真空管ラジオの修理 東芝 617A の修理

昭和29年に発売されたmT管6球スーパーの修理です。
このラジオの定価は14,800円です。
骨董市で購入したのですが、分解してみて吃驚、バリコンがありません。
音量調整用のVRも交換されていて、それも軸が短く、ツマミが固定できない状態でした。





シャーシ裏の写真です。
右側にミュー同調器が見えます。
沢山ラジオを見てきましたが、東芝のラジオでこのようなものがあるとは初めて知りました。


例によってケミコンテスターでケミコンのエージングと漏洩電流の確認。
それと同時に6AR5のG1の電圧測定です。
測定すると凄いリークです。


調整中のラジオ。



このラジオで不思議なことがあります。
それはミュー同調の回路です。
中央右寄りに2つのコア入りコイルが見えるのですが、
右側はOSCコイルです。
ところが左側のコイルも局発回路に接続されています。
常識的にはANT回路に接続され、ANTコイルの微調整に使われると思うのですが、
回路的には違います、どうも理解できません。
改造された形跡は無いように見えるのですが、明確ではありません。
トラッキングが取れないのではと思ってDIPメーターで測ってみたのですが、大丈夫なようです。

どなたか回路図をお持ちでしたら教えてください。


回路図が見つかりました


VRツマミの軸が短いです。
仕方なく軸を金具で延長しました。


完成したマツダ 617Aです。



マジックアイはまったく光りませんでした、新品に交換して、撮影。


2004年4月12日 1947
2004年4月18日 19:32:27
2004年12月3日 回路図へのリンクを追加。

2005年8月16日移転

2006年6月24日移転

修理のノウハウや資料については下記の書籍をご覧ください。




ラジオ工房修理メモ