スカイセンサー5600の修理体験記 

結果的に壊されていた5600(2017年10月1日)

hehexxxxさんから購入したらしい 5600が修理にやってきました。
お掃除名人の作品ですから 綺麗なのですが、最近とんでもない技術者を雇ったのか修理に苦労しました。
長年 修理をやっているとなんとなく誰の作品かわかるようになります。

受信してみると 正常に受信するのですが、ヌル・ランプの点滅がなんとなくおかしいのです。
調べていると 白熱球をLEDに交換してあるのです。
さらに振動で 無音になる現象が酷いのです。


点灯具合に違和感を覚えたのはこれが原因でした。
もともと白熱電球用に設計したものはヒラメントの時定数(遅延と ある程度の通電時間に光る)も考えて作られています。
このような利用方法(回路)の場合 単純に置き換えられないのです。

実は その後致命的問題点が見つかりました。
電気的には良く整備されているのですが、調整をしない欠陥が隠れていたのです。

点灯時の違和感は 妥協するとして、TRの交換をしようとしたのですが、このフイルムダイアルが外せないことに気がつきました。

いくら外そうとしても取れないので、不思議に思って調べて見ると、画像で示す部分が接着されているのです。



LEDに変更する時 固定する必要がありますが、ダイアル機構のみに固着すべき部分を 本体部分も一緒に接着してしまったようです。
この部分を接着されると ダイアルフイルム機構が外せません。
ぜひこのような無謀な修理はおやめください。

外せないと修理も 調整も出来ないのです。
この機種は目盛り合わせもこの部分を外さないと調整できない仕組みなのです。

下記は正常な状態の5600
調整する時 このフイルム機構を外して行います。
(目盛りをあわせ、トリマやコイルを調整して またこの部分固定する、これを何度か繰り返す)
無茶苦茶な設計で困るのですが、現実はそれでも固定されると手がつけられません。



ランプの固定はリード線の曲がった部分までは固定しても良いが、
本体部分とフイルム機構を固定しては外せない。


ダイアルフイルム機構を外すと 下側に調整箇所が現れます。

本来なら基板に穴を開けて 裏側から調整できるようにすべきでしょう。
松下のクーガ7にはそのような例があります。
設計者の手抜きかも知れません。



実はもう一つ 困った問題が内包していました。
音が途切れるのです。



外部ジャックやVRの不具合が有ったので それぞれ対策し、収まったと思ったのですが、
もだ原因が残っていました。
普通受信する場合は全く問題がなかったのですが、電池で動作させ 持ち回ると音が切れるということが起きることがわかりました。

率直に言ってこの原因を見つけるのに苦労しました。
怪しい部品を順次交換し、現象が消えず。
最後は 各部分の音声をオシロスコープでモニターしな調査しました。
最終的に判明したのは出力トランスの2次側の半断線でした。

いままで真空管ラジオも含めれば4桁のラジオを見てきましたが初めての経験です。

この部分が断線するはずがないという思い込みが災いしたのでしょう。
大きな反省事項でした。

予備のトランスはありますので、交換したのですが、狭い中に組み込まれているので、
付近の部品(ケミコン)を一度外して 挿入するなど大変でした。

今回の反省事項は このような音が途切れる現象は複合原因があるので、非常に難しいということでしょう。
大多数の音切れが解決しても残りがあった。







FMだけ音が小さい ICF−5600 (その5  2016年12月29日)

FMに切り替えると 音が小さく またヌルインジケーターの上側だけ点灯する(厳密には猛烈な勢いで点滅)するという5600です。
相当嫌らしい故障とは想定はしていたのですが 思わぬ故障が続発し 困窮しました。

ヌルインジケーターが点灯しっぱなしということで 検波回路を疑いました。
検波回路のトランスを調整してみたのですが 同調点が有りません。
FMの受信も正常な検波ではなくスロープ検波のような状態で音が出ているようです。
このため 音が小さいのもうなずけます。
まず同調容量の減少を疑いました。
バリコンを仮付けして最適容量を探し この容量を固定コンデンサーで置き換えました。
実はここで 一旦 正常に動作したのです。

ところが少し時間が経過するとまた反応しなくなりました。

同調容量が変化しているらしいので トランスを取り外してみました。

この取り外しは慎重にしないと ピンが抜けて使えなくなります。
自分で試す方は充分ご注意ください。

分解したIFTです。
劣化して 変化するようなので 同調容量を取り外します。



取り外したところです、方向が回転していますが ピンの位置で照合ください。



さらに組み込んで 同調容量は外付け。



実はこれでもだめだったのです、どうも2個1組のIFTのうち1次側のコンデンサーも半田の熱で変化したようです。
やむを得ず 別の5600から検波トランス2個1組を取り外し移植しました。



