この修理体験記は下手な文章で故障状況をまとめたものです。 このページは修理方法の教科書ではありません、読んだだけで修理できると誤解しないでください。 修理した台数の積み重ねがノウハウとなります、このページを見て修理出来ないと言われても心外です。 当方はメーカーのサービス機関でもありません、ラジオ大好きおじさんにすぎません。 さらに最後の仕上げは心を込めて調整しています、この部分を省略するプロも多いです、ご用心。 サービスマニュアルを熟読して挑戦してください。 |
簡単に受信出来なくなったと言う5500Aの修理を始めました。
単純な故障と 最初は考えていたのですが、現物を受け取るとびっくり。
電池の+電極が錆て殆ど無いのです、マイナス側も 錆びています。
基板面もなんとなく弱くなり パターンの銅箔が簡単に?がれるのです。
良く壊れる定番のTR 4個の交換にも色々苦労しました。
TRの不良ではだけでは無く 抵抗値の変化も激しいものが有りましたが、
動作上 問題ない部分はそのままとしてあります。
なお今回の 最大の難問は電池BOXの修復でした。
ケースの 横幅が単2電池3本分と 少しの余裕しか有りません。
この横幅に納めるために 電池BOXの構造が特殊な構造になっています。
簡単にバネで押さえる構造に変更できないのです。
電池のマイナス側は金具が錆びていますので 小さな穴を開け 3mmφの+ネジの頭を使うことにします。
後ろ側は半田付けで固定しました。
+側は 大きな電池金具の板を短冊形に切り取り 基板に半田で接着する事で実現しました。
。
完成した 電池BOXの様子
更に もう一つ 常時 ランプが微かに点灯しているのです。
暗いので注意しないと判りません。
ラジオ全体の電流を測定してみると 次の画像のようになります。
結果的に ラジオとして 小さな音量の場合50mAです。
全点灯で95mA 微点灯で80mAと判りました。
60%も無駄な電力を消耗していたことになります。
この種のラジオは 数えきれないほど修理しましたが このような現象は初めてです。
故障原因を調べてみると 駆動TR(Q14)の不良でした。
駆動TRを 2SC1815に交換して 解決しました。
ランプの状態 | 電流計(ラジオ単体とPLの合計値) | |
修理前 | ||
PL ON | ||
修理後(滅灯) | 正常状態 表示電流はラジオ部分の動作電流(小さな音量) |
JOAK(594KHz)を受信中
現在はダミーが挿入されている。
珍しく5500Aの修理です。
@アンテナが折れてポップ アップしない
Aランプは切れている
BVRのがり。
オリジナルのアンテナはありません、別のものをつけるしかないと返事したら、
5500Aを完全にしたいので、別の5500も一緒に送り、このアンテナを5500Aにつけて欲しいと言うご希望です。
これはアンテナのネジさえ外せれば、比較的簡単なので(ケースを開ける必要もありません)、気軽に引き受けたのですが、
世の中そんなに甘くありません。
アンテナの本体部分のネジを苦労して外し(ここが一番厭らしいところ)、アンテナの本体を無事交換し終えました。
さてケースをあけて、ランプの交換や調整をしようとしたら、アンテナがスムーズに収納できません。
無理やり押さえ込むと入るのですが、入り口で引っかかります。
おかしいと思って根元(基の部分)と取付金具を外してみました。
写真上が今回の修理品の取付金具。
下が手持ちの金具。
右の窓の部分を注目ください。
正常なものは窓に銅のスリーブが入っています。
今回の修理品はこれがありません。
普通これは紛失するはずのないものです。
どうも以前誰かが中をばらした可能性があります。
右側のねじ山はシャーシに固定する為のもの、
ここにナットがつく。
写真上
アンテナの本体部分は右端に挿入され、ネジで固定される。
銅のスリーブ部分に コの字型のバネがつき、
これでアンテナ本体に適度のブレーキをかける仕掛け。
銅のスリーブがないと本体と根元のくびれ部分がこのバネを通過する時、
引っかかるので、アンテナが収納できなくなる。
手持ちの金具と交換しました。
でもこの交換は手間がかかります、
基板をシャーシ部分(構造体)から外さないとこの金具は本体から取り出せません。
あまり真似をしないほうが無難です、元に戻せなくなっても知りません。
なおアンテナは本体部分と根元の部分がネジ止めされています、稀に簡単に外れるのですが、
大部分は硬くて、ねじ山を壊すことが多いです。
ネジさえ外せれば、簡単に本体部分は交換できます。
充分注意して、ネジを外すことを考えてください。
実は予備品はねじ山を壊して、外せなくて大変でした。
結局ボール盤でネジに穴を開けて、今回使わない部分を壊すことで やっと必要な金具だけ取り出しました。
このネジを緩めれば、アンテナの本体部分は交換できる。
ただしこれを失敗し、ねじ山をつぶすと困ったことになります。
ある程度危険覚悟でやってください。
パターン切れ
パターンに傷があることは見れば判るのですが、見かけ上大丈夫そうでした、
しかしテスターで測定すると導通がない部分があります。
この程度の傷はよくあることなのですが、傷の深さに個体差があるのですね。
汚れた部分を磨いてみると
FM受信不良の5500Aです。
非常に珍しい故障でした、初めての経験です。
通電すると一瞬雑音が出ることがあるのですが、すぐ無音になります。
Sメーターの動きがFMのみ違うのです、電池切れを表示する感じの位置にメーターの指針があります。
いろいろ調べてゆくとFM回路の電圧が低いのです、FMにすると消費電流が急激に増加します。
まず疑ったのは初段のFETです。
この回路の配線をはずすと電圧が回復します。
まずFETを外すのですが、実装位置が悪く 外すしたものが取り出せないのです。
位置関係は下記画像を参照ください。
ダイアアル駆動ギヤを外して 隙間をつくり取り出しました。
ただこの作業は慎重にやったほうが良いです、組み立てるのにえらい苦労をしました。
ギヤを外したところ
ギヤを組み込んでゆく
最終的に固定する、ギヤがぴったり噛み合っていることを確認すること。
これでFETを組み込んでOKと思ったのですが、残念ながら違いました。
いろいろ調べてゆくとFETのドレイン側の同調コイルのトリマの不良でした。
いままでトリマのショートは原理的に考えられますが、このような現象は初めてです。
再度 トリマを取り除いて、外側に組み込み修理完了です。
なお取り外したトリマを調べてみましたが、無理やり取り外したためか ショートは確認できませんでした。
FETの半田付けを外した時 1時的に電圧が回復したのは、同じパターンにトリマがすぐ隣に接続されえいて、
半田こての熱で1時的に回復したのかも知れません。
まさかトリマがショートしていると考えも及ばなかったのが反省事項です。
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