110Bの修理
こちらにも別の110Bの修理体験記があります。
IFTが調整できなかったので、交換することにしました。
場所はスピーカーの左です。
取り外したIFT
プリント基板のパターン
左側が入力で 右側が出力になる。
急に音が出なくなったとの事、イヤホーンでは大丈夫との事なので気軽に引き受けたのですが・・ |
到着後分解してみると確かにスピーカーの不良です。
同じスピーカーは有りませんので、手持ちのICF-110から抜き出して交換することにしました。
ネジも1本不足しています。
手前の物が我が家のICF-110B
どうもこのスピーカーは修理した形跡があります。
白丸の付近がオリジナルと違うので、この付近で修理されているらしい。
もう一度修理することも考えたが、壊れると困るのでやめた。
フイルムダイアルもばらばらになってしまいました。
なんとなく動きがおかしいと思っていたのですが・・。
組み立てて、調整しました。
MWは問題なかったのですが、SWの感度が極端に悪いです。
調べて見ると内部の配線の間違いでした。
オークションに出品する時、整備したようですが、アンテナリードの配線を間違えたようです。
この機種は修理する時にアンテナリードを2本外す必要があります、これを間違うとこのようなことになります。
ネジの不足といい、修理方法は素晴らしいですが、音が出れば良いという方法は困った物です。
それにしても良く整備してありました、感心するくらい器用に修復されています。
惜しむらくは電気的知識がない方のようです。
これは我が家のICF-110Bです。
動作試験中のICF-110
電源ボタンとランプボタンが半田鏝で焼いた感じのICF−110が修理にやってきました。
周波数のずれも多いと言う事で調整も行いました。
電源ボタンは普通の使い方でも多少傷が付いています。
でもランプボタンがこの様な形に変化したものは見たことがありません、確かに醜いです。
手持ちの110からボタンを移植しました。
MWとSWの目盛りあわせも終わらせました。
ところがFMの周波数を合わせようとすると、コアが回りません。
0.5MHzくらい目盛りが狂っているので、何とかしなくては気持ちが悪いです。
FMのOSCコイルの調整が出来ません。
コアが廻せないと目盛り合わせが出来ません。
プラスチック製の調整棒が破損してしまいました。
3時間ほど試行錯誤した後、やむを得ずコアを割って調整することにしました。
写真は破損させる直前のものです。
破損したコア。
どうも接着材が使われていたようだ。
コアを破損して調整。
沢山ラジオは修理してきましたが、コアが接着されているのは非常に珍しい。
左側がFMのRFコイル 右側がOSCコイル。
コアを破損して、周波数を調整。
後はパラフインを充填して固定。
正直ここまでやってあるのは初めてです。
ランプボタンの変形を見た時 中を素人が弄ったと想像すべきでした。
いやはや驚きました。
SONY IC−11シリーズ
何故かこのラジオを見ると買ってしまいます。
我が家には 少なくとも10台以上有リます。
中身が細かいので 修理の引受を止めていたのですが、何とかしないと勿体無い感じもします。
スピーカーなど部品が欠品に なっていますが、これでも外部スピーカーをつなげば動作します。
動作確認用にしようと計画しています。
動作確認用 ICF−110
前面のシャーシ部分を切りとりました。
これで 高周波部分のパターンが ほとんど見えるようになりました。
必要に応じ 各部分で動作状態が観測できます。
故障の110と比べれば 悪い部分の切り分けに役立ちます。
別のICF-110
これも無音でした、調べてゆくとSメーターは正常に動作します。
しかし 全く 無音です。
@MPX端子にクリスタルイヤホンを接続すると音が聞こえます。
A録音端子にクリスタルイヤホンを接続しても音が聞こえません。
当然スピーカーから音が出ません。
BAUG端子にクリスタルイヤホンを接続し、イヤホン端子に外部スピーカーを接続すると、
反応があります(マイクを接続する形になるので)。
ということは AF用ICは活きていることになります。
スピーカーを外したところです。
この状態で試験します。
可笑しいと思いつつ スピーカーを見るとなんと配線に緑青が吹いているではありませんか、
それより 断線しています。
ラジオは此れまで沢山修理してきましたが このようなものは非常に珍しいです。
リード線だけかと表を見るとなんと ボイスコイルからの中継線部分もこの状態です。
どうしようもないので 修理を諦めました。
どこまで錆びているか調査しようと分解したのですが、うまく見つけることは出来ませんでした。
背面の画像です、電池の液漏れで 電池金具だけでなく シールド板の部分にもサビが回っています。
