLラジオとしては??。
購入時、質問でよく確かる事をお勧めします。
状態はこんなところだそうです。
A)全バンド受信可能。ポップアンテナ、ライト、タイマー使用可能。
B)VOLUMEとTONEのTREBLEにガリ
C)BFO不調
D)同調ノブFAST側で引っかかりあり(同じ場所で引っかかる、全部で4ヶ所)またSLOW側はかなり重いような気がします
E)周波数フィルムに若干のずれあり。またカビのような汚れが付着
F)電池室に液漏れ有り。電池・アダプターともに使用可能。
G)スピーカーを保護する布?にずれ?
ここでBとCは修理可能、
Eのフイルムダイアルのずれは修理可能、
カビは不明、Gは破れで修理は?。
Dはまず修理不能、ほんの少しは修理できる可能性があるも作業が大変、別なものを購入したほうが経済的。
どれだけ大変かはこのページを良くご覧ください。
4)オークションで入手したと言うナショナル クーガ2200の修理をしました。
写真で見る如く凄く綺麗です。
MWの感度が悪い、FMの周波数が狂っているとの事。
調べてみるとオークションに出品する時に清掃と手入れをした様子が有ります。
異常に綺麗な時は要注意です。
A)FMの狂いは1MHz弱ですから、調整したのか自然なのか不明でした。 →調整完了。
B)SW5 SW6が大幅に狂っています。 →調整
どうもこの2つは調整を試みたが途中で諦めたのかも知れません。
C)594KHZのJOAKは強力にSメーターが振り切れます、でも1442KHZのJORFはSメーターが半分しか振れません。
周波数の高い方で極度に感度が悪いようです。
調整しても感度がいまいちなので、最後の手段でジャイロアンテナを分解しました。
なんと割れています。
これでは感度が悪いのも当然です。
このアンテナを修理し、トラッキング調整をして修理完了です。
1442KHZも軽くSメーターが振り切れるようになりました。
バーアンテナは受信機能の大事な部分なので、十分注意しましょう。
BCLラジオの修理では、トラッキング調整は必須です、感度が全然良くなります。
清掃はオークションに出す時、商品価値を高めるために必要でしょうが、是非部品を壊さぬようお願いします。
この部分はプラスチックカバーに覆われているので、自然に壊れる可能性はまずありません。
清掃か調整時 壊してしまったとしか思えません。
少なくとも ジャイロアンテナを分解するには相当知識や経験がないとやりません。
壊したら修理して販売するのが親切です。
また調整はやみくも試みないように。
2200はトラッキング調整を十分やると高感度です。
余談
この2200にはもう一つ気になったことが有ります。
VR周りに粘度の比較的高そうなオイル状のものが塗布されていました。
多少ガリがあるので、対策したのでしょう。周りのレバーも折れているので、あるいはVRを外そうとしたのでしょうか?。
潤滑材のCRCを塗布したのでは??。
CRC556のVRへの使用は止めた方が良いといわれています。
5)ラジオの完動品とは
完動品とはどのようなものを考えますか。
新品に近い受信性能を期待すると思いますが、中古品の場合違うようです。
一般に骨董屋さんでは真空管ラジオは音が出れば完動品と言って売っていることが多いです。
これを購入してその後どうなるかはここをご覧下さい。
まれに手入れをしている骨董屋さんもあるようですが、確認してみる方が無難です。
それからケースと中身が違うラジオが偶にあります、要注意。
キャビネットは戦前の並四受信機で、中身は戦後のmTスーパーなどの場合も珍しいことではありません。
オークションでの真空管ラジオ購入経験はありませんが「鳴る」「完動品」の定義も個々で違うでしょう。
一般にトランジスターラジオの場合 音がでれば完動品と言っているようです。
BCLラジオも同じトランジスターラジオですから、どこまで整備されているかは個人個人で違います。
普通は正常に受信できれば完動品と言うでしょう。
RF−2200の場合 調整するとSメーターの目盛りで2〜3位は良くなることが多いです。
これは使われているコイルが経年変化しているのを再調整することで感度が良くなるものです。
尤もこれで聞こえない局が聞こえる割合はたいしたことでは無いでしょうが。
なおスカイセンサー5900でダイアル目盛りが狂っている、サブダイアルの+側で感度が落ちるのも、この経年変化の影響と思います。
RF−2200では周波数直線ダイアルとマーカーのおかげで短波は比較的正確に読めますが、MWが狂っているのは経年変化の影響と思われます。
デッドストック品でも経年変化(コイルのコアや巻線、コンデンサーの容量変化)はあります。
周波数直読のBCLラジオでは再調整したほうが良いと思います。
普通RF−2200 ICF−5900 TRYX−2000などは完動品と言っても周波数が正確に読めると思うのは欲張りです??。
ラジオ工房では調整まで済ませたものを完動品と表示しています。
しかし新品に近いかもしれませんが、同じ性能とは限りません。
部品の劣化も製造後の年数に応じ当然あります。
