真空管ラジオの修理 マツダラジオ(東芝) かっこうB修理体験記

タイマーつきのマツダラジオが修理にやって来ました。
タバコの煙でだいぶ燻されています。
埃も物凄いです、まず掃除から始めました。
キャビネット前面もタバコの脂で汚れているのですが、簡単には落ちませんでした、多少綺麗になった程度です。

シャーシ内部 半世紀の埃がいっぱいです。
この当時のラジオの常として、シャーシの取り出しは不便です。
あちこち半田を外して、取り出しました。


修理前のシャーシ内部。
電源のケミコンは試験したところ、なんとか使えそうです。
出力管の結合コンデンサーは例によって駄目でした。

心配した出力トランスの断線も無く、部品の不良は相対的に少なかった。
電気的修理の時間より、清掃、取り出し、収納など
付帯する手間の方が多かったのが特徴的。
内部は素人が変に弄っていないのが大いに助かった。

修理後のシャーシ内部。
不良部品の交換の他、ケミコンと高周波バイパス用の0.1μFを追加。
VRはガリはありませんが残留抵抗が有ります。
これでは音量が0にはなりません、
恐らく新品時もこれに近かったのでは??。

このVRはPU(電蓄)の切替SWを兼ねています。
切替SWつきのVRは入手できませんので、
交換するとPUが使えなくなります。
悩んだ末、このまま使うことにしました。
なお電源SWつきのVRは現在でも入手できます。



動作中のかっこうB。
マジックアイも新品に交換しました。

なかなか綺麗です、プラスチック表面がもう少し綺麗になるとなお良いのですが。
1〜2時間かけてもこの程度しか汚れが落ちませんでした。


ラジオの裏側。
右下の丸いものはタイマー。
シャーシを取り出すのは意外に大変でした。
保守性は決してよくありません。
受信周波数の調整も固定式のため、殆ど調整不能。
(OSCコイルに調整用のコアなし)
東芝のラジオは省略部分が多いのが特徴。

このラジオはオリジナルのコードがついていました。
汚れていましたが、このまま使っていただくことにしました。
なお不思議な事にランプが3個とも真っ黒になり、全部断線していました。
真空管も6BE6が弱っていましたが(△印)、実用的に使えるのでこのままとしました。
マジックアイも蛍光面が真っ黒で全然光りません、これらを総合すると、非常によく利用されたラジオといえるでしょう。
真空管6BA6 6AV6(金属のケースつき)の2本はソケットが多少弱って接触不良気味です。
動作がおかしい時は優しく揺すってみてください。

PU切替SWについて
音量(音質)調整のVRにPU切替のSWがついた形のラジオは非常に多いのですが、この切替式のSWつきVRは入手が困難です。
PU(レコード プレーヤー)を接続するかどうか指定いただけると、修理の時 最適の方法を選べます。
なお電源SWを兼ねている場合は、新品のVRが入手可能で、問題は少ないです。

 ラジオの修理を自分でやる方は真空管ラジオ・アンプ作りに挑戦!、や真空管式スーパーラジオ徹底ガイドも参考にしてください。
不明な点はラジオ工房掲示板に実名で投稿ください、修理ノウハウの提供は無償です。
初歩的なことでも結構です、ただし他人が解るように書いてください(神様や占い師にするような経緯を省略した質問は返事不能です)。

当方に依頼される方はラジオ修理工房をご覧ください、こちらは有償です。
 

2004年1月7日
2004年1月8日追記。
2005年8月16日移転

2006年6月24日移転

修理のノウハウや資料については下記の書籍をご覧ください。




ラジオ工房修理メモ


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