ナショナル BL−705 真空管スーパーラジオ 

真空管ラジオ ナショナル SUPER-HET(MODEL BL-705)の修理をお願いしたい。
6年前に購入し、先日まで元気に聞けておりましたが、急に聞こえなくなってしまいました。

早速分解してみると、シールドケースはついているのですが、ベース金具がありません。
シャーシ上に そのままのつかっているだけです。




詳細に見ると、ベース金具を無理やりはずした形跡があります。
どうもシールドケース本体が無くなったので、別のものを持ってきたが、
寸法が合わないのでこのようにしたのでしょう。
シールドケースは上下揃いで無いと不具合です。
拙著 「真空管式スーパー徹底ガイド」をご覧ください。

 

ケミコンテスターで漏洩電流を測定するとともに42のグリッド電圧を測定してみました。
+電圧が出ます、これは完全にカップリングコンデンサーの不良です。
この部分をとりあえず交換(ついでに6Z−DH3Aのプレートのバイパスコンデンサーも交換)し、動作試験をしました。
素人が修理して、販売したようですが、修理方法は酷いです、心当たりの方はご注意ください。
整備時 安全性に注意してください。

結合コンデンサーとバイパスコンデンサーを交換しただけの状態。


なんとなく 怪しいのでヒューズを確認してみました。
6Aと書いてあるではありませんか、1Aにこうかんしました。
シールドケースでなんとなく怪しいと思ったのがよかったです。




6Z−DH3Aはそのままかぶせましたが、
6D6は接触不良だと発振するので、シャーシに落としました。
アルミ製なので、鳩目を組み込み それに半田付けしました。
(オレンジのビニール線がアース)



ランプ配線もこの時代のナショナルのラジオに良くある ぼろぼろになっています。
これも危険なので交換しました。


修理完了後のシャーシ内部。
ただしPLへの配線はこの時点では未交換。
コンデンサーは計11個交換した。



ツマミは特殊な台形です(将棋の駒の側面を平行にしたような形)、東芝のラジオに良く使われるタイプです。



普通のギザギザタイプの軸です、軸が短いので、ツマミもそれに応じた形だった可能性が高いです。
インターネットで画像を探すと、茶色のツマミがオリジナルのようです。

整備終了のナショナル BL-705 受信機
ダイアルも無茶苦茶に狂っていたので IFTの調整とともに十分調整した。

ツマミが別物 おそらく東芝製?です。
したがって外れやすくなっています、ご注意ください。
我が家に到着したときはなかなか外れなかったので、
瞬間接着剤で固定されていたようです。

ダイアルの裏面のブリキ板も無くなっています。
アンテナ線が数十cmだったので、数mに延長した。

部品は交換しましたが、製造後半世紀以上経過しています。
安全性は保障できませんので、注意してご利用ください。



 ラジオの修理を自分でやる方は このホームページの他真空管ラジオ・アンプ作りに挑戦!、や真空管式スーパーラジオ徹底ガイドも参考にしてください。
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初歩的なことでも結構です、ただし他人が解るように書いてください(神様や占い師にするような経緯を省略した質問は返事不能です)。

当方に依頼される方はラジオ修理工房をご覧ください、こちらは有償です。
 





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