特にACで使う場合は劣化による火災にご注意ください。
(ACアダプター、ACコードなど使わぬときはコンセントから抜く)
6) 調整の狂ったプロシード2600
外観の凄く綺麗な2600の調整を引き受けました。
オークションで「完動品・ワンオーナー」とのことで、購入したとの事。
SW CALが狂っているので調整して欲しいとの希望です。
動作させてみると、確かにCALが15KHz程度狂っています。
CALを回し切った位置で何とか動作しますが、これでは使いにくいです。
でもダイアルの目盛りも比較的よくあっています、これでは調整の必要は無いのではと思うほどです。
プロシード2600のバリコンはごく普通のポリバリコンを使っていますので、
ダイアル目盛りとデジタル表示は必ずしも正確には一致しません、この程度は良い方です。
裏蓋を開けてみても特に異常は有りません。
この機種の本格的な調整は基板をばらばらに分解して、仮組み立てしないと調整できません。
何とかバラック組み立てで調整を始めましたが、驚いたことにトラッキング調整が無茶苦茶に狂っています。
磁気コアを使ったコイルなどは経年変化が多少ともあり、トラッキングが狂うことはありますが、
それにしてもこの狂いは尋常ではありません。
闇雲にコイルとトリマで周波数を合わせ、何とか周波数は合ったが、無関係のコイルやトリマまで触ったようです。
更にCALまでは手がつかなかったのでしょう。
ダイアルの周波数合わせのみに注目した調整は止めましょう。
感度は悪いし、イメージも出やすいです。
2600は5900と同じように受信範囲調整がケースの窓から出来ます。
ダブルスーパーの第2局発が狂っているまま、この窓からSW帯だけ調整したのでしょうか?。
2600は発振回路が2箇所あるので、無理矢理 周波数を合わせると収拾が付かなくなる恐れがあります。
でもこの調整をした人は勇気と器用さと根気を持った人でしょうね、驚きました。
2200や5900も同じですがダブルスーパーの調整は原理をよく理解してやったほうが無難です。
普通この程度で有れば、完動品と言っても可笑しくは無いかもしれません?。
再評価
綺麗な2600の件、驚きから覚めて 現在中古市場で入手できるものと比べてみました。
その場合、5段階評価で上から2番目くらいには相当するかもしれません。
この程度の物でも入手するのは難しいです。
@綺麗である。
A全バンド受信できる。
Bトラッキング調整は別にして、目盛りが比較的よく合っている
極論かもしれないが、この程度のものが入手できたのは合格かもしれない。
7)不思議なスカイセンサー5900
これもオークションで入手したそうです。
メインダイアルの調整他を依頼されました。
サブダイアルが心持ずれている感じもしますが、受信機能は良いと思いました。
悪い話が多いので良い製品の例として紹介します。
実際受信してみると下記の表の如くなります。
これは経年変化の範囲で、中古市場で入手できる5900の場合、無調整とすれば非常に良い方です。
ただ5900は250KHzマーカーですから、SWは目盛りの刻みの数分の1程度の誤差にしておかないと誤読が生じます。
本来は目盛り線の幅くらいに収まれば良いのでしょうが、家電品(量産)ですから、適当なところで妥協が必要です。
どの程度で妥協するかはBCLラジオの動作確認法をご覧下さい。
バンド | 実周波数 | ダイアルの読み |
MW | 594KHz | 610KHz |
954KHz | 980KHz | |
1422KHz | 1450KHz | |
SW1 | 4MHz | 4.02MHz |
8MHz | 8.1MHz | |
10MHz | 10.2MHz | |
SW2 | 12MHz | 12.1MHz |
16MHz | 16.2MHz | |
20MHz | 20.25MHz | |
SW3 | 20MHz | 20.15MHz |
24MHz | 24.25MHz | |
28MHz | 28.25MHz | |
FM | 76MHz | 76.2MHz |
88MHz | 88.2MHz |
裏蓋を開けて見ると、半田を外した様子は見られません。
しかしよく見るとアンテナリードが途中で太いビニール線で中継されています。
ロッドアンテナのリードが切れたので修理したのでしょう。
ラジオ屋さんの半田つけでは有りません、器用な人がやったのでしょう。
この半田つけをするには最低でも一度サブダイアルを外さないと出来ません。
更にスピーカーコードの半田を外す方が楽なのですが(この様子は無し)。
サブダイアルの狂いはこの時の後遺症でしょうか?。
あるいはSW帯の受信範囲調整もやったのでしょうか?。
それにしてもよく復元してあります、感心しました。
惜しむらくはサブダイアルのほんの少しの狂いです。
なお5900は裏蓋を開けると調整が狂いやすいので、調整用の窓がある?のです。
これは小生の想像です!。
理由はソニーの製品でこんな配慮をしてあるものは他に無いからです。
間違っていたらごめんなさい。
8)オークションでICF‐5900とRF‐2200のどちらを選ぶか?
