ナショナル 5球スーパーキット

national KITの銘板が左側にあるので、当時キットとして販売されていたものを組み立てたものらしい。 島田(http://www.kyo.co.jp/~mikosa/)さんの情報によれば 5SーK2型だそうです、有難うございます。
三好さんや嶋村さんからも情報を頂きました、感謝。



中に ネズミが住んでいたらしく 紙くずが散乱していた。



短波が受信できるよう改造しようとしたようだ。
配線が引き回されていて 正常に動作するとは思えない。
改造はよくあることだが 配線の引き回しがこれだけ凄いのは初めて見た。
原理的に 正しく配線をしても 配線にはインダクタンスもあるし 相互に容量もあるので これではとても正常には動作しないのです。
ダイアルのバックパネルも取り外されている。
糸が切れたので かけ直そうと外したままになっているようだ。



ダイアルの糸も切れていて 更に背景の板も取り外されている。
真空管の消耗具合からみて この改造は組立から数年後に改造しようとして途中で放置した可能性が高いです。
ダイアル糸かけは構造は単純だが かけてみると意外と大変だった、構造不良に近い感じ。


修理着手前のシャーシ内

半田付けは上手とは言えません 素人が組み立てたようです。
ブロックのケミコンは勿論 ペーパーコンデンサーはすべて交換する必要があります。
マジックアイも普通のビニール線を使っているので あるいはキットとは別物かも。
短波を増設した配線も切り離す必要があります。



修理後のシャーシ内

これで一応音が出るようになりました、ただもう少し手を入れる必要があります。
パディングコンデンサーが使われているが 回路図から見ると固定コンデンサーなので、OSCとこの部分はオリジナルではな無さそうです。




電波技術 昭和29年3月号

合本になっているので スキャナーで全部がとれません 一部欠けた部分がありますが ご容赦ください。
参考回路が有りましたので 掲載しておきます。



出力トランスが断線しています。
東栄のトランスを組み込むことにしましたが、取り付け穴の位置が微妙に違います。
X印の部分に穴を開ける必要があります。



取り付け台が微妙に傾斜しているし ドリルで開けるとコーン紙を破る恐れがあります。
重い工具を取り出してきて 穴あけをしました、年寄りには難作業です。



スピーカーに出力トランスを組み込んだところ。



コーン紙は無事です。



通電し 調整します。
IFTは437KHzくらいに合っていました、455KHzに調整して終了です。



なおダイアルの糸も断線していたので かけ替えておきました。
構造は簡単なのですが、構造そのものが悪く 結構時間がかかりました。
プーリーの設計不良に近い感じです。
なお ダイアルの背景板は無くなっててありません。
ランプの位置も どれが正しいのかよく判りませんでした。

全体的に構造がよくありません、アンテナコイルとバリコンの位置が離れているなど 信じられない感じです。
なおブロックケミコンが組み込まれたままとなっていますが、実際は使用していません。




キャビネットに入れたところです。
なかなか高感度で受信できます。



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2015年4月10日
2015年4月16日:188




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(中津)




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