ACアダプターの修理(ソニーAC-110)   

ラジオ工房のBCLラジオ動作試験に使っていたACアダプターが突然故障しました。
またかと思って、接続コードを調べてみました。
ACアダプターはコードの断線が多く、
しかも本体部分とプラグ部分の付け根が断線することがほとんどです。
一度断線して、1年くらい前にコード部分を交換したばかりです。
ところが今度はコード部分に異常ありません。
テスターで導通を調べてみると、トランスの中点が断線状態です。
しかし0.1mmφの巻線ならともかく、300mA流せる太さの巻線が断線する可能性は低いです。
青いビニールの絶縁物を切り取ってテスターで確認すると、半田付け不良でした。
メーカー製でもこんなことがまれにはあるのですね。
素人細工では良くある事ですが。
先日5球スーパーで
ネジの接触不良がありましたが、今度は芋半田と言われる現象です。
今回は簡単にわかりましたが、これがラジオの内部だったら簡単にはわかりません。
参考のため 提示します。



分解してみると幸いなことに最上層で半田付けされている。
このうち中央部分が半田不良。

上と下がダイオードに、
中央がビニール線(中点リード)。


再半田付けしたところ。
ついでに両端も念のため半田付けやり直し。

ケースに収めて修理完了。
どうせまたコードが断線する可能性もあるので
テープで固定してOKとした。

ケースの分解は簡単には出来ないように作られています。
接着された部分を切り裂いて分解する事になります。
これは自家用ですから、無茶な修理をしたもので、
皆さん自分でやる時は安全性に十分配慮してください

実験室(ラジオ工房)はメインSWで電源が落とせます。
常時通電にはなっていません。



ソニー4.5V ACアダプタ−の代りは??。

最近AC−110は入手が困難です。
比較的良く見かける同じソニーの4.5Vアダプターで代用できないか試してみました。


左 比較的新しいタイプAC−E455D(4.5V 500mA 外側-)。
右 旧来のACアダプター(4.5V 300mA 外側+)。
先端のプラグの形も違います。
なお写真の白いコードは交換した物でオリジナルでは有りません。
(このページの上に修理写真があります)



5500 5800 5900などに使われているプラグ。
秋月電子や千石電商で数十円で売られている(2.1Φタイプ)。
右端 2.5Φと言われるもの、これ用のプラグと間違えないように。
なおここで言う2.1Φは中心の芯の寸法らしく、外形部分は約5.5mmΦ。
この芯線が太いものはあまり見かけない、恐らく電流容量の大きいものと思う。



白色ストライプの方が+です。
+側の線をプラグの外側に接続します。
後で端子がショートしない様工夫をしてください。


これで準備OKと言うことで試験しました。

                            無負荷    5900(音量小 約50mA)
AC−110(オリジナル 4.5V 300mA)     5.5V     4.5V強
AC−E455D(4.5V 500mA)          6.5V      6V弱

どうも同じ4.5Vでも電流の多いE455Dはいささか電圧が高いようです。
個体差が有るのかも知れませんが、多少不安です。
もう少し電圧が低いと思ったのですが、予想外でした、残念。

同じメーカーだが別機種対応のアダプターの流用

ソニーのAC−120 と松下のRD−9489Dのアダプターがスカイセンサー5900とクーガ7(RF−877)に使えるか相談がありました。
クーガ7(RF−877)は6Vですから、9Vのアダプターは問題外です。
電圧が高すぎてラジオが壊れます、使わないでください。
ソニー製の4.5Vの物を測定してみました。
5900に接続して、音量小で5.5V、大きな音の時5.2Vです。
電圧が20%高いので、すぐ故障するとは言いませんが、何と無く気持ち悪いので使わない方が無難でしょう。
どうもこれはICF−2001など消費電流の多い機種用らしいです。