オークションやリサイクルショップなど中古市場で購入する場合 どちらの機種を選びますか?。
独断と偏見で評価してみます。
好き嫌いがあるので、お好みの機種を選べば良いでしょう。
どちらか一方と云う方は下記を参考にしてください。
一般に完動品?といわれているレベル(全てのバンドで正常に受信できる)の比較です。
誰かが調整した物は含みません。
例外は当然あります、目安とお考え下さい。
感度重点 | 周波数直読重点 | 備考 | |
クーガ2200 | △ | ○ | @5900と2200は調整した場合 感度は甲乙つけがたい、ほぼ同じ。 未調整品は経年変化で2200が多少悪くなっている。 A周波数直線型バリコンと500KHzと125KHz 2つの水晶マーカー。 この為 未調整でも比較的正確に直読できる。 Bとにかくアナログで周波数も正確に読みたい人向き。 |
スカイセンサー5900 | ○ | △ | @メインダイアルは経年変化で狂いが大きい。 0.1MHz以上狂うと直読は難しい。 殆どのものがどのバンドかでこれ以上狂っているので、 別途1MHzのマーカーと組み合わせると良い。 (1MHzの水晶発振モジュールは300円くらい) サブダイアルが偶に(10台に1台くらい?)狂っている、 またサブダイアルの両端はLC発振に依存、 既知の放送局で正確度を確認すると良い。 A感度の良いのはサブダイアルの中央付近から−側にかけて。 +側は悪くすると殆ど受信できぬことがある。 感度の良い範囲で受信する。 B直読を期待しなければ、こちらの方が少し感度が良い可能性がある。 人気もこちらの方が少しよさそう。 |
5900は調整しても目立って感度は良くなりません。
逆に言えば、SWのRF回路のQは低いようです。
2200はこの逆、調整すると感度が良くなります。
調整後の両者は感度は甲乙つけがたいです。
9)綺麗なICF‐5900その2
長野県のSさんからこんなメールを頂きました。
「機種はSony ICF−5900です。
マーカー発信の調子が悪く、濁ったような音がしている為校正位置が分かりづらいのです。
機嫌の良いときは、ピー と音を出すのですが、しばらくすると、また濁った音に戻ってしまいます。
またスプレッドダイアルに若干のズレがあります。」
簡単に引き受けたのですが、悪戦苦闘状態になりました。
これも最近オークションで購入したそうです。
外観の綺麗なBCLラジオは怖い!。
率直に言って、このラジオは承知して売ったとしたら、相当酷いと思います。
但し、この程度にまで読めるように調整したのは驚くべきことで、相当長期間かかって根気良く調整したのでしょう。
半ばあきれ、半ば感心します。
でもここまで追い込んだ根気と技術力は凄いと思います。
何度も調整したせいか、SW1の発振コイルのコアは溝が割れています。
第2局発のコイル周りの基板はドライバーで擦り切れています。
MWとFMは良く合っています、SWも下記の如く中古市場で購入する5900に近いです。
SW1 | 4MHz | 4.05MHz |
8MHz | 8.03MHz | |
10MHz | 10.12MHz | |
SW2 | 12MHz | 11.87MHz |
16MHz | 15.8MHz | |
20MHz | 19.8MHz | |
SW3 | 20MHz | 20.25MHz |
24MHz | 24.3MHz | |
28MHz | 28.3MHz |
6MHzにマーカーで合わせ サブダイアルで読んでみると、
日本短波放送が6065KHzと6135KHzで受信できます。
サブダイアルが相当狂っています。
これで満足するのであれば良いのですが、これでは5900がかわいそうです。
調べてみると驚くべきことがわかりました。
公称10.7MHzの第1IFがとんでもない所に移動しています。
普通数十KHzずれることは有るのですが、これは経年変化で上手い具合に平行移動です。
ところがこのラジオは数百KHzずれています。
意識的にIFをずらしたので、平行移動では有りません。
この為サブダイアルで直読できなくなったのです。
しかし無手勝流で良くぞここまで調整したと思います。
一応受信できるのですから、感心します。
でも商品としては如何なものでしょう?。
5900の調整は周波数が正確に読める手段(測定器)が必要です。
必ず測定器を準備し、ダブルスーパーの原理を良く理解してやることを薦めます。
修理報告は新ラジオ資料館をご覧ください。
10)真空管を購入する時のノウハウ
オークションを見ていたら、
真空管をエミッションチェッカーで試験したからOK云々との表示を発見。
このエミッションチェッカーは持っていないので、試したことは無いのですが、
小生の年代ではこれは使い物にならぬと繰り返し教え込まれたものです。
エミッションチェッカーで駄目な球は使えない(当たり前?)、
OKなものでも使えないものは多い(これが困る)と言われています。
一般にこの試験器は真空管を全て2極管接続にして試験するので、
電極の接続のはずれ、ショート、絶縁不良などが区別できない可能性が高いと言われています。
(当時値段が一桁高かったGM試験方式のTV−7などでも完全ではありません)
多分この持ち主は、実情をご存じないのではと思うのですが?。
この試験器でOkの球は使える可能性は高いですが、不良である確率も十分考えられます。
真空管を購入する時はある程度覚悟が必要です、購入したら実機で確認した方が無難です。
