UA-625の修理その2(2023年7月27日)
上記は修理後の画像です。
ラジオを聞いていたら 突然 電源が落ちたそうです。
到着して確認してみたら 1Aのヒューズが断線しています。
2Aのヒューズを入れて 通電すると 電源はいりますが 様子が変です。
危険なので 下記テストをしました。
この状態ですと 最大でも0.6(0.54)A以上の電流は流れません
少し時間をかけてテストできます。
今回の故障は 同じ型番で 20年以上前に修理したものと同じ原因でした。
(この追加報告を書いていて初めて気が付きました)
整流管6X4の6ピント 7ピン間のリークでした。
6X4のピン配置から考えると ウエハー型のソケットを使うのは 湿気の多い日本では 無理があると言う事かもしれません。
ソケットを交換した状態
出来れば 6AR5も交換すれば理想的なのだが・・・。
(簡単に交換できない構造の為 諦めた。)
400V 22?μF 2個と 250V100に交換
背面の画像です ケミコンの端子は安全の為 ブラックテープで絶縁しておきました。
シャーシ内の様子
ラジオの修理を自分でやる方は真空管ラジオ・アンプ作りに挑戦!、や真空管式スーパーラジオ徹底ガイドも参考にしてください。 不明な点はラジオ工房掲示板に実名で投稿ください、修理ノウハウの提供は無償です。 初歩的なことでも結構です、ただし他人が解るように書いてください(神様や占い師にするような経緯を省略した質問は返事不能です)。 当方に依頼される方はラジオ修理工房をご覧ください、こちらは有償です。 |
昔 自分で修理したと言うラジオがやってきました。
開けて吃驚 見事な半田付けで、それも非常に丁寧に配線し直されています。
半世紀の間に随分修理しましたが、素人修理でここまで綺麗なのは非常に珍しいです。
シャーシ内部の様子。
配線が全部やり直されています。
配線は綺麗だし、半田付けも上手です。
2バンド HiFiスーパーの配線を
全部やり直すとは、凄い根気強さです。
AMP組み立てなど相当の経験者では?。
太い芯線のビニール線できっちり配線されているので、逆にこれが災いして配線を確認するのに時間がかかりました。
結局配線ミスが10箇所くらい見つかりました。
このラジオはワイヤーリモコンつきの物で、普通の5球スーパーより相当複雑ですから、仕方がないでしょう。
整流管6X4のソケット。
煙が出たそうですが、原因はここでした。
意外な部分が炭化しています。
相当注意しないとわかりません(6と7ピンの間が放電し 炭化)。
実はこの整流管の部分にも配線ミスがありました。
これが炭化の原因なのかあるいはソケットの劣化が原因なのかは不明です。
この部分は高圧が加わりますので、未使用端子を中継に使うのは望ましくありません。
ただメーカー製では良く使われているようです。
今回はモールド型のソケットに交換しましたので、遊び端子の利用は大丈夫でしょう。
でも出来れば遊び端子の利用は慎重にしたほうが無難です。
更に6X4も不良でした。
あるいは6X4の真空度不足→放電→炭化→発煙が故障の原因かも?。
6X4のピン配置。
使われていないピンを中継端子として利用。
真空管の仕様は図をクリックしてください。
IFT付近の誤配線、さらに6BE6のP回路の配線は接続はOKだが、
これでは発振します(IFTを3/4廻りしています)。
6AV6のピン配置
このタイプのナショナルのIFTは慎重に調整してください。
ネジを回そうとすると、ボビンが一緒に回ります。
回るとコイルが断線します、断線すると悲劇です。
残念ですが、調整しない方が無難と思います。
6X4のソケットは交換しました。
写真は調整中のラジオ。
ダイアルの糸も持ち主がかけ替えていましたが、
すべるので本物のダイアル糸に交換しました。
トランスの上にヒューズがついているトランスはダンボールで
カバーしてから修理すると何かと好都合です。
修理完了したナショナルUA-625です。
ツマミは2個のみ。
マジックアイはスイッチでON OFFできる仕掛け。
何かと親切。
2003年12月2日
2006年6月24日移転
2013年9月26日:4,334
2023年7月28日:8,391
修理のノウハウは「真空管ラジオ・アンプ作りに挑戦!」をご覧ください。
ラジオ工房修理メモ
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