シャープ 5R-810 真空管ラジオの修理体験記

NHKしは受信できるがブーンという音がする。
他局はとても聞きにくいという5球スーパーです。
趣味で整備した方から 昔 譲り受けたそうです。
真空管は6WC5 6D6 6ZDH3A 6ZP1 12Fの5球です。
トランスが断線していたのを修理した記録が貼付されていました。

我が家で受信してみると、なかなか良く受信できます、整備に大きな間違いは無いようです。
受信方法に問題がありそうです。

短いアンテナリードがつけられていますが、この扱い方に問題が有るのでしょう。
この線は電波の入り口ですから、伸ばさないといけません、線を丸めておくと働きません。
それから、ACアダプター(コードレス電話やFAXなど)が近くにあると雑音の元になります、雑音が酷い時はコンセントから抜いて確認してみてください。

念のため分解してみると、確かに配線はやりなおされています。
真空管は試験機で確認すると全て合格でした。




AC電源回路に普通のフイルムコンデンサーが使われています。
これを安全規格のものに交換することにしました。
しかしこの部分に問題がありました。



それからトランスを良く見ると、5V巻線が2本あります。
スーパー用のトランスでこのようなものは見たことがありません。
想像するに、並四用のトランスを流用した可能性が高いです。
(5V巻線が2個有るのはこの大きさだと並四用と想像するのが常識)
電流値が書いてないのでわかりませんが、相当無理な使用方法と思われます。
2時間ほど連続通電しましたが、トランスが相当暖かくなります。
この時期冬ですから、夏の連続運転は厳しいかも知れません。
B電圧は220Vくらいです。




ACコードを引っ張ると電源が入らなくなります。
調べてみると、トランスのリード線がうまく半田付けされていないようです。
それも短いので、途中で切れた可能性があります。


先端を磨いて、半田付けしました。
ただシャーシの隙間からの半田付けですから、
うまく接続できたか、多少 怪しいところはあります。


ハムが多いとの事なので、整流後の容量を33μF増加しておきました。
これで多少ハムも小さくなるでしょう。
ただトランジスターラジオのように無音にはなりませんので、ご理解ください。

AC回路のバイパスには安全規格のコンデンサーを2個追加しました。

音量調整用のVRも交換されています。
書いてある文字が読めないので、明確ではありませんが、どうもB型のVRに交換されているようです。
音量調整は出来ますが、急に音量が大きくなる傾向がみれれます。
本来はA型のVRを使うべきです。


ダイアル目盛りはよく合わされていました。
しかしIFTの調整はされていない感じで、調整すると随分感度が良くなりました。


動作試験中の5R−810。

裏側です。
PU端子がアンテナ端子に改造されています。
ヒューズ端子付トランスがオリジナルだったようで、
トランスの乗せ替えに伴ってヒューズホルダーが組み困れています。


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2010年12月4日





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