余談(オークション以外でも中古真空管を購入する時の参考にしてください)
@頭の白いmT管がオークションで900円で売られていますが、さすがに購入者はいませんね。
真空管は空気が入るとまず使えません。
ゲッター近くのガラスが白くなったのは空気入りの証拠です。
Aマジックアイ 特に6E5(トーヨー)は蛍光面が白いものなら光る確率が高いですが、
灰色のものは中古品で光らぬ(暗い)可能性が高い。
但し東芝のものは蛍光の材料の関係か、多少灰色でも光ることがある。
中古の6E5は安くとも避けた方が無難です。
B47Bは使えるものが少ない。
この球は4ペンの修理に必要なのですが、入手難です、中古品を見つけても簡単に買ってはいけません。
エミ減の球が極端に多いです。
C26B
この球は1.5Vなので断線が多いです。
特に骨董市などでラジオを購入する時注意、これは良く見れば判別できます。
(12Aや12Fの代わりに挿して、断線させたものが結構多い)
Dベースの焦げた球
これはエミ減を修理する為、火鉢などであぶった跡です。
使える可能性はありますが、寿命は?。
E箱入り真空管
すべて新品とは限りません。
中身と箱が違うものもあります、良く確認して購入することを勧めます。
随分前の話ですが、アメリカの有名な真空管屋さんから輸入したmT管10本が箱入り不良品でした。
ヨーロッパ球でしたが、中の真空管は使った形跡が有ったので、交換した不良球を空き箱に詰めた感じです。
これは例外で、検査をすり抜けたのでしょう。
でも骨董市などで、箱入り真空管を見かけて中を見ると別物ということは多いです。
アマチュア−の癖として、エミ減の真空管を交換した後、空いた箱に不良球を入れておくことはよくあることです。
F12A 12F等の直熱管
エミ減以外に断線が比較的多いです、外から丹念に見ればわかります、要注意。
11)不思議な東芝サウンド750
ヤフーのオークション(b19339761)に写真と説明は別のBCLラジオのホームページと同じで、
それにラジオ工房の説明文がそっくり追加されている変な出品があります。
出品者はつい双方から借用したのでしょうが、写真を手がかりに購入するのですから、これはルール違反です。
皆さんご注意下さい。
事後報告
本件 落札者からメールを頂きました。
確かに写真と違うものが到着したそうです。
落札者はプラスチックカバー(ダイアル指針の部分)を自作したそうです。
不器用な小生なら途方に暮れるでしょうが。
(1月14日追記)
12)羊頭狗肉?
オークションで「*〜いいものすべて1000円から〜G ナショナル製最高級電気蓄音機」なる表題につられて、写真を見てみました。
http://page3.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/c16267874?
IDは c16267874
開けて吃驚 玉手箱では無いが、組み立て品のグランド型電蓄です(99.9%以上の確率で)。
売る人も 買う人もどうも真実を知らないでやっているようで、後で揉めなければ良いのですが。
落札価格は35,500円、でも飾りには良いかもしれません。
昭和20〜30年代 この電蓄が流行りました、自分も作りました。
ベニヤ細工の大型キャビネットに組み込みます。
外観は立派なのですが、中身は?。
購入した人が驚くでしょうね。
プレーヤー部分にナショナルの製品が使われているので、売る人も間違えたのでしょうが。
文章だけ見ると悪気があってやっている様には見えません、恐ろしいことです。
何故ナショナルの製品で無いか。
@ダイアルは「ナナオ」と書いてあるので、これはダイアルのメーカーです、松下の製品では使いません。
Aメーカー製だったら、写真で見るようなアルミのシャーシは使いません。
またシャーシにメーカー名が普通はあります。
Bこのキャビネットは箱だけで売られていたものに99.9%の確率で間違いありません。
Cこの電蓄とプレーヤーは時代が少し違う可能性もあります。
もしかしたら、後でプレーヤーを付け替えた事も考えます。
これはばらばらで部品を購入したのか、キットを組みたてたのか不明です。
キットの例を下記に示します。
電蓄に限らず、ラジオもキットが多くありました。
購入時はよく確認を。
どのようなものが売られていたかの1例は次もご覧ください 27年 28年
ナショナルがこの様な電蓄を発売していなかったかと言うと、
無線と実験に左のような広告があります。
オークションのものと非常に良く似ています。
ただこれはプレーヤーの上扉にナショナルのマークがあります。
メーカー製はどこかに社名が有ると理解すべきです。
オークションの電蓄にはLPとSPの切り替えのようなSWが見えます。
この様な製品は昭和30年代中頃以降の製品が多いです。
余談
昭和20年代中頃〜30年代初めにかけて、組み立て品が多いです。
ダイアルや部品のメーカー名で製作会社を特定するなどもってのほかです。
13)素人組み立て品の5球スーパー
名古屋のNさんからTOHOの5球スーパーの修理依頼がありました。
中を開けてみると物凄い修理がしてありました。
42と同じ大きさの電解コンデンサーが
固定されずに、シャーシの上でごろ寝しています。
詳細はココをご覧ください。
修理した方は最近のラジオ修理情報をお持ちのよう思われます。
(インターネットによる知識と思います)
当ページを見る機会がありましたら、ぜひ安全を配慮したオークション出品を お願いします。