なお途中で 点灯していたランプが断線してしまいました。
非常に珍しいですが これも移植です。

トランジスターも2個交換しました。
脚の付け根がなんとなく汚れているのが劣化した証拠です。



ヌルインジケーター
同調ずれ



同調



同調ずれ




滅茶苦茶壊れたていた ICF−5600 (その4  2016年11月10日)

1)FMのみ受信できる
2)ヌルインジケーターが動作しない
3)メーターが全く動かない
4)

動作させてみると FMは受信しますが MWとSWは受信しません。
局発が発振していないのです、まずTRを交換してみました、ここでは2SC710が使われているので まず疑ったのです。
しかし 動作しません。
何度か スイッチを操作していると SWが受信できるようになり さらに偶にMWも動作するようになりました。
どうもバンド切り替えスイッチの不良のようです。


さらに 動作している時でも メーターが全く動きません。
調べてみると メーターの固着でした、分解して修理し 動くようになったのですが  これでも振れません。

テスターで導通を調べてゆくと メーターの−側の配線がアースから 浮いています。
さらに調査すると 下記画像の矢印の部分で 断線しているのです、もちろん肉眼ではわかりません。
テスターで パターンに沿って導通を測り判明しました。
このパターンは スイッチのフレームに接続されているのです。
ジャンパー線の代わりにスイッチのフレームを利用したもので ソニーのラジオでは時々見かけます。
配線材料の節約にはなりますが 困ったことに スイッチに無理な力が加わるとパターン切れを起こしやすい欠点があるのです。

構造的にはそんなに無理な力が加わるとは思えないのですが あるいはラジオを落下させたのかもしれません。



これをジャンパー線で修理して メーターも動作するようになりました。
下記画像を参照ください。




バンド切り替えスイッチの接触不良は 100回くらい動かすと ほぼ解消したのですが、
それでも 完全ではありません。
時にMWが不完全なのが致命的です。

最終的にバンド切り替えスイッチを分解して 汚れを取り去ることにしました。
この機種のバンド切り替えスイッチはシャーシ部分をばらばらにして 取り外す必要があります。
ダブルギヤを外すなど 大作業です。
あまりやりたい作業では有りませんが やむを得ません。


下記画像は JOAKを受信しているところです。



スイッチは ダイアルの下 「SW部分」と書いてある下側の位置にあります。



上記画像を 横から撮影したところです。

スイッチは矢印で示した下側の白枠の部分に組み込まれています。 スイッチの取り外しは非常に大変です、ダブルギヤなど部品を全部はずしてから 
基板を裸の状態にしてからはずしますので 作業が大変です。


この画像を見ると位置関係が良くわかります。



裸にしたときの位置関係は下記画像を参照ください。

5600の修理その1と同じ画像です。




スイッチを取り外して  スイッチを分解を分解します、分解した画像が下記です。
画像にあるように 接触面の汚れが酷いです、これを除きます。
やはり 汚れがこびりついて 除去するのに大変でした。
普通はここまで酷くないのですが よほど環境の悪い場所に置かれたのでしょうか?。
綿棒 ティッシュ 楊枝 などを総動員して清掃しました。
なお スライダーは汚れが見やすいよう 少しずらしてあります。
光っている端子と汚れて黒くなっている端子の差が激しいです。





汚れ除去後 再度組み立てます。

なお この作業は 気軽に真似しない方が良いでしょう、正常に組み立てるのに意外と苦労します。
最後の手段とお考えください。

スイッチ組み立て後 テスターでスイッチが正常に切り替わるか すべての場合に応じて確認してください。
悪くすると スライダー部分がずれていることがあります。
正常であることを確認した後 基板に組み込みます。
これを省略すると 組み込み後トラブル発生で また取り外すという悲劇に見舞われます。



修理後の背面



なお スイッチをはずした際 ジャンパー線で接続した部分はやはり 剥げ落ちました。
直接 アースまでジャンパー線を延ばして 置きました、この方が安全です。

 当初の修理後
(スイッチのフレーム部分と接続)
 最終的な修理
(ジャンパー線をアースまで直結)



正面の画像 JOAKを受信




ヌルインジケータの表示

   ランプの点滅状態
周波数が高め 
 同調
 周波数が低い



5600の修理 その1



納入したばかりの5600が帰ってきました。
@FMはかすかに電波らしきものが受信できる。
AMW SWは完全に受信できない。
スカイセンサーシリーズに良くあるTR不良と見当をつけました。
この様な現象の時に壊れていると予想できる部分は
AMの発振とミクサー部分です。
別のラジオを近づけると受信周波数+455KHzの位置でキャリアーが確認出来ます。
すると発振部分は正常のようです。
ミクサー部分が怪しいと言う事で、このTRを交換しました下の写真のDの部分。
これで正常動作するようになりました。
外して見るとTRのCとEの間にリークがあります、抵抗でシャントしたような感じです。
しかし多少増幅はするようです。
これらのTRはFMと共通に使われているのですが、FMがかすかに受信できたのは
FMは他段の増幅度が高い、それに多少信号のリークがあったせいでしょう。