社外品のアダプターを使うときは十分注意してください、危険な例は「続オークションによせて」をご覧ください。

実際に壊れた例はこちらをご覧ください。

参考
ソニー 6V用ACアダプター AC−9

AC−110はスカイセンサー5500 5900 イレブンシリーズ(ICF−110など)4.5V機種に使われます。

一方スカイセンサー5600や5800は電源が6Vです。
適合するACアダプターはAC−9です。

アダプターには定電圧回路は組み込まれていません。
消費電流が少ないと表示値より電圧が上記のごとく相当高くなります。
電流定格の大きなアダプターで代用する時は実際の供給電圧に注意しててください。


YAZAWA ACM-300R

電圧可変式のダプターです。
スカイセンサー5800用に購入したそうですが、極性を無視したらしく、正常に動作しないということで送られてきました。



この機種はいろいろな機種に使えるような万能アダプターになっています。
プラグの先端が外れますので 差し替えて使ってください。



但し 大部分のBCLラジオはプラグの外側がプラス仕様です。
自分の知る限り 東芝の1700が逆の外側がマイナスで 例外的です。

下図のように  NEGとTIPを合わせるように組み合わせるとプラグの外側がプラスになります。
 


裏側の説明図にも このことが説明されています(白い矢印で示す)。





純正品以外を使う時の安全性確認方法


最近純正品の入手は困難です、社外品や同じメーカーでも純正品以外を使用することが多いと思います。
例えばソニーのAC−120だと2割も高い電圧がでます。
表示電圧が同じでも、思わぬ高い電圧が出ます、表示電圧に騙されてはいけません
これは使えるかとの問い合わせをいただく事が多いのですが、現物を送っていただかなければ確認もできません。
自分でやれる簡単な試験方法を提案します。

次のような確認をしてください。
殆どのBCLラジオのSメーターは電池の残量表示も兼ねています、これを利用して確認するものです。
@新品の電池をいれる。
A同調を放送局の無い場所にあわせる、この時のメーターの振れに印をつける。
Bこの位置がラジオに加えて安全な電圧と想定する(恐らく5900の場合5V弱でしょう)。
C同じ同調位置で、ACアダプターに切り替えてみる。
Dこの時のSメーターの指針の位置が同じか、電圧の低い方であれば、このアダプターは合格。
高い方(5900の場合左側に振れた場合)は危険。

家電メーカーの設計経験者ではありませんので、どこまでが安全か正直不明です。
でも新品の電池を入れた時に壊れるような設計は常識的にしないでしょうから、この様に考えてみました。
もう少し安全側に設計されていると思います。

なお電灯線の電圧も多少変動しますので、安全を見てご利用ください。
経験者のご意見をお願いします。
なおこれは5900に限りません、5800でも、クーガシリーズでもアダプターを使う物には共通に応用できます。

現在購入可能なアダプター


現在購入可能なアダプター(写真右)です。
5900に使った場合、音量少で5.5Vに上昇します、
これですぐ壊れることは無いと思いますが、なんとなく気持ち悪いです。



−1.4V減圧アダプター(2020年1月7日)


4.5V 500mAのソニーアダプターです。
表示上は使えそうですが、無負荷で6.4Vくらいありますので使用しないほうが安全でしょう。
シリコンダイオード2本を直列に接続し、1.4V 電圧を下げるアダプターを作ってみました。
出力側のコンデンサーは当初100μFでしたが、負荷電圧が微動するので、
容量の大きいものを追加しました。






4.5V ACアダプター代用品の作り方

スカイセンサー5900などソニーで多用されている4.5VのACアダプターが入手難で多くの方が困っていると思います。
代用品の試作をしてみました、工作に興味にある方、挑戦してみてください。
ただし全て自己責任でお願いします、安全性を保証するわけではありません、念のため。

6〜9V程度のジャンクACアダプターを探してきます。
今回実験したのはハンドクリーナー用充電器 DC6V 700mAのものです。
充電器ですから、実測9Vの電圧がありました、整流しただけ(ケミコンなし)のようです。
コードの途中にこの「アダプター」を挿入します。
使うレギュレーターICはLM317です、これは秋月電子で4個100円(資料つき)で購入できます、他に抵抗2本が最低必要です。
なお充電器なのでリップルが多く、ケミコン1000μFのケミコンと0.01μFのセラミックコンデンサーを付加しました。
出力側に0.1μFのセラミックコンデンサーを付加、さらに入出力間に保護ダイオードを入れてあります。
各自LM317の説明書を読んで工夫してください。