14)綺麗な5900その3
MWの目盛りが狂っている、短波の感度が悪いと言うことで、修理依頼がありました。
これは1月末オークションで完動品という事で購入したとの事。
到着した5900を調べてみると、MWは目盛りと受信周波数が3mm程度ずれています。
受信は正常ですが、これでは気持ち悪いです。
SW1を受信してみるとNSBの受信感度が極度に悪いです。
またマーカーONしてもSメーターが1程度しか振れません。
普通はSW1では8程度は振れます、SW3になると少し弱くなります。
(この振れは感度と直接比例しません、間接的なものです)
SSGで簡単に感度を測定してみると、信号を確認するのに20dB程度の入力が必要です。
(20dBは10μV相当)
静かなので心配したのですが、この程度で良かったです。
調整済みの5900の場合、0〜-10dB程度まで入力信号が弱くても受信できるので、
この5900は10ないし30分の1の感度と言うことになります。
SSGそのものはジャンクを自分で修理校正して使っているので、絶対値は正確では有りません。
アッテネーター部分はプロ仕様ですから、相対値は比較的正確です。
どこまで微弱な信号が識別できるかで、簡易判定しています。
周囲の雑音が多くなったのが、悩みです。
皆さんのSSGと同じ数値ではありませんので、あくまで比較とお考えください。
この5900は外観が綺麗です。
どうもプロ級のクリーニング?(表現がうまく出来ませんが)をしたようです。
とにかく素晴らしいの一言。
最近はメカ音痴の小生が吃驚するような、器用な清掃や修理をする人を発見して驚いています。
それにしては電気的な確認は余りにいい加減なので吃驚。
清掃の為かサブダイアルの目盛りの取り付けも少しずれていましたが、
救いは彼方此方無手勝流で調整していなかった事でしょう。
でも出品者は相当自信を持って出したのでしょうが??。
周波数直読(アナログ)のBCLラジオは完動品と言っても、修理か校正が必要と思った方が無難のようです。
(15)オークションの楽しみ
オークションは見るだけですが、最近ICF−5900も比較的安価に落札できているようです。
出品者の表現も良心的になったように思います。
手を加えていない5900は安価だったらお買い得です。
なまじ整備してあるものは、修理できないことがあります。
ICF−5800の修理は技術的には5900より楽ですが、使い込んであるので、
実際の修理は物理的に大変です。
オークションは
リサイクルショップなどの業者の出展も多いので、さすがに珍しいものがあります。
たまに欲しいなと思うことも有りますが、一つきっかけが出来ると後が怖いです、我慢してます。
でもひところ流行した壊れた6800の出品は最近見かけないようですね。
2万円くらいいで落札されていったのですが、どうなったのでしょうか?。
不動で1万円の5900より、飾りには良いので、もしかして。
沢山珍しいものを落札している友人がいます。
どうも落札のコツは
@落札するものに対する知識が凄い。
A不動品を前提に購入している。
(数十年前のものが完動品のわけが無い)
B自分で出来るだけ修理する。
この前提だとオークションは宝の山です。
(16)戦前のスーパーラジオ
最近改造品のラジオを時々見かけます。
飾りにすることを前提に購入されるのでしたらこれでよいのでしょうが。
特徴は
@外観は綺麗で昭和初期から17年頃までの木箱。
A中身は5球スーパー。
B改造時期はほとんどが昭和26年前後。
C値段は一段と高価。
これらはマニアから見るとラジオとしての価値がありません、飾りとしての価値だけです。
改造してから半世紀経過していますので、素人眼には区別がつきません、業者さんがこれは良いと言うことで高値がつきます。
戦前のラジオでIFT(円筒状もあるが大部分は四角)を見かけたら、改造品とまず疑うべきです。
売るほうも知らないで出品しています、購入者が注意しないと結局自分が泣きます。
戦前のスーパーで時々見かけるものはビクターの製品です。
これ以外で、比較的コンパクトなラジオでスーパーだったらまず怪しいです。
なおビクターの製品はアメリカ式で修理が大変です、覚悟して購入ください。
(頑丈な作りになっているのは素晴らしいが、シャーシが深い、からげはんだで取り外し大変)
なお昔の並四 高1を4球スーパーに改造したものは資料として貴重です。
こちらは実用性から余り残っていない、値段が折り合えば1台購入を勧めます。
17)綺麗なクーガ2200の怪
高額で落札したと言う綺麗な2200の修理を引き受けました。
現象はガリがある、周波数が少しずれていると言うものです。
外観は確かに綺麗です、悪い予感。
まず受信してみるとみると
@MWは594KHzのJOAKが680KHz付近で受信できます。1422KHzのJORFは1500近いです。
ASW1 2は350KHz SW3 4は400KHz SW5 6は500KHzずれています。
B感度も極端に低いです、JOAKでやっとSメーターがフルスケール近くまで触れる程度です。
中を開けてみると
ジャイロアンテナのリードの取り回しがなんとなく変です。
チューナー基板からのバリコンの配線もなんとなく様子がおかしい。
経年変化でここまで周波数が狂うことはまず考えられません。
どうもジャイロアンテナやチューナー基板を分解か交換した可能性があります。
「14)綺麗な5900その3」に現象が似ています。
