真空管ラジオの修理 ゼネラル 5MAー270 mT管5球スーパー 



 ラジオの修理を自分でやる方は真空管ラジオ・アンプ作りに挑戦!、や真空管式スーパーラジオ徹底ガイドも参考にしてください。
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当方に依頼される方はラジオ修理工房をご覧ください、こちらは有償です。
 



外観検査をした結果、相当古そうなのと、ケミコンの端子が噴出物で汚れている、
念のため ACラインに60W電球を直列に接続して通電しました。
ランプがほのかに点灯しました、これは電流が多く流れていることを意味します。


ケミコンテスターで確認した結果、漏洩電流は1mA以下になったが、30A5のG1に高い電圧が出ます。
結合コンデンサーの絶縁不良です。
結合コンデンサーを交換、他のコンデンサーも交換する事にしました。
チューブラ型は結果的に1個を除いて全て交換しました。



整備後のシャーシ、コンデンサーや一部の抵抗も交換した。
電源回路のブロック型のケミコンを交換したが、同じものは入手できないので、
チューブラ型を使った。
この為、配置の場所が制約され、部品配置や配線を見直した。


電気的には使えそうだが、端子からの噴出物がすごいので、安全の為 新品と交換した。
ただブロック型のものは入手できないので、配置場所が狭いこの種のシャーシでは悩ましいです。
シャーシに固定用のネジ穴を開けるなど、苦労が多いです。
この作業は 取り外し、組み込みに3時間くらいかかりました。



このラジオは修理完了し、慣らし運転中にがさごそと雑音が出るようになって、再度分解修理した。
コイルの断線しかかりを疑ったが、犯人は12AV6だった。
とんだ2重手間になってしまった。


シャーシの部品面の前面にダイアル板がつくようになっている。

最終的に交換した部品。
12BA6はエミ減、音は出るがGMが破棄値の7分の1しかないので、交換した。
なお12AV6は真空管試験器では正常のGMだったが、使っているうちに「がさごそ」と雑音が出てくる珍しい故障だった。
ゼネラルのラジオについているものは(新)日本電気製の真空管。

抵抗は不良では無いが、ケミコンを配置する関係上 リード線が短くなったので交換した。




修理が終わって

真空管12BA6のエミ減から推定すると、このラジオは良く使われていたのではと想像します。
ST管時代の八欧電機のスーパーラジオは素晴らしい出来だったが、このmT管スーパーにもその面影が残っている。
東芝や松下のラジオに比べ、一段と真面目な設計になっている。
MW SWともにトラッキング調整が容易に出来るよう 配慮されているのは素晴らしい。
あまりにまじめに作られているので、儲からなかったかもしれない。

  



2007年12月26日




ラジオ工房修理メモ

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