後日談 持ち主とメールのやり取りをして判明したこと 最初は 不思議な動作(電源OFFでも 音が出る)だけの状態だったらしい。 これを修理に出したら この現象が回復することなく、ガリガリ雑音が追加されて返ってきたらしい。 それで当方に回ってきたようだ。 ただ 現象的にはガリガリ雑音は最初は微少で 段々大きくなり 最終的に不動になります。 したがって 修理の不手際で 出たものではありません、修理期間までは把握していませんが、 輸送や修理途中で 健在化したと考えたほうが 正しいでしょう。 この責任を全て 修理(業)者の責任にするのはちょっと問題かも。 (個人的には持ち主の誤解で自分の責任と考えるべきでしょう) 修理(業)者が この機種の修理に経験が浅かった場合 もし音質調整VRが接着されていることに 異常を感じなかった(知らなかった)場合 無理やり 分解しようとして 出っ張り部分のダイアル(フイルム)部分に無理な力が加わり フイルムが破損したと考えると 状況的には説明が付く。 という事はこの110BのVRは誰が接着したかですが、持ち主がやって忘れていたのか、 あるいは 中古品を購入したかのどちらかと思われる。 そのように考えると これまでの経過とあわせ 素直と思います。 接着されると 自分がやっても 取り出せなかった。 歪むほど無理すれば取れたかも・・。 もし破損品と知らずに修理に出すこと その不具合の責任は誰が負うかは悩ましい。 正常に動作するようになったので・・。 ご注意 この機種はICF−1100やICF−5500のご先祖に当たります。 回路も非常によく似ています。 ただ構造上 修理は数倍大変なので 安易に引き受けると泣きます。 自分はこの機種 大好きで10台以上手持ちがありますが・・・。 5500と同じと思って引き受けると酷い目に逢いますよ ご注意ください。 2019年7月24日 |
なお 後日談 このラジオはどうも小生のところに来る前に 別の方が修理したらしい。 持ち主が 分解したと思っていたが 別人らしい。 いやに ダイアルフイルムが破損しているのも その時の傷らしいが・・。 この傷が持ち主の このラジオに対する愛情かと 勘違いして無理して修理した。 修理は事前に 事情を教えてください。 事情が判れば もう少し工夫のしかたもあります。 修理中止 フイルム部分の交換など・・。 総合的に判断して 修理業者の意見を聞いていませんが、本当は修理依頼者の責任のほうが大きい感じがします。 うかつに修理を引き受けると とんだ被害になります、ご注意ください。 (2019年8月4日) |
分解してみると 音量調整用VRがやはり駄目でした。
テスターで測定すると0Ωから急に200Ωに急変するのです、これでは音量が極小さくはなりません。
結局 別の110Bから移植して修理しました。
先日SONY製「ICF-110B」を条件(音でない)つきで入手したので、修理をお願いしたい。 不良内容 ・電池にて電源は入る ・ランプは点灯する。 ・メーターはFMでは電源ON時にかすかに動く。 上記状況なので音が全く出ない。(ガリっとも言わない) |
確かに電池で電源は入り、・ランプは点灯します。
・メーターはFMでは電源ON時にかすかに動くが、音が全く出ない(ガリっとも言わない)。
MPX端子にクリスタルイヤホーンを入れてモニターするも無音。
分解したICF−110B
確かに電池で電源は入り、・ランプは点灯します。
・メーターはFMでは電源ON時にかすかに動くが、音が全く出ない(ガリっとも言わない)。
外観は今まで見てきたなかでは極上といえるほどでしたが、
不思議なことにフイルムダイアルに傷があります。
MPX端子にクリスタルイヤホーンを入れてモニターするも無音。
イヤホーン端子に外部スピーカーを接続しても駄目、
この部分にクリスタルイヤホーンを挿入すると 雑音がかすかに聞こえる。
取り外してみるとスピーカーの断線でした。
取り付け寸法の関係で、別のICF−110からスピーカーを取り外して組み込みます。
故障箇所が複数あるようで、これだけでは当然動作しません。
フイルムダイアルにさらに傷をつけないようにカバーして調査。
スピーカーの後方に基板が見えます。
メーターはIF増幅のTRのコレクター電流を読んでいますので、
まずTR不良を疑って、IFのシールド板を取り外しました。
(写真は取り外してある)
TRの2SC710のコレクター電圧が極端に低く0に近いです。
TR不良を疑ったのですが、違いました。
回路の状態を全体的に判断して電源回路用部品の断線と判明しました。
ただ悪いことにシャーシ(黒いプラスチックの構造体部分)の下側に位置する部品です。
このままでは取り外しも組み込みも出来ません。
半田鏝が使えないのです。
結局 基板とシャーシを分解して、取り外し、やっと組み込みました。
配線をあちこち外さないと分解できません、復元する時困らないように準備してばらします。
部品の交換そのものは短時間で出来ますが、小さいな中に部品が詰め込まれているので、
準備作業に時間がかかります。
部品面の写真です。
今回の故障部品はバリコンの少し右側という位置でした。
基板を外すとこうなります。
使われているバリコンはアルプスのハイポリバリコン 最大容量340PFのもの。
ちなみにICF−5800も同じアルプスのハイポリバリコンが使われていますが、
最大容量が違います(250PF)。
無闇に分解すると元に戻せなくなります、ご注意ください。
修理完了し、工作机の上でJORFを受信。
手前は取り外したスピーカー。
ICF−111 | ICF−110(B) | |
正面 | ||
背面 |
2007年9月25日
2012年10月10日:3,504 リンク追加。
2014年3月18日:4,587
2014年3月23日:4,883
2014年9月11日:5,548
2019年7月18日:11,165
2019年7月22日:11,440 後日談を追加。
2019年8月4日:11,732
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