真空管ラジオの修理 ビクター5R−S7

昭和26年頃販売されていたビクターの5球スーパーが修理にやって来ました。
完動品として購入したそうですが、念のためと言う事で調べてみました。

 ラジオの修理を自分でやる方は真空管ラジオ・アンプ作りに挑戦!、や真空管式スーパーラジオ徹底ガイドも参考にしてください。
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初歩的なことでも結構です、ただし他人が解るように書いてください(神様や占い師にするような経緯を省略した質問は返事不能です)。

当方に依頼される方はラジオ修理工房をご覧ください、こちらは有償です。
 


念のためケミコンと出力管のG1の電圧試験をした上で、通電しました。
確かに音は出ますが、正常ではありません。



左側の本のような物はループアンテナです。


音が出るということですが、念のためケミコンの漏洩電流を測定してみました。
3mA程度あります、これでは少し多すぎます。
6ZP1のG1の結合コンデンサーには0.47μFがつけられています。
これは間違いです。
尤もオリジナルの回路図がありませんので、断言はし難いのですが。

この機種の後継機と思われるRー500の回路図で確認してみると、
0.01μFが使われています。
したがってここでは0.01に変更しました。

なお漏洩電流の3mAはチューブラ型のケミコンとペーパーコンデンサーの影響が大きいことがわかりました。



このラジオで恐ろしいのはB高圧回路の被服が

剥がれている事です。

相当知識のある方が修理したのでしょう。
ACケーブルなども交換されています。
でもこれで、完動品として、売っているのですから、恐ろしいです。

危険な配線をやり直しました。
電源のケミコンも容量が減少しているので、
追加しました。


整備し終わってもなんとなく音が弱弱しいです。
このラジオは電磁型のスピーカーが使われています。
励磁電源は100Vをセレンで整流したものです。
経年変化でセレンが弱っていますので、音が小さいと睨んで、並列にダイオードをいれました。
これでスピーカーから、力強い音が出るようになりました。


通電中のラジオ。
右端はスピーカー。
試験中はダンボールで保護をしてあります、
こうしないとコーン紙を破る恐れがあります。


VRにはSWの仕掛けがあります。


2004年2月1日
2004年2月6日

2005年8月16日移転

2006年6月24日移転

修理のノウハウや資料については下記の書籍をご覧ください。




ラジオ工房修理メモ

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