長年愛用していたラジオだそうで、最近は音が出ない状態との事。
このラジオは昭和35年頃、日本のトランジスターラジオの生産が軌道に乗った時代の製品です。
非常に良く作られています。
ケースに割れがありますが、皮ケースがついている為か外観は比較的良いようです。
通電してみると、確かに音が出ません、微かに音が出ているような感じはします。
蚊の鳴く声より小さいか?、早速分解してみることにしました。
分解は比較的簡単でした、よく考えて作られていると言えるでしょう。
この点はさすが松下と言う所です。
2SA103 2SA103 2SA103 OA70×2 2SB171 2SB171 2SA172×2
の構成ですが、調べていくとケミコンの容量抜けが原因のようです。
狭い場所にぎっしり部品が隙間なく詰め込んであるので、抜き取るのが大変です。
あちこち火傷をしてしまいました。
不用意に外すと他の部品やパターンを傷つけるので慎重に作業する必要があります。
うまく外せさえすれば 組み込むのは比較的簡単です。
隙間なく部品が組み込まれていますので、取り外しは大変です。
ダイアルや糸かけも全て外しました、組み込む時に困らないように写真を撮っておきます。
年を取ると細かな部分が良く見えません、段々修理できない範囲が広がりそうです。
ケミコンを取り外して、新しい物に交換し、元通りダイアル機構を組み込みました。
指針の位置が多少ずれるので、再調整が必要です。
ケースに組み込んだところ。
快適に動作します。
ダイアルツマミが動かせないと言うT−45の修理です。
非常に綺麗な状態です。
ダイアルが 動かない理由はバリコンの固着でした、長年放置しておくと発生するのかも知れません。
分解したところです。
ダイアル糸が外れているのではと心配しましたが、結果は違いました。
バリコンの固着を修理して、受信してみると、弱弱しいです。
部品も劣化しています。
全数交換は大変なので、2個のみ交換して修理完了です。
IFTの調整はできたのですが、目盛りあわせがうまくできません。
発振コイルのコアが廻せないのです。
無理に廻すと壊す恐れがあるので、困ります。
MWは指針の位置をずらせて周波数の低いほうは調整しました。
トリマは調整できるのでMWはばっちり合います。
SWの周波数の低いほうは多少誤差がありますので、ご承知ください。
2008年1月27日
2010年4月5日:1,467 2台目の修理を追加。
radiokobo-all