シャープ 真空管ラジオ AR−335の修理

昭和28年頃に製作されたと思われる 真空管ラジオです。



電源コードも途中で切り取れています。
電源ケミコンの漏洩試験をして 42のグリッドの結合コンデンサーを交換し、通電してみました。
音が出ることは確認できたのですが、音量調整が全く出来ません。

VRを交換する必要があることは判ったのですが、ダイアルパネルが前面にあるので、
この部分を取り外さなければ VRを取り出せません。



前面パネルを外しました、沢山のネジで固定されているので意外と大変です。
ついでに 汚れも清掃しました。
製造後60年位経過しているので 酷いものです。



ダイアル糸も簡単に切れてしまいました、これも交換です。



VRは500KΩ A型ですが、スイッチが特殊で3点接続型となっています。

端子が3つ有り これが同時に接触する仕掛けです。
PU切り替えに用いられる方式です。

ONにすると 3つの端子が接触します、1個はアースされていて、1個はPU端子の+側に、
もう1つは発振コイルのアース側に接続されています。
こうすると ON時 局発が働き PU端子がショートされるので、ラジオの検波音声がVRに正常に加わるようになるのです。

OFFにすると 局発が止まり、ラジオが受信できなくなります。
一方 PU端子のショートが外れますので、こちらから信号を入れれば 6Z-DH3AのグリッドにVR経由で入ります。
(但し VRとしての動作はしません 音声が通過するだけです)
PUを接続する時は 外部に音量調整用VRが必要です。

ただ現在このようなVRは入手出来ませんので、切り替え式(3端子だが)のVRを使いました。
このVRさえ 現在は入手難です。



このラジオでもう1つ 嫌らしいのは ツマミです。
差し込み式ですので 便利なのですが、軸を同じ形にしないと使えません。
古い vRの軸の先端を切り、新しいVRに接続する方法で 利用します。

更に よく見ると コイルの1次側が何となく変です。
長年の風雪に耐え切れなかったのか 形が崩れています。
これ以上 崩れないように 接着剤で固定しました。
















AR−335 回路図

2014年06月04日撮影


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2020年8月30日:回路図追加1,179




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