ビクター 真空管ラジオ  R−607修理体験記

ラジオの修理を自分でやる方は真空管ラジオ・アンプ作りに挑戦!、や真空管式スーパーラジオ徹底ガイドも参考にしてください。
不明な点はラジオ工房掲示板に実名で投稿ください、修理ノウハウの提供は無償です。
初歩的なことでも結構です、ただし他人が解るように書いてください(神様や占い師にするような経緯を省略した質問は返事不能です)。

当方に依頼される方はラジオ修理工房をご覧ください、こちらは有償です。
 

ビクターのインターホンラジオです。
回路図がありませんので、修復は大変でした。

この機種の型名が不明です、真空管ラジオデーターベースで検索したところ、R-105となっていました。
なお 「真空管ラジオデーターベース」は非常に便利ですが、アクセスには暗証コードが必要です。
真空管ラジオデーターベース」の掲示板に書き込んで、申し込んでください。
なお電波科学のバックナンバーを調査したところ、昭和31年8月号に紹介記事があり、こちらではR-607となっています、この為表題を変更しました。


左のビニール線はインターホンの子機と結んだもののようです。
スイッチがやたら沢山ついているので、それぞれの働きを確かめる必要があります。
真空管は6BE6 6BA6 6AV6 6AR5 6X4 6E5です。
ラジオの回路としては IFTの帯域を切り替える所謂 HI Fiラジオです。
真空管は6AR5と6X4は正常、他は相当劣化しています。
真空管試験器TV−10では破棄値以下の値です。
でも実際は動作しますので、交換はしないことにしました。
恐らく インターホンの性格上 通電が多く、6AR5 と6X4は途中で交換したのでしょう。


回路図を探したのですが、ありませんでした。


右 側面の銘板を拡大すると、型名がかろうじて判読できました。


左側のシャーシ(約1/3)はインターホン部分で、中央の小判型のものはブザーと書いてあります。
子機がありませんので、こちらの修理はしてありません。
単1乾電池2本が ブザー用に組み込まれるようです。


動作試験中のシャーシです。
ブロック型のケミコンは漏洩電流は少ないのですが、容量が抜けているらしく、ハムが多いので、
400V 15μF  315V 33μFを追加しました。
ペーパーコンデンサーは絶縁試験したところ駄目なことがわかったので、全数交換しました。
プラスチックのケースに入れられているのが取り外した部品です。


修理後 キャビネットに組み込んでみると、ダイアルがスムーズに動きません。
ダイアルの糸が絡まるようで、仕方が無いので新しい糸に交換しました。
昔 誰かが、ダイアルの糸を交換した形跡がありました。


修理完了後のシャーシ内部です。

右下のトランスはインターホーン時に使う、スピーカーをマイクに変換する時のインピーダンスマッチングトランスと思われます。


動作試験中です。
マジックアイもかろうじて光っています。
インターホンの性格か 配線がシャーシ内部を張りまわされているので、
心持ハムが多い感じはします。
Hi Fi 標準 外部入力の切替スイッチ(左から3つ目)が多少接触不良気味です。
使用する時はこの点を心がけてください。

電波科学昭和31年8月号新製品紹介欄より




動作試験中のキャビネット内部。

全体的に大きいので、修理は大変でした。
140サイズの荷物だったので、早急に修理する必要があり、苦労しました。

2010年9月1日
2010年9月2日
2010年9月23日:382 電波科学の「新製品紹介欄」を追加、表題をR-607に変更しました。




ラジオ工房修理メモ

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