ナショナル RC−232 HI FI受信機の修理

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到着した時の状態です。
ダイアルの糸もはずされています。
配線はやり直してあるようです。

真空管は6BE6 6BD6 6AV6 6BQ5 6X4 6DA5(マジックアイ)です。


到着時のシャーシ内部。
左端に見慣れない部品が組み込まれています。
これについては別途記載(次の画像参照)しています。

あちこちで抵抗が数珠繋ぎに接続されています。
本来の抵抗値のものが入手できないので、組みあわせて作成したようです。
ただ空中配線で接続すると不安定なので、3個接続のものは交換しました。
2個接続のものはそのままにしておきました。
抵抗値は多少の誤差は許されるので、このように神経質になる必要はありません。
ケミコンの不良をうたがったのですが、リークは大丈夫でした。
電源周りのコンデンサーが普通のフイルムコンデンサーが使われています。

この修復をした方は相当注意深く修復下と思われます。
誤配線は見つかりませんでした。

電源付近になぜコイルがあるのか、半田付けを外してみると、
並四コイルが6X4ぼ1ピンと6ピンの間に接続されています。
結果的に200Ωの平滑抵抗の代わりに組み込まれていることが判りました。
なぜこのようにしたのかは不明です。


修復後のシャーシ内部。
シャーシ中央部にジャイロアンテナ駆動用のバネ?が見える。

配線を確認して通電してみると、様子が変です。
6BE6のG1を測定してみると発振していません。
調べてみると なんと真空管が6BA6がさしてあるではありませんか。
これでは動作するはずがありません。
手持ちの6BE6をさして、正常に動作するようになりました。
ダイアルの糸掛け、バリコンの固定ゴムがぐらぐらなのでホットボンドで固定しました。



中央にジャイロアンテナが組み込まれています。
5個のうち中央のツマミにジャイロの回転軸が接続されていて、
最高感度の位置を調整できる仕掛けです。
この場合、外部アンテナは接続されません。
ツマミを0位置にあわせると、スイッチがONになり外部アンテナが接続される仕掛けです。
良く考えられています。

左端(キャビネット正面から見て右端)にマジックアイのON OFFスイッチがあります。
必要な時だけマジックアイを使う仕掛けで、合理的にできています。

出力トランスの2次側から負帰還がかけられていますので、念のため配線をはずして、
音が大きくなることを確認して元に戻しました。


IFTの調整をしましたが、普通のラジオより広帯域になっているのか、
ピークの確認が難しいところがありました。
ダイアルの目盛りあわせはシャーシに刻みがあるなど非常に合理的に作られています。
調整しやすいです。
さらにコイルやトリマもすべて調整できる仕掛けで、
このラジオは珍しく真面目に設計されていると感心しました。

ただ ダイアルの糸を固定する時にドライバーが使い難い構造なのが玉に瑕でしょうか。



 



阿部さん提供の画像です。




2010年5月5日




ラジオ工房修理メモ

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