不具合点は
①マジックアイが光らない
②PL断線
③MWの受信周波数がダイアル目盛りと合わない
④VRのガリ
⑤バンド切替SWの不具合
早速 内部を覗いてみると、変に触った形跡はありません。
でもパイロットランプの配線がぼろぼろです。
何故かナショナルのラジオのこの配線だけがだめになるのです。
製造上の欠陥があるのでしょう（写真参照）。
シャーシ内部は綺麗でした。
依頼主があるいは清掃したのかもしれません。
なおネズミかゴキブリにコンデンサーがかじられている。
傷の多いものは交換した。
絶縁も数箇所調べたが使えそう。
ナショナルのラジオに使われている、
緑と黄色のより線は必ずと言って良いほどぼろぼろになっている。
このまま不注意に通電すると高価で入手難の整流管が断線する可能性が高い。
PLの配線を交換し、PLも新しいものに交換。
ただ19A3用の豆球は入手できないので、6.3V 0.15Aのものをつけた、これは多少暗い。
次は電解コンデンサーの確認をする。
これはいつものケミコンテスターだ、これはラジオ修理メモを参照ください。
ケミコンは大丈夫。
さらに30A5のG1の電圧を測 +1V程度、結合コンデンサーも交換した。
なお真空管はTV-10で試験しマジックアイを除いてOK。
ここまで修理して ラジオに通電する。
MWは受信できるようだが、なんとなく感度が悪い。
シグナルゼネレーターで455KHｚを発振させ、IFTの調整を行う。
これは順調に終了。
目盛り合わせをしようとしたが、うまく調整不能。
ここで持ち主のMWの目盛りの大幅な狂いを思い出した。
発振コイルのコアを一杯入れても受信周波数が下がらない。
グリットディップメーターを持ち出したが、発振コイルでDipが確認できない。
これは不思議な現象です。
普通は受信周波数+４５５KHｚ付近でDipするはずです。
この現象は発振回路のQが極端に落ちていることを意味します。
Qメーターでパディングコンデンサーの容量を測ってみました。
ここでも測定不能です。
念のためテスターで測るとなんと導通があります。
コンデンサーが抵抗に化けています。
でもこれでは受信周波数が目盛りより高いところになる理由が説明できません。
（もう少し部品を調べてみようと思います）
４４５ｐFのパディングコンデンサー（セラミック）の代わりに
300ｐF+150ｐFのシルバード マイカ コンデンサーをつけました（写真参照）。
普通の温度補償でないセラミックコンデンサーは使えません、ご注意。
これで中波は普通に受信できるようになりました。
短波の発振コイルにはコアがついていません。
これも欠品かと心配したのですが、正常に発振します、やれやれです。
MW SWのトラッキング調整を終了。
これで完了と言うことで、キャビネットに入れました。
電気を入れると快調に動作します。
でもバンド切替SWにちょっと触ると受信できなくなります。
これでは実用になりません。
また分解です。
持ち主がバンド切替SWが変だとの言葉が頭をかすめました。
これは大変なことになりました。
バンド切替SWは代わりの部品の関係で交換がほぼ絶望的です。
裸で試験したときはほぼ合格と思ったのですが？？。
分解すると、そんなに酷くはありません。
バンド切替ＳＷも多少ガタがあるが、程度は普通です（実はこれでＯＫとしていたのですが）。
裸の状態では以外に実用になります。
丹念に調べるとバリコンとバンド切替（ロータリー）ＳＷの端子が接近しています。
わかってしまえば簡単ですが、見つけるまでは意外と悩みます。
バリコンの固定ゴムが古くなり、少し位置が移動したためでした。
端子とバリコンの間に絶縁テープを貼って、一件落着。
やれやれです。
マジッツク アイも新品に交換して修理完了。
