ナナオラ 32号の修復


ナナオラ 32号の修復です。
元祖”並四”です、並みの球 3極管を使ったものです。
昭和10年頃の製品と思われます、普及タイプでしょう。
少し高級品に26B 12Aのものがあり、この方が断然数は多いです。
その後 5極管が安価になり、57 26B 26B 12B(12F)も並四と呼ばれるように変化しました。

さて
素人が修復を試みて 作業を中断した形跡があります。
銘板には1.5V 2.5A 、2.5V 1.5A 、5V 0.5Aと表示がかろうじて読めます。
ただし トランスはどうも2.5V 1.5V 5V(CT付) 5Vになっています。
オリジナルはソケットの表示から27A 26B 26B 12Bだったようです。
組み込まれた真空管は56 26B 26B 12Bです。
ところが 出力段の真空管は5V巻線のCTと0V端子が使われていて、2.5Vはヒラメントに加わる配線です。
悪いことに 5V端子は中点(CT)と間違えてバイアス端子として利用されています。
これでは猛烈なハムに悩ませれたでしょう。 
高い電圧で使われたためか1本の26Bはエミゲンを起こしていました。

検波管のところにも無意味におおきなチョークが組み込まれています。
また全て 抵抗結合に変更されています、しかし増幅率が低い3極管の場合、段間を1:3のトランスで結合しないと、
感度がいよいよ悪くなるのです。
ケミコンも駄目なので 全面的に作り直しにします。





この時代の代表的な並四の回路図(27A 26B 26B 12B)

この回路図を参考に修復します。
なお27Aの負荷は今回は抵抗にしました。



シャーシ上部に1:3の低周波トランスを組み込みました。
本当は2個組み込むべきですが、検波管の負荷部分は抵抗結合としました。



シャーシ 内部です。
電源スイッチも壊れていたので これも交換しました。
ツマミの関係で軸も延長パイプを利用し、オリジナルの先端を流用しました。






電源ケーブルは時代を感じさせる丸打ちケーブルを使いました。





2013年3月19日

 ラジオの修理を自分でやる方は このホームページの他真空管ラジオ・アンプ作りに挑戦!、や真空管式スーパーラジオ徹底ガイドも参考にしてください。
不明な点はラジオ工房掲示板に実名で投稿ください、修理ノウハウの提供は無償です。
初歩的なことでも結構です、ただし他人が解るように書いてください(神様や占い師にするような経緯を省略した質問は返事不能です)。

当方に依頼される方はラジオ修理工房をご覧ください、こちらは有償です。
 





ラジオ工房修理メモ

radiokobo-all