無理にお願いして、オークションのURLを教えていただきました。
「状態の良いRF-2200の出品です クーガーシリーズの最高機種だったと思います 本体 AC電源 ストラップ(未使用でした) 取説とカタログ(画像参考)の計5点の出品です」云々が出品者のうたい文句でした。
見本の写真は素晴らしいです、カタログや取説の付録も付いています、購買意欲をそそります。
処が出品者は上記と同じ人(ID)のようです。
困った事になりました、引き受けなかった方が良かったかなと一瞬思いました。
周波数直読が自慢の2200で中波とは言え、十数%の読み取り誤差は酷すぎます。
感度も悪いです、とても状態の良いRF-2200とは言えません。
短波も500KHzのマーカー役立たぬくらい狂っています。
これでは500KHz間違った周波数と勘違いします。
しかし外観だけは非常に状態が良いです。
受信も一応出来るのですから、出品者はよく整備できたと満足したでしょう。
これでも普通のトランジスターラジオだったら当然完動品と言っておかしくないレベルです。
所詮何処に基準を置くかで、合否が決まります。
利用者が何処まで期待しているかの問題ですが、ラジオ工房の勝手な基準では不合格と思っています。
さて
短波帯を何故このように調整したかは不明です、もしかしたら測定器なしで調整したのでしょうか。
1つ考えられるのは500Kのマーカーを頼りに校正し、4.5MHzを4MHzと間違えたのかもしれません。
クーガ2200は沢山見てきましたが、外観が綺麗で調整がこれほど無茶苦茶と言うのは珍しいです。
なおこのまま使うとマーカー位置の取り違えで6,055KHzの日本短波が5,555KHzに読めてしまいます。
まずMWの目盛りあわせ、これは簡単に調整できました。
ただジャイロアンテナを分解して見るとコアに巻いたコイルが簡単に動きます、ここも触った形跡があります。
トラッキング調整後コイルは固定しました。
これでMWの感度も正常になりました。
短波帯も再調整しました。
どうもSW5の調整時多少気になる部分や短波帯の周波数の直線性がいまいちですが、今回は見送りにしました。
500Kと125KHzのマーカーをこまめに使って周波数を校正してください。
感度を測ってみると、平均値はあるようです。
VRのガリ修理は完全には出来ませんでした。
この様に彼方此方いじってあるラジオの修理はこの先責任がもてないと言うのが正直なところで、
調整をもう少ししたいところですが、ここが妥協点と考えました。
多少未完成の気持ちはあるのですが、一応使える状態で良しとさせて頂きました。
ご注意
今回の出品者は500件以上実績があるようです、電気的知識や経験も豊富なセミプロクラスの方でしょう。
でも「数が多い」は「即信用」とはいかないようです。
RF−2200 ICF−5900等のようにダブルスーパーで周波数直読機は測定器と調整ノウハウが必要です。
器用に修理するとこんな落とし穴があります。
オークションで これらの機種を購入する時は再調整が必要と考えた価格で落札することを薦めます。
綺麗な2200や5900はまず疑ったほうが無難です。
5800や115クラスのシングルスーパーだと綺麗でも ここまで間違った調整はしないでしょう。
また間違っていても、気が付きにくいでしょう。
当方に修理や調整を依頼いただく場合、変に内部をいじっていないもの(うぶ品)の方が有難いです。
この方が安く落札できて、お互い幸せです。
追記(4月30日)
この2200が酷いと言う書き方をしましたが、これはあくまで自分の勝手な基準で書いたもので、
値段と整備状況の整合性も考えてあります、どの場合でも通用するわけではありません。
一般にこの程度で充分完動品と言って通用する場合も多いでしょう。
リサイクルショップなどでは音さえ出れば、完動品と言っているものが多いです。
2200にしても5900にしても値段との相談で、安価な2200に過大な期待は禁物です。
なおこのケースは出品者と落札者で値段を相談いただきお互い納得いただきました、ご協力感謝。
オークション出品者の方に
ラジオ工房の各ページへリンクする場合、必ず出品者と無関係と表示ください。
例えば
この機種のデーターはラジオ工房(出品者と無関係)の「このページ」に有ります。
現在無断でリンクした方は
@http://page2.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/b23710771
Ahttp://page5.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/e11479437
18)ソニーのACコード
これはオークションに限りませんが、注意事項としてご理解ください。
ソニーの製品を購入する時 ACコードが付いていない場合、どうしますか、代用品も良いのですが注意が必要です。
BCLラジオは5900を初めソニーのものはほとんどがACアダプター方式です。
カセットつきBCLラジオは細い軸(写真右端)のACコードを使います。
またICF-6800も同じコードですこれは製造中止したようで、入手に困る事が多いようです。
特に心配なのが4つ穴式コードでこれはCRF−5090やマイクロTVなどに使われています。
先日メールを頂いた方のでは代用品(2つ穴)を使ってDC側にAC100Vを加えてしまい、ラジオが壊れてしまったそうです。
