真空管ラジオの修理 東芝 マツダ 513H 5球スーパー受信機

東芝の513H 5球スーパー受信機が修理にやってきました。
埃がしていますが、外観は非常に奇麗です。

簡単に調べてみると故障箇所は
@出力トランス断線
Aペーパーコンデンサーリーク
Bブロック型ケミコン 不良
Cダイアル糸断線
Dバリコン固定ゴム劣化。
未確認だが
EVRは不良と思われる。





修理前のシャーシ内部。



バリコンは埃が凄いだけでなく、羽根が変形しているので、修正しました。


ダイアルの糸が切れています。


ダイアルの糸かけ、これは苦労しました。
バリコンを固定する作業と、糸かけで半日もかかりました。
PLの外周のプーリーが経年変化で硬くなっていて、上手く動いてくれません。
バリコンの軸についている方のプーリーは直径が小さいので、バネが上手く働きません。
試行錯誤の結果、バネは別物に交換し 何とか動作するようになりました。
それでも多少不安定です。



ブロック型ケミコンはリークが酷いので、手持ちの新品と交換。
取付金具はシャーシの穴と一致するので、古いものを利用。

オリジナル20+20μF
交換した新品  22+22+22μFです。

1個余裕があるので前段に220Ωと22μFでフイルターを追加し、
この出口からスピーカーへ配線しました。
電圧は少し下がりますが、ハムは一段と減少します。


出力トランスは断線していました。
写真で見るように特殊な取付け方がしてありますので、
新しい出力トランスはシャーシ上に組み込む事としました。
キャビネットに組み込んだ時に邪魔にならぬよう、
ケミコンを左側によせ、オリジナルのケミコンの位置にトランスを組み込んであります。






修理完了後のシャーシ内。
音量調整用のVRは2805の記号があり、このラジオは28年に作られたようです。
勿論不良でしたから、交換しました。

ただ接点が特殊で、同じものが入手できません。
ラジオに切り替えた時 「VRのコールド側」と「発振回路+6D6のカソード回路」を同時にアースする方式です。

今回はやむなく一回路二接点のSW付きVRを利用しましたので、
PUに切り替えた時ラジオの同調をずらさないと音声が混入する恐れがあります。

それでも現在 このSW付きVRはON OFFSW付きVRの数倍の値段します。

スピーカー上の断線したトランスは取り外さず、そのままとしました。
配線は外してあります。
キャパシティアンテナから、リード線を出して、ラジオのアンテナ端子に接続してあります。
電波の強いところだとこれで受信できます。

組み込んで判明した事は、前面パネルを誰か一度外した可能性があります。
ホットボンドで念のため仮止めしておきました。

組み込んで動作試験をしてみるとPLが滅灯しています、調べてみるとソケットの接触不良でした。
製造後半世紀以上経過しているので、金属部分の接触が悪くなっているようです。
写真のように分解して、電極を半田付けしました。
ゴムのカバーはボロボロですから、代用品で固定しました。

オリジナル 電極を出す 半田付け 完成


動作試験中の東芝513H。
なかなか素晴しいデザインです。
回路図は残念ながら有りません。
現物合わせで修理する必要があります。


今回取り外した部品。
この他出力トランスも交換しました。
(出力トランスは組み込んだまま)


返送用に荷造りしているところ。
中の真空管が抜けないように新聞紙を詰めます。

 ラジオの修理を自分でやる方は真空管ラジオ・アンプ作りに挑戦!、や真空管式スーパーラジオ徹底ガイドも参考にしてください。
不明な点はラジオ工房掲示板に実名で投稿ください、修理ノウハウの提供は無償です。
初歩的なことでも結構です、ただし他人が解るように書いてください(神様や占い師にするような経緯を省略した質問は返事不能です)。

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2006年11月8日

修理のノウハウや資料については下記の書籍をご覧ください。



ラジオ工房修理メモ

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