スカイセンサー5900はクーガ
2200とならんで人気機種です。
本格的な通信型受信機とは性能面で比較できないにしろ、この価格で、この機能を実現したのですから立派です。
この機種は製造後四半世紀たったせいか、RF回路の調整が狂っている事が多いです。
最近注意して見ると、第2局発の周波数が数十KHzずれている事が多々あります。
完全に調整していてもサブダイアルの両端では多少感度が下がるので、
周波数測定時はしかたが無いとしても、受信時は±100KHzくらいの範囲に移動した方が良いでしょう。
それから、メイン目盛りが狂っている事も多いです。
これは比較的簡単に調整できるのでですが、印刷目盛りの為か、中々ぴったりとはいきません。
時々目盛りの間隔がおかしいのではと悩む事が有ります。
250KHz間隔の校正がきついです、この為CF−5950(5900にカセットをつけたモデル)は500KHz間隔に変調が掛けられていて、目盛りのずれによる、周波数読み取り間違いを防止しています。
CFー5950はラジオ工房のBCLラジオ博物館5をご覧ください。
なおこの機種はカバーを開けると、修復後サブダイアルの0位置を決めるのに、悩みます。
開ける時は位置を良く確認して置く事をすすめます。
さらに本体部分(シャーシ)と表カバーの組み合わせで周波数を読み取る仕掛けのため、
裏蓋(カバー)を開けると微妙に周波数読み取り精度が狂います。
軽い気持ちで開けるのは止めたほうが無難です。
(クーガ2200などはこの心配はありません)
仕様についてはBCLラジオ博物館1をご覧ください。
スカイセンサー5900の後期タイプですが、前期と基本的には変わりません。
サブダイアルの目盛りが違うのと、サブダイアル用にランプがついた程度です。
ICF-5900の後期型。
左側はオリジナルのACアダプター。
スカイセンサー5900の基板部分。
ここまで分解するにはバリコンのダブルギャまで外す必要があります。
当然サブダイアル用のバリコンの半田付けも外します。
測定器無しに挑戦しないように。
トリマやコアを無闇に廻すと物理的に壊れます。
コアやトリマが緩んでくると始末に困ります。
(周波数が浮動する原因になる)
スカイセンサー5900の基板です。
サブダイアル部分は取り外して有ります。
取り外したサブダイアルのバリコンは下の写真をご覧ください。
何処に何がついているか調べるために、完全に分解してしまいました。
黄色のテープは再組立てするためのメモ用です。
バリコンそのものはスカイセンサー5500や5800と同じアルプスの物が使われています。
ナショナルも同じですがクーガ2200だけは特別仕立ての周波数直線型バリコンが使われている。
またANT回路などRF部分の調整をするとSメーターの目盛りで1〜2くらい感度が上がる事が多いです。
製造後20数年を経過しているので、自然に狂っているようです。
ただこの5900はRF回路のトリマは有りません、固定コンデンサーになっています。
調整できるのはコイルのコアだけです。
スカイセンサー5800に比べるとRF回路のQは比較的低いようです。
RF回路に調整用のトリマが実装された基板
ついにトリマつきの基板を見つけました。
それでもSW2とSW3用です。
SW1はすでに固定コンデンサーです。
製造番号が1××××ですから相当初期のものでしょう。
相当珍しいと思います。
但し別項にも書きましたが、サブダイアル部分(第2局発)の調整は無闇に触らぬ方が無難です。
なお基板右上にFMとMWのRF調整用トリマが見えますが、これを調整するにはフイルムダイアルの機構部を取り外さぬと調整出来ません。
基板のパターン面から調整出来れば良いのですが??。
スカイセンサー5900のカバーを外したところです。
バンド切替SWにはテスト用に別のツマミがついています。
このツマミの下、四角い箱はマーカー回路。
シャーシ部分(構造体)を外すと、上の写真の基板が現れる。
5900サブダイアルのバリコン
サブダイアルのバリコンです。
2連バリコンの片側が使われています。
アルプスのFM用と思われ、裸の容量は4〜22PFくらい。
取り付け状態で実際の可変範囲は約15PF。
サブダイアル目盛りが+になった時、
バリコンの容量が多くなる方向に動きます。
羽根を変形させると読取誤差が多くなり、直読できなくなります。
少し変形して ほんの0.5PF変わると10KHzの誤差が出ます。
無理に動かして、「がた」が出たものがあります、
こうなると誤差どころか、不安定で受信時に困窮します。
これは研究用にばらしたもので、決して真似をしないように。
2002年5月15日 RF回路にトリマの付いた基板写真を追加、文章追加。
2002年10月18日 記述追加。
2003年9月24日リンク追加。
2003年12月9日
2004年1月16日 サブバリコンの実効可変容量を追加。
スペックの詳細はラジオ工房
BCL1へ
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