DC12VのところにAC100Vが加わるのですからTRやICはたまりません。
2つ穴のコードで代用できるだけに注意が必要です。
ACコードは不必要な時は入手できるのですが、必要時意外と捜しても入手できません。
見かけたら購入しておくことを勧めます。
写真左 普通の2つ穴ケーブル
これは他社製品とも互換性あり。
ただしもう製造はしていないのでは?。
(最近はめがねタイプが多い)
写真 中 4つ穴ケーブル(ソニー独自規格)
写真右 2つ穴細(ソニー独自規格)
19)ソニー スカイセンサー ICF−5900美品
このような表示の5900をオークションで落札したそうで、持ち主から修理がありました。
現象は
@アンテナがポップアップしない
Aメーターが動かない
BAM と FM が聞ければ十分と思って落札したが、3日目 AM を聞いている途中で、ガリガリと何回か音がした後聞こえなくなりました
ラジオ到着後
中を開けて吃驚、とんでもないスピーカーがついています。
凄く器用な人が修理したのでしょう、呆れるとともに感心しました。
この様な修理方法があるのかと改めて勉強になりました。
でも他の人に売る時はもう少し正直に表示して欲しいです。
このラジオは本来なら修理しない方が良かったのですが、行きがかり上何とか修理してしまいました。
予想通り大変な苦労をしました。
修理報告を新ラジオ資料館のここ。
なお
@メーター不動の5900は避けた方が無難(簡単に修理出来る時と不可能な時が混在する。)
A突然MW受信不能の現象は売主の責任ではありません、5900はこの様な事が比較的多いです。
TRが不良になる為で、皆さんの5900にも同じ可能性があります。
外観は綺麗だし、落札値段も比較的安いので、あるいは良かったのでしょうか?。
中央右側の傷は基板の部品との組み合わせを考えて削ってあります。
オリジナルのスピーカー
ネジも全てオリジナルではありません、こんなのは初めてです。
左端 赤黒の縞がつけてあるのがオリジナル(自分の5900から)。
持ち主から「電池ケース蓋が取れ易い」との話でしたが、多分ネジが完全に締められていなかったのでしょう。
まとめ
このように加工されたラジオは表示して販売すべきと思います。
あとの修理が出来ないです、このラジオも修理するのも大変でしたが、
ケースに入れるのに苦労しました。
中に大きなスピーカーが鎮座しているので、上手く蓋をするのに苦労しました。
1本どうしても締め付けると破損しそうなので、ねじの長さを少し切りました。
こんな経験は初めてです。
持ち主から電池の蓋が外れやすいと言われていましたが、どうもネジが完全に締め付けられていなかったようです。
20)3台の5900を2台にする話。
上記の大きなスピーカつきの5900の持ち主から、どうしてもオリジナルのスピーカーにしたいということで、
3台の5900を2台にする修理を依頼されました。
部品取の5900は動作品と言うことで1万以上で購入したようですが、サブダイアルが硬くてほとんど動きません。
開けて見ると、素人修理の跡が歴然です。
これを部品取にするのは勿体無いのですが、これを修理するのは大変です。
周波数直読できない5900を承知したうえでオークションに出すとはいささか酷いです。
最近はサービスマニュアルが出回っているせいか、ホームページの影響か、
一度分解して、自分ではどうにもならず、中途半端なものを売り出していることが有るようです。
今回依頼された3台は。
@先日修理した(19に記載)5900
Aメーター不良の5900
B部品取の5900 外観は比較的綺麗です。
これを@とAに集約しました。
Aの5900が中身はさわられていず、程度は良かったです。
中にはこの様な5900もあるわけで、全部が怪しいわけでは無いのですが、
確率的に3台中2台が怪しい?事になります、困った傾向です。
なお不動のサブダイアルは後日分解してみましたが、作業が大変です。
原因は内部の油切れでした。
分解すると元に戻すのが大変です、彼方此方壊す恐れもあります(自分も壊しました下の写真参照)。
(サブダイアル部分より、シャーシ部分 と基板を組み立てるのが大変)
組み立て時 マーカーSWのレバーを壊してしまった。
どうも不器用で困ります。
接着しても後で壊れます、別の5900から取り外すしかありません。
さらに5800のダイアル機構は器用な人なら修理可能ですが、こちらは測定器が無いと元に戻りません。
正確に周波数を読むために0.5PF単位の容量が効いてきます、リード線の曲げ方まで気を使います。
バリコンの羽根は絶対いじらぬように。
この種の5900は敬遠するのが賢いです。
5900や2200はジャンクを3台で1台にする、2台を1台にするなど引き受けます。
こちらの方がむしろ当り外れが少ないかもしれません。
綺麗な5900が修理にやってきました。
購入価格は安価だったので、合格と言うところでしょう。
依頼主からのメールは
「自分なりに、機能のテストもして見ました。マーカーを利用しての、6.055MHzのNBSも、待ち受けで直読受信出来ました。
7MHzのアマチュア無線は、ハイツに住んでおりますので、局自身がなかなか受信出来ませんでしたが、
まれにモガモガ聞こえる時もあり、BFOをONにして微調整すると、交信内容も正常にききとれ、BFOもOKでした。
難を言えば、S メータの振れが甘く、近隣のAM局を、他に所有しておりますICF-5800と受信比較しますと、5800で、Sメータ値(?)が2〜3の場合(これも