これで修理完了であれば楽なのですが、同じ型名のTRが5600には他に3本使われています。
この問題のTRはスカイセンサーシリーズに良く使われています。
「がりがり」や無音になるなど突然壊れるので泣かされます。
過去の経験で、1本壊れると他も壊れやすいので、念のため全数交換することにしました。
また返送してすぐ壊れたのでは困ってしまいます。
尤も他の型番のを含めて全部交換すればよいのですが、残念ながらそこまでは出来ませんでした。

スカイセンサー シリーズは比較的同種の故障が多いです。

ミクサー用のTRの交換は比較的簡単に出来ます。
これはケースを開けた状態で可能です。
しかし他の3本は筐体部分のフイルムダイアルの下側に組み込まれていますので、
筐体(シャーシ)を一度取り外す必要があります。
ダブルギヤ−を外し、バーアンテナを外すなど、大掛かりな分解が必要です。



裸にした基板部分。
今回交換した同じ型番のTRはA〜Dまでの4本です。
このように裸にすれば簡単に交換できます。
でも元に戻すのは簡単ではありません。

裸の状態で動作試験をして、OK。



何とか組み込もうとしましたが、記憶だけでは組み立てられませんでした。

結局手持ちのもう1台の5600のケースをあけ、
組み立て方を調べて、修理品を再組み立てしました。

写真左 参考用
写真右 今回修理中のもの。


組み立て後再度目盛り合わせ、トラッキング調整をして、修理完了です。



ご注意
この5600の基板を裸に分解すると、元に戻すのは大変です。
バックラッシュ防止用のダブルギアまで組み立てる必要があります。
2台持っている人以外分解は止めた方が無難です。


悩ましい修理例 その2

近くの電気屋でお願いしたのですが、 SONYのサービスセンターから修理部品が無いのことで断られました。

症状は以下の状態です。
1:メーターの不動
2:NULLインジケーターが点灯したままである
3:メモリーライトが効かない(点灯したままなので)
4:FM、SW、MWとも感度がいまいち悪い
5:その他必要に応じて調整願います。

省略


その3(2013年12月10日)

MW SWが受信できない、落下によるアンテナ折れ Sメーター不動の重症 ICF-5600です。
受信できない件はTRを交換し 接触不良を解消すると、受信できるようになりましたが、Sメーターが全く動きません。
メーターを外して測定してみると大丈夫です。
駆動用のトランジスターも確認したが 大丈夫です。
最終的に メーター回路のパターン割れが見つかりました、矢印の部分。
この部分を修復するとSメーターが生き返りました。
このような現象は珍しいです。



アチコチ と触っているうちに電源スイッチがポロリと落ちました。
落下の後遺症かも知れません。
手持ちの5600から移植しましたが レバーは橙色では無くて黒色です、機能に問題はありません。



更に落下によるアンテナの折れの修理です。
3つにばらばらになっつています。



手持ちの5600のアンテナから該当部分を抜き出して 交換 接続しました。
下記画像は修理後のアンテナです。



全部修理完了し 調整も済ませ ケースに入れようとしたところ、背面のケース蓋のねじ止め穴が破損しています。
これも落下時 破損したようです。
エポキシ接着剤で固定しました。



修理後はこのようになります。



とりあえず テープで仮止め、ネジは軽く締めてあります。
接着剤が固まった時点で ネジを締めて テープを外してください。
場所は白い矢印の部分。



アンテナを伸ばしたところ。

 



この修理体験記は下手な文章で故障状況をまとめたものです。
このページは修理方法の教科書ではありません、読んだだけで修理できると誤解しないでください。
修理した台数の積み重ねがノウハウとなります、このページを見て修理出来ないと言われても心外です。
当方はメーカーのサービス機関でもありません、ラジオ大好きおじさんにすぎません。
さらに最後の仕上げは心を込めて調整しています、この部分を省略するプロも多いです、ご用心。
サービスマニュアルを熟読して挑戦してください。
 


BCLラジオの修理をご希望の方はラジオ修理工房をご覧ください、メールには住所 氏名をお忘れなく。
2003年7月13日
2003年7月14日

2006年6月26日

2006年9月16日
2006年9月20日
2011年11月25日;3,532 内容省略
2013年12月10日:5,225
2016年11月10日:8,007
2016年12月29日:8,529
2017年10月2日:9,604





ラジオ工房BCL1へ

radiokobo-all