電圧変換アダプター(4.5V安定化電源)基板


写真には放熱器をつけてありませんが、大きな音量で聞くと、
ICが熱を持つのがわかります、小さくても放熱器をつけたほうが無難です。

安全のため保護用のダイオードが出力側から入力側に入れてあります。

出力電圧を決める抵抗は390Ωと1KΩを使う予定でしたが、
手持ちの関係で500Ωと1,200Ωになってしまいました。

なお6Vの安定化電圧を得るには、390Ωと1.5KΩをご利用ください。


アダプターは今回6V表示のものを使いましたが、
これは充電用で表示より高い電圧(軽負荷時:実測9V)が出ます。
LM317自身は入出力差3Vが必要です、
4.5V出力希望時は7.5V以上、6V出力の時は9V以上の電圧のものを選んでください。



上の写真と回路図では制作上の都合で入出力の方向が逆になっています。
(写真の右側が入力、左側が出力)

改造前のアダプターにケミコンがついていないタイプの為、
電圧変換アダプターの入力側に1000μFが入れてあります。

秋月で317を購入すると、説明書が同封されています、よく読んでご利用ください。


電圧切替式 ACアダプター


今回試験したアダプターは3V〜12V電圧切替式で1.2A容量のものです。
ACアダプタは大は小を兼ねません、電流容量の大きなものは軽負荷時、思わぬ電圧が出ることがあります。
普通ICF−5500などBCLラジオを小さい音で聞く場合 50mA程度です、したがって3V端子でも5V近くの電圧が出ていることになります。
無闇に大容量のアダプターは使わない方が無難です、ラジオが壊れます。

電圧切替 無負荷 軽負荷(18V0.1AのPL負荷)
3V 5.6V 4.9V(55mA)
4.5V 7.4V 6.7V(60mA)
6V 10V 8V(65mA)
7.5V 10.4V 9.5V(75mA)
9V 12V 11.2V(80mA)
12V 15.7V 14.6V(95mA)


ACアダプターの修理(2008年12月22日)

不良のACアダプターを修理しました。
端子の先端が断線していることが多いのですが、今回の物は、アダプター本体側が断線していました。

これはお勧めできない方法ですが、無理に修理するとこうなるという見本で、お知らせします。
まず金鋸で側面を切断します。
コードが出ているほうも、同じように切断します。
ここから、ドライバーで無理やり分解します。
分解というより、壊すという方が正しいかも知れません。
修理する前提で、作られていませんので、壊して修理すると考えてください。
分解は、想像以上に大変です。

なお故障の大部分を占める先端部分の断線は この部分を交換するだけです。
先端のプラグは秋月電子で40円くらいで売られています。
テスターで電圧を測定して プラグの外側が+になるように接続してください。





分解後の中です。


分解後の側面。
茶色の物はコンデンサーです。
分解時、金鋸で傷をつけたので、安全の為に交換することにした。


安全規格のコンデンサーに交換。


修理後のアダプター。
切断した跡が残るので、ビニールテープを巻いて、保護してください。

2002年12月25日
2003年10月12日リンク追加。
2004年12月23日 AC−120の例を追加。
2005年9月5日 6V用 AC−9 アダプターの写真と説明を追加。
2005年9月10日

2006年6月26日
2007年5月29日:2682 LM317による電圧変換アダプターの製作を追加。
2007年5月29日:2774
2007年10月1日:5261  電圧切替式アダプター

2008年12月22日;13,966 (1,966)
2013年10月12日:43,966
2014年3月27日:46,203 YAZAWAの電圧可変式アダプターを追加。
2020年1月7日:63,401 −1.4V減圧アダプターの製作(4.5V 500mA アダプターに接続可)





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