ナショナル Hi Fi アンプ AS−918 FM MW SW 受信機付

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ナショナルのFM MW SWチューナー付Hi FIアンプです。
FM放送が開始され 間もないころの製品のようです。
FMの受信範囲が80〜90MC(MHz)となっています。



回路図を探したのですが、ありません。
何とかなるだろうと修理を始めました、これが悩みの種になろうとは想像もしませんでした。
下の画像は修理前のシャーシ内部です。



修理前のシャーシ上部です。
大型のブロックケミコンが2個使われています。
右側のトランスは出力トランスです。
6BM8のPPです、整流管は6CA4。



例によって ケミコンの試験をしました、残念ながら2個とも全くの不良です、この時代のケミコンにしては珍しいと思います。
ペーパーコンデンサーの絶縁試験も駄目でした、とりあえずケミコンとカップリングのペーパーコンデンサーを交換して通電試験です。
これでも音が出ません。
調べて行くと AM検波用のダイオードの不良です。
手持ちのゲルマダイオードに交換してみると音が出るようになりました。
しかし 音量がいやに低いのです、VRを最大近くにしないとまともな音が出ません。
いろいろ調べてゆくと、SMの検波用IFTの2次側の不良ということが解りました。
このIFTはFMと共用になっているので、交換は難しいです。
仕方がないので、検波は単同調IFTに改造して利用することにしました。
修理後のIFT周りに余分な部品が組み込まれているのはそのためです。



IFTの修理が終わって、動作させてみると、音量調整用のVRにガリが酷いです。
仕方がないので VRを分解し、接点を少しずらすなどして修理しました。
交換も考えたのですが、前面パネルを外さないと工作できませんので、諦めました。

残りのペーパーコンデンサーをすべて交換して修理完了です。



正常に動作するようになったので、調整もしました。
調整後各部分の電圧を測定してみると、異常なことに気が付きました。
6BE6のスクリーン電圧が異常に高いのです。
普通の5球スーパーだと80〜100Vです。
この機種では155V位ありますから、最初は信じられない気持ちでした。


スクリーンにはプレートと共通のB電源から2KΩで供給されている。
そのためプレートも低いので、ここまで問題で無かったのでしょうが、
あちこち調べても改造した形跡がありません。
これで正しいのでしょうが、せめて回路図で確認してみたかったです。
自分としては納得できないので、約4KΩに変更して良しとすることにしました。
電圧は120V位にまで低下しました。

マジックアイは暗くなっていましたが まだ光るので良しとしました。

2011年11月19日





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