綺麗な放送局型123号受信機(戦時標準型)の修理依頼がありました。
123号としては程度が良いと思います。
まず費用の見積もりをしました。
ご希望の予算(5〜6K¥)を大幅に超えそうなので断念しました。
この時代のラジオは一度分解して、組みなおす作業があるので、
mT管ラジオの修理とは作業量も違います。
更に部品をそろえるのが苦労です。
なお
一般にラジオは骨董屋さんが通電することが多く、
残念ながら、B37が断線していました。
トランスレスラジオでコード類が完全なものは、
逆に真空管が断線している可能性があります。
要注意。
他の真空管はTV−10で確認したらOKでした。
最終的にはラジオを修理して、動作させて見ないと確実には判断できません。
@パイロットランプは金具ごとありません。
A当然ながら電源のケミコンは使えません。
B安定抵抗管B37が断線しています。
C高周波増幅管のシールドキャップがありません。
ただこれは新品の時から無い可能性があります。
検波用の真空管のトップ グリットの金具が外れています。
当時の半田は質が悪いので、こんなことが多くあります。
でも半田つけが悪いので、ガラスが割れなかったのでしょう。
不幸中の幸いかもれません。
注意深く修理すれば使えるでしょう。
湿気の多いところに保管されていたのか、
コイルはカビ状のもので覆われている。
半田つけから見て、素人が修理したらしい。
酷い部分は巻きつけただけの物もある。
この時代のラジオはVRが故障している可能性が高いです。
コイルは最悪1部巻きなおしを覚悟すれば使えると思います。
抵抗は半分くらいは使えるでしょう。
ペーパーコンデンサーとケミコンは100%近く不良。
松下無線製で昭和17年8月生産の銘板があります。
左上にマツダ真空管使用のシールがあります。
この当時は松下ではラジオ用の真空管は作っていません。
最近のパソコンで言う、インテル製のCPUを使った云々に近い表現でしょうか。
マツダの真空管を使ったラジオは高級品のイメージでした。
2001年9月28日
2005年8月16日移転
2006年6月23日リンク変更
2006年6月24日移転
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