真空管ラジオの修理 ONKYO OS−63


到着時の写真です、つまみが目立ちますが、
元々は逆についていた(クリーム色の部分に同色のつまみ)可能性があります。


メーカー製ラジオとしてはやたらとPLが多いです。
ソケットも欠陥があるようで、球がすぐ抜けます。

ダイアルの糸は切れていませんでしたが、ぼろぼろで、少し力を加えると簡単に切れてしまいました。


バリコンの取り付けが緩んでぐらぐらしています。


シャーシの錆びと言うより、油汚れの感じです。
背面のACコンセント(外付けプレーヤー用電源)が破損しています。
バリコンの固定ゴムが駄目になっています。
この部分の修理をしていたらダイアル糸も切れてしまいました。
50年も経つと糸も脆くなっているようです。

この作業に半日かかってしまいました。


シャーシ内部の写真

何時ものごとくケミコンの試験をしましたが、漏洩電流が5mAくらいあり、不良になっている事がわかりました。
ペーパーコンデンサーの状態も酷いです。
外観が綺麗な割りに壊れ方が酷いです、ここまで不良が多いのは珍しいです。
コンデンサーなどの部品は取り外して、組みなおす程度の作業が必要でしょう。


ブロック型のケミコンも漏洩が多く使えません。
新品に交換しました。



今回交換した部品、このほか電源コードも交換しました。



コンデンサーは全て、抵抗も1部交換しました。
想像以上に交換部品が多かったです。



ダイアル部分の汚れが余りに酷いので、
分解して、洗剤で洗った。
綺麗になったが、分解組み立ては、ネジを二十数個外さなければならず、
予想以上に大変だった。

全部外さないと、ダイアル部分が外れない。


ランプが沢山使われているが、ソケットが不良になっていた、周りにテープを巻いて対応した。



調整中。


動作試験中。
なかなか快適です。


製造後50年近くを経過しています。
内部のトランス初め主要部品は古い電気部品です、通電しない時はコードをコンセントから抜くなど、火災予防に十分注意ください。








注)
@各部の電圧は受信時です(マジックアイが閉じる程度の信号)。
A6BD6のカソード電圧の変化について。
マジックアイが閉じる程度の信号時:0.75V  開いた時:2.9V
6BD6のG2の電圧は上記に連動して112V(同調時 マジックアイ閉じる程度の信号)〜102V(非同調時)になる。
なお ここでマジックアイが閉じるレベルはAVC信号が−5V程度で、比較的弱い信号です。

 ラジオの修理を自分でやる方は このホームページの他真空管ラジオ・アンプ作りに挑戦!、や真空管式スーパーラジオ徹底ガイドも参考にしてください。
不明な点はラジオ工房掲示板に実名で投稿ください、修理ノウハウの提供は無償です。
初歩的なことでも結構です、ただし他人が解るように書いてください(神様や占い師にするような経緯を省略した質問は返事不能です)。

当方に依頼される方はラジオ修理工房をご覧ください、こちらは有償です。
 

2007年5月21日




ラジオ工房修理メモ

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