ナショナル 真空管ラジオ UF−785  RF増幅付Hi Fiスーパーラジオ

昭和31年ころ製造されたナショナルのHi Fi スーパーラジオです。
音は一応出るとのことでしたが、絶縁試験をしてみるとコンデンサーは駄目でした。
それにこの機種に使われているブロック型のケミコン(350V 20 20 10 1 それに50V20μ)も漏洩電流が酷くて使えません。
先日 修理したナショナルのBL−280にも同じケミコンが使われています。

回路図やダイアル糸かけ図も添付されているのですが、何故か色あせて読めません。
型名も不明でした。
ラジオ工房掲示板に書き込んだところ、日本ラジオ博物館の岡部さんからUF-785であるとの書き込みがありました。
兄弟機種にUF-780があることも判明、785の方は月賦販売用で定価20,800円 愛称はインダス、780は19,800円 愛称はガンジスです。
無線と実験1956年10月号の国内新製品紹介に掲載、最下段の画像参照ください。

修理前のシャーシ内部。



パイロットランプがシャーシに7個、キャビネットに3個の合計10個が組み込まれています。
その配線がぼろぼろなので、やり直さなくては危険です。


配線をやり直して 調整中。



修理完了ごのシャーシ内部。

実は最初15 15 100の配列でケミコンを使用し、
試験中はなんら問題なかったのですが、
キャビネットに組み込むとハムが酷くて気になります。
ケミコンを2個追加して、30 30 100の構成に変更しました。
Hi Fiスーパーはスピーカーが大きいので、ハムに敏感です。

検波はゲルマ(IFT付近の茶色のもの)です、当時としては非常に貴重品です。
壊れることがあるので、取り外して確認したら大丈夫でした。



動作 試験中のシャーシ内部。
これに上記のようにケミコンを2個追加した。
IFTを455KHzに調整し、目盛りあわせ、トラッキング調整をして終了です。

取り外した部品や配線。
この時代のナショナルラジオの配線には悩まされます。
皮膜がぼろぼろになるので、全て交換しなければなりません。
なおブロック型のケミコンはBL−280にも使われていて、これも駄目でした。


キャビネットに収納したところ。
大口径のスピーカーをキャビネットに入れると、低音の再生ができますので、
試験用のスピーカーで目立たなかったハムが気になるようになります。


正面の写真です。


LTZ加藤さん 提供のUF−780です。
こちらの定価は19,800円。
昭和31年10月号の無線と実験に新製品紹介の記事あり。


昭和31年10月号 無線と実験 新製品紹介





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2010年9月24日




ラジオ工房修理メモ

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