東芝の有名な地球儀型ラジオが修理にやってきました。
このラジオは真空管からトランジスターに移行する時代のもので、同じ形でトランジスターを使ったものがあります。
最初は分解の方法すら不明でした。
何とか開けてみると、中は凄い埃です。
スピーカーは球形のケースに下側向きに取り付けられています。
ダイアルの糸は残念ながら切れています。
糸も一部残っていますが、スプリングも1個しか残っていません。
これは手持ちのスプリングを工作して利用する事にしました。
VRにはガリがありました。
普通なら当然交換します、しかしこの機種はVRとバリコンの駆動軸が共通になっています。
どうも特製のVRが使われているので、交換できません。
何とか騙し騙し使っていただくしかないようです。
左に外した駆動輪がVRの軸にはまる仕掛け。
動作させてみるとハムが心持多いようです。
整流管のカソードでリップルを測定してみると6Vあります。
どうもケミコンの容量が減少しているようです。
手持ちの200V 22μFを付加しました。
これでリップルは2V強までに減少、ハムも気にならない程度になりました。
余談
スピーカーが小さいのでこの程度でOKですが、
木箱の5球スーパーだともう少し工夫する必要があります。
スピーカーを裸で試験する時とキャビネットに入れた時で、
ハムの出方が違いますので要注意です。
これは同じスピーカでも箱に入れると低音が出やすいためです。
動作試験中のラジオ。
ダイアルの糸はオリジナルの形が不明なので、無理が無い形で新しく張ってみました。
スプリングも1個しか残っていなかったので、手持ちのものを加工して使用しました。
なかなか快適に動作します。
少し残念なのはOSCコイルの調整が出来無いので、目盛りが完全には合せられませんでした。
元箱と修復できた地球儀型ラジオ。
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2004年1月26日
2006年6月24日移転
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