シャープ UC−228

シャープの真空管ラジオです。
12BE6 12BA6 12AV6 35C5 35W4の5球です。
音は正常に出ますが、ダイアルを回すとがりがり音が出ます。
ダイアルの指針もなんとなく曲がっています。
衝撃を与えると音が小さくなり簡単には復旧しません。
ACコードもプラグが交換されたらしく 不具合だったので交換しました。



ダイアルを回した時のガリはバリコンの羽根の接触でした、丹念に調査してなんとか羽根の形を修正しました。
これでダイアルを回した時の雑音が消えました。
おそらく誰かが分解した時に羽根を触ったのでしょう。

もう一つの不具合はバリコンの傾きです。
よく見ると 右側が沈み込んでいます。
プーリーがダイアル糸と水平ではありません。
これではダイアルが正常に動かないのです。
指針が曲がって見えたのは ダイアルが正常に組み込まれていなかったためでした。
ダイアルの指針を左右に動かすとダイアル糸が外れることがあります。
原因はプーリーとダイアル糸が平行していないためで、
バリコンの固定ゴムの劣化で傾いて組み込まれているためです。



バリコンの右側の2個のナットをいれ、バリコンの傾きを修整しました。
ナットは単なる厚み確保のためです。



ナットを入れた部分をエポキシで埋めて固定させました。
これで傾きは多少修正されました。



修正した後のシャーシの状態です。



このラジオで悩ましかったのは衝撃を与えると、音が小さくなることです。
原因を見つけるのは大変でしたが、最終的には部品の半田つけ不良と判明しました。
VRの中点から12AV6のGへの配線(コンデンサー)でした。
この部分はナショナルのペーパーコンデンサーが組み込まれていたので、誰かが交換したのでしょう。
回路図では0.01になっていますが、実際は0.02が組み込まれていました。






sharp UC-2285球スーパー 回路図


その他コンデンサーを一部交換し、調整して終了としようと思ったのですが、
最低音量がなんとなく小さくなりません。
どうもVRの最小容量が大きく変化しているようです。
VRまで交換すると大変なので 悩ましいところです。


音量調整用のVRの交換(2012年4月13日)

どうしても音量が絞れません、最小抵抗が14KΩ程度残っています。
全体では700KΩ以上になっていますが、増幅率が高いので、この程度(14/700  =2%)でも気になるのです。
2%くらいは大丈夫とも思えるのですが、ラジオは実際は相当うるさく鳴ります。

「悩んだ末 新品のVRに交換しました。
ただツマミが特殊な形状(D型)なので、古い軸を切断して、新しいVRの軸に接続する必要があります。



古い軸を新しいVRに接続したところ。



なお 今回作業して判ったことは PU端子の接続はVRの両端に入力を加える 簡易方式であることが判明した。
外部入力とラジオが同時に動作するので、同調を外すなどの操作をしないと プレーヤーの音が聞けない。
実用的には大きな問題がある。

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2012年4月11日
2012年4月14日





ラジオ工房修理メモ

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