ヤフーオークションの出品者の説明は(原文のまま) |
凄く大きいです。
120サイズと聞いていたのですが、とてもそんなものではありません。
置き場所が無いので、無理しても 早く修理することになります。
細かに部品を探して修理する事は出来ません。
大きな物はご遠慮ください、当方もはなはだ迷惑ですし、依頼者にも迷惑でしょう。
これはホームページにも書いてある通りです。
http://www31.ocn.ne.jp/~radiokobo/sale/repair.html
6BE6 6DC8 6AV6 6BQ5 6X4 6DA5(マジックアイ)の構成です。
オークションでの説明と実際の差異をご覧ください。
「運良く電波を拾って正常に音が出ました」の説明がいかに怪しいか。
表面の化粧板も剥げかかっている。
一番酷い部分は接着しましたが、残り部分は自分で接着してください。
表面の汚れは簡単に清掃しました。
ばらばらに分解して清掃すれば良いのでしょうが、短期間の修理ですから そこまでやる事は出来ません。
後ろ側から見た725です。
配線がぼろぼろになっています。
ACコードも途中で接続してあります。
チューニングのダイアル糸も切れています。
汚れが酷いですね。
配線はぼろぼろです、危険極まりない状態。
バリコンは固定ゴムが溶けて宙に浮いた状態です。
この部分はホットボンドで固定した。
ケミコンの漏洩電流の測定をした。
どうも不審な動きをするので、ケミコンを順次外して行くも解決せず。
そうこうするうちに煙がバンド切替スイッチ(写真右側)から出てきた。
あわててケミコンテストの通電を中止した。
バンド切替スイッチのこの部分から漏電して、煙が出てきた。
ロータリースイッチの絶縁が悪くなっているもので、交換は実質的に不可能です。
(費用を無制限にかければ可能かも知れませんが)
このスイッチはPU MWのHI Fi MW SWの切替スイッチです。
広帯域にするにはIFTのサブ巻線を切替て付加する仕掛けです。
この部分がロータリースイッチにB電圧が加わる理由です。
このため この回路を省略する事にしました。
その他PU回路に切替た時にラジオを混入させないためにIFTにB電圧を加えない仕組みも使えません。
更にPUに切替え時マジックアイのB電圧を切る仕掛けも使えません。
変更箇所はこのページ下部の回路図を参照ください。
同じ種類のロータリースイッチが見つかればオリジナルの状態に簡単に戻せます(作業量はありますが)。
漏電は5KΩの抵抗経由なので、抵抗自体が焦げている(色が変わっている)。
オークションの出品者が、「これで正常に音が出た」との事だが、とても信じられない。
相当 長期間 こんがり焼けるだけの電流が流れたようだ。
この部分の部品(ロータリースイッチ)は入手困難なので、漏電した部分を切り離す方法で修理する事にします。
したがって 新品時の機能のうち1部分は制限(上記)が出ます。
なお焼けた抵抗(5KΩ)は交換してあります。
ランプの切替えの為の配線もぼろぼろ。
配線を取り替える。
修理済みのシャーシ内部です。
ダイアルの糸かけも終わり、この後調整をした。
キャビネットに組み込まれた6個のランプ配線もぼろぼろです。
配線のやり換えは余分な時間がかかります。
ナショナルのこの当時のラジオの修理では何時も泣かされます。
同じようなナショナルのラジオを落札する方は充分ご注意ください。
受信はMWとSWとも正常に受信できます。
アンテナリードが数十cmだったので、数m分 延長しました。
ラジオ本体の修理より、「配線のやり変えやダイアルの糸かけ」のほうに作業時間がかかってしまった。
アンテナは屋外に張って下さい。
この時代の真空管ラジオはトランジスターラジオより、雑音を受けやすいです。
これは当時の環境が現在より雑音の少ない時代だったためです。
マジックアイは6DA5です、比較的珍しいです。
6E5に比べ、閉じ方は少ないような感じです。
交換した部品です。
全部の部品を新品に交換できません。
危なそうな部品は交換しましたが、大部分の部品はオリジナルです。
部品の劣化、製造時の安全対策に関する考え方など、現在の基準を満たさない事が考えられます。
使わない時はコードをコンセントから抜いておいてください。
安全性の保証はいたしかねます。
ラジオの修理を自分でやる方は このホームページの他真空管ラジオ・アンプ作りに挑戦!、や真空管式スーパーラジオ徹底ガイドも参考にしてください。 不明な点はラジオ工房掲示板に実名で投稿ください、修理ノウハウの提供は無償です。 初歩的なことでも結構です、ただし他人が解るように書いてください(神様や占い師にするような経緯を省略した質問は返事不能です)。 当方に依頼される方はラジオ修理工房をご覧ください、こちらは有償です。 |
2009年12月22日
2009年12月24日
ラジオ工房修理メモ
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