真空管ラジオの修理 オンキョー OS−175の修理体験記


思い出のラジオが修理にやってきました。
この写真は修復後のものです、ツマミは1個ありません。
中央のバンド切替スイッチは仮に別の物をつけてあります。


早速60Wの電球経由で通電してみた。
電源投入時は光るが、ラジオが起動してくると光らなくなる。
ただラジオに供給される電圧を測定してみると、87Vくらいです。
正常のラジオの場合90Vだったので、どうも漏洩電流が多いらしいと見当をつける。
ケミコンテスターで測定してみると、確かにケミコンの漏洩電流が多い。

逆にこの供給電圧を測定する事により、ラジオの健康状態が類推できる。


修理前のシャーシ内部。
ケミコンの漏洩電流が多いのと出力管のグリットに+電圧が出ています。
これが原因でAC電流が増加、ランプでの電圧低下を引き起こしたのでしょう。
修理時 電圧を記録しておくと、その後の修理に役立ちます。

ブロック型ケミコンは金属バンドで固定されていて、外すのに苦労しました。
上の位置にバリコンが載っているので、自由に作業できません。
一度外すと元に戻せません。


取り外したケミコン。
端子付近が漏液で汚れている。
半田が外せなので、端子をまず切断して、取り出しました。



取り外したケミコンと代換用のケミコン。
規格はチューブラ型のほうが耐圧も容量も大きい。
技術の進歩で小型になったので、修理が容易になった。
金属バンドで締め付けると良いのですが、上にバリコンがあり、工作できません。
ラグ端子を取り付けて、これで固定する事にしました。




ブロック型のケミコンの位置にラグ端子を取り付け、
これにケミコンと抵抗を取り付けた。
こうすると機械的にも安定する。


ラグ端子は5端子の物を、そのままでは寸法的に入らないので、
4端子に切断、これに200V 47μFのケミコン2個と平滑用2KΩの抵抗を取り付ける。

なおバンド切替SWの接触不良が酷かったです。
接触面を清掃すると共に、接点復活材を金属部分に楊枝で注意深く塗布、
何とか実用的に使えるようになりました。
なおベーク部分に噴射すると悲劇になります、充分注意してください。
アンテナリードがぼろぼろだったので、交換 少し延長しました。
IFTの調整をすると感度が飛躍的に向上しました。

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2005年4月25日

2005年8月16日移転

2006年6月24日移転

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ラジオ工房修理メモ

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