実は甘いのですが...)、5900ではメータ内の、左の針のストッパーから、かすかに右に振れてるかな?という程度でした。
しかし、局自体は入感していましたし、耳で聞いた受信感度には、同じソニー製品と言うこともあり、さほど受信能力の違いは感じませんせんでした。
ちなみに、当然バーアンテナが、放送局に垂直になる様に調整しての受信テストをしました。
そして、同じ局をクーガー115で受信しますと、クーガーの針は、8〜9位を差しているのです。
メーカーが違うのだから仕方の無いことですが、少し悔しい思いをしたのも偽らざる感想です。
その後、上記の状態でも満足してずっと使用していたのですが、ある朝突然MWが聞こえなくなったのです。
そしてその後SWも...。」
ある日当然受信できなくなる事はソニーのラジオで良くある事で、TR不良が大部分です。
電源を入れるとFMは受信できます、MWとSWのAM分が受信できません。メーターの振れもおかしいです。
早速分解してみました。
AM受信だけに関係するTR不良と見当をつけて調べてゆきます。
最終的にAM MIXのTRが不良でした。
これはFM用とペアーになっていますので、組で交換します、これで2本。
まだMWの受信でSメーターの振れが悪いです、SWもマーカーON時振れが悪く校正出来ません。
この対策をしなければなりません。
感度が悪いのか、Sメーター回路が悪いのか切り分けが必要です。
標準信号発生器で試験してみると感度は多少悪い程度で普通です、これは未調整ですから上等でしょう。
回路を追いかけて行ったのですが、判然としませんでした。
結果的にメーターアンプのTR不良でした。
これでOKとなったので調整です。
ただFM受信時 信号が無い部分で微かに遠雷のようなガリガリ音がします。
これはFM受信時だけで、電波を受信した時は全然問題ありません。
ここで済ますことも出来ますが、どうもTR不良の始まりと考え不良TRを再度捜して交換しました。
FMは特性上ガリガリ音は出にくいのですが、何時かは不良になりそうなものを放置できません。
しかし同じロットのTRが十数個使われているので、本当は全数交換したいところですが、そこまでは。
これで無事動作するようになりました。
まずMWとFMの目盛りあわせとトラッキング調整 BFO調整をします。
ここでケースにいれ、サブダイアル等を取り付けてSWの目盛りあわせ、トラッキング調整を終了。
ただSW1は正常でしたが、SW2とSW3が1MHz以上狂っていました。
基板に余分なリード線が半田付けされていたことと合わせるとアマチュア-が中を調整した形跡があります。
しかしこの調整は比較的簡単でした。
ここまでは裏蓋がつけて無い状態ですが、ここで完全にケースに入れます。
裏蓋の調整用小窓をあけ、ここから最後の仕上げをします。
ところが驚いたことに調整が上手く出来ません。
原因は0点調整用のトリマがバカになってうまく調整できません。
どうも以前調整をしたときに無闇にトリマを回転させたようです。
バリコンのように回転させて使うことを前提に作ったものではないので、無闇にさわらないように。
さあ困りました。
10.7のIFに対し3Kzから10Kz狂います。
0.03%〜0.1%の誤差ですから微々たるものですが、と言ってICF−5900ではとても許されない範囲です。
3,055KHzの日本短波が6,065KHzで受信できたら気持ち悪いです。
このトリマを交換するのは大変です。
一番底の部分に実装されています、下の写真の中央部ピンク色の部品です。
建物の基礎を交換するような作業で、上の構築物(シャーシ、ダイアル機構)を全部取り外す必要があります。
写真でみてもわかりますが、バリコンについているダブルギヤまで取り外さないと分解できません。
5900もたくさんのトリマ(10個)が使われていますが、これほど微妙なトリマは他に1つしかありません。
それにこのトリマだけ最後 それもケースに入れた後で無いと最終調整が出来ません。
全体としては非常に程度が良いのですが、肝心のところが???です。
@再度分解してトリマを交換する。
A別の方法を考える。
ここで@の方法をまず考えたのですが、とりあえずトリマを強制的に固定して様子をみる事にしました。
と言うのはTR不良がまた起こりそうなので、その時でも遅くないと考えました。
普通5900の故障でもTR1箇の事が多いですが、今回は複数でした。
同じロットのTRが使われていますので、そのうち再発する可能性が高く、
その時トリマも交換することにしました。
数日間慣らし運転をして、持ち主に返還しました、無事稼動です。
画像をクリックすると大きな画像が見られます。
5900の内部の構造はここをご覧ください。
次へ(新ラジオ資料館の続オークションによせて)
重くなりましたので、続きは別ページとしました。
2002年4月25日
2002年4月27日
2002年4月30日
2002年5月31日
2002年7月15日追加
2002年8月21日
2002年10月18日
2002年12月12日リンク修正
2003年2月6日
2003年2月11日
2005年7月21日 リンク変更ミラーサイトへ
2006年7月19日リンク修正
2023年5月3日
2013年6月9日: 24,252 sakuranetへ移転
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