ナショナル NS−100  5球スーパーの修理

修理をお願いしたい真空管ラジオですが、詳しい型番が分からないのですが、
ST管を5つ使用した木製のナショナル製ラジオです。
動作状況は何とか鳴るのですが、極端に音が小さく、電源投入から数分後に更に音が小さくなる現象が発生します。
また低い周波数の局をまともに受信する事が出来ません。(1,000kHz以下が困難)
確認出来ている症状は上記2点ですが、もし他にも不具合がございましたら併せて修理頂ければ幸いです。

故障していたのを前オーナーさんが修理して、ある程度聞ける状態にまで蘇らせたとの事です。
内部をぱっと見た感じではとても奇麗で、祖末な扱いを受けた感じはありません。
一度息を失ったこのラジオを何とかして完全な状態に生き返らせてあげたいと思っています。
 

整備してあると言われたので、到着時まず通電してみました。
ところが無音なのです、怪しいのですぐ通電はやめ 分解しました。
開けて吃驚、これは昔のペーパーコンデンサーがそのまま残っています。
ブロック型のケミコンを交換したようです。
試験してみると ケミコンは大丈夫ですが、6Z−P1のグリッドに+電圧が出ます。
このまま使えば 真空管が駄目になるかトランスが焼けて発煙するかの致命的事故が起きます。
エンジンがかかるからと ブレーキの壊れた車を運転するようなもので非常に危険です。

真空管は6W−C5 6D6 6Z−DH3A 6Z−P1 80BK(12F)



劣化の激しいペーパーコンデンサーを交換していると、部品の取り外した下側から おかしな端子板を発見。
端子板の先端がシャーシに接触しています。
この部分は中継端子ですから 浮いている必要があるのです。



この部分は丁度 下記回路図の×印の位置に相当します。



この端子板のネジはケミコンの取り付けネジと共通ですので、ケミコンを交換した時取り外したようです。
その際 スペーサーの板はシャーシ側に入れなければいけないのです。
(このスペーサーで端子をシャーシから浮かす仕組み)
間違って 上側に入れたので、輸送中に端子がシャーシと接触して、この部分でアースに落としてしまったのです。
シャーシも 端子も錆びていたので、組み込んだ当時は一時的に浮いていたのでしょう。
この部分をシャーシに落とすと、音は一切出ません(音量VRの両端をショートする形になる)。
これで我が家に到着時 無音だった理由も理解できました。

修理後のシャーシ内部。


ダイアルの糸はどうも普通のものが使われています、かけ方も多少違うようです。
(右下のプーリーが浮いている)






今回交換した部品



ダイアルの指針の爪が壊されているのでダイアル糸は接着材で固定しました。
電源コードはソニーのリサイクル品が組み込まれていたので ご希望の丸打ちタイプに変更しました。



修理後のNS−100



2012年8月6日





ラジオ工房修理メモ

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