ただパターン面の損傷は無いようで ラジオ自体は正常に動作します。
サビの感じから 電池の液漏れが スピーカーの裏側まで回った様子が感じれれます。
さらに 別のICF-110
この110は電池の液漏れ跡も無く 正常に動作しました。
残念なことに アンテナの先端が折れてるので 正常なものに交換することにしました。
この機種の アンテナも先端が折れているものが多いです。
ICF−110の修理(2016年10月26日)
通電してみると MW受信時 30分くらいで微かにガリガリ雑音が出てきます、Sメーターも音に連れて連動します。
TR劣化の典型的現象です。
なお通電すぐにガリガリ音が出ることはありませんでした。
VRやスイッチ類の接触不良が酷く、通電しても すぐ無音になる事がりました、不安定です。
裏蓋を開けたところ
正面側 でスピーカーを外したところです。
黒いシャーシに覆われて IFの一部を除いて TRの交換は無理です。
この黒い部分がシャーシで 外さないとパターン面が見えません。
下記画像は前記の修理記事で紹介したものと同一です。
構造的にはこのようになっています。
右下のバリコンはシャーシに固定されているので 配線をすべて外さないと 基板は取り外せません。
またソニーのこの当時のラジオの特徴で 配線があちこちにされているので、もとに戻せるよう 記録しながら配線を外します。
シャーシ部分を外した ところです。
配線が彼方此方されていますので 非常に大変です。
元に戻せなくなるので 同一機種をもう1台準備しておいたほうが良いでしょう。
比較しながら 復元すると良いでしょう。
1台しかない場合は 分解は諦めたほうが無難です。
使われているTRを外してみました、少なくとも 右半分のものは 劣化が始まっているようです。
現時点では正常に動作しても 何時かは不具合になります。
なおこの機種は 保守性が悪く 5800や5900などに比べ2〜3倍の手間がかかります。
シャーシ部分と基板を外さないと パターン面が見えないのです。
バリコンはシャーシ(黒い部分)に固定されているのです。
上記画像のように基板だけにするのが大変です。
あちこちの配線を外し バリコンまで切り離さないとここまで分解できません。
FMチューナー部分を除く 高周波回路に使われているTRをすべて交換します。
5800に比べ パターンが細いのと プリント版に印字がないのでTRの挿入方向に気を使います。
取り外したTRです、脚の汚れが多数に広がっています。
5800や5900では2個くらいが多いのですが この110は長時間使われたのか半数以上で汚れが目立ちます。
なお取り外したTRはHfeの確認は全てしました、問題は見つかりませんが、
これは取り外した熱ショックで一時的に回復することもあり、更にガリガリ雑音が出ないという保証も無いのですべて交換します。
TRはすべて新品に交換した方が 安全です。
右から2番めのTRをそのまま拡大したもの、コレクター中心に汚れが広がっている。
経験上 このようなTRは後日 問題を引き起こしやすいようです。
トランジスターの脚の部分から汚れが広がっている、
どうもこの汚れが微弱な導電性が有るらしいです。
脚に銀メッキされているのが原因と言われていますが 厳密には判りません。
TRを交換し 組み立て、アダプター電源では正常に動作することがわかったので 今度は電池で動作させると ブロッキング発振します。
アダプターで試験すると問題ないので 入力側のケミコンと狙いをつけて 交換しました。
他も交換したいのですが もう一度基板をバラす必要があり、諦めました。
何度も分解すると配線が切れてもとに戻すのが大変な作業になります。
まだ電圧が低下するとブロッキングを起こしますが通常の電池であれば問題ありません。
これで 大丈夫とケースを締めて試運転すると 電源をOFFにしても小さな音で受信できるではありませんか、
また分解です。
このような現象は5500や5800などで経験することですが スイッチのリークが主な原因です。
そのつもりでスイッチを確認したのですが 違いました。
スイッチを切っても数mAの電流が流れているのです、これでは電池がすぐ無くなります。
苦労の末 追いかけてゆくと 今回は別の部品のリークでした。
部品が劣化すると絶縁物が導体にに変化するようです。
でもこのような例は非常に珍しいです、自分でもこれまで数える程度しか経験ありません。
珍しいだけに 見つけるのが大変でした。
2005年5月6日
2008年11月3日:184
2012年1月11日:3,646
2012年10月10日:4,584 リンク追加。
2014年3月19日:6,128
2016年10月26日:9,038
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