真空管ラジオの修理 ナショナル Hi Fiラジオ UF−710 修理体験記



真空管(整流管の6X4)が1本割れています、単純に割れただけと思ったのですが・・。

  

割れた整流管のソケットです。

べークが炭化しています。


分解したソケットと、整流管の一部分(脚の部分)。
脚の部分でリークして、べークが焼損、炭化して更に通電しやすくなったのでしょう。
このため 熱で真空管も割れたのだと思われます。
当然ソケットと真空管は別に用意します。


トランスもこんがり焼けています、これは交換するしかありません。
故障して ある程度長時間通電したままにしておいたのでしょう。
火事にならなくてよかったです。




このラジオにはジャイロアンテナが組み込まれています。
出っ張りがあるので、トランスの交換やその配線作業が大変です。

例によってナショナルのラジオ特有の配線材の破損(腐食)が酷いです。
これも交換が必要です。



配線を拡大したところ、被覆がぼろぼろに腐食している。
また配線を途中で改造した形跡がある(青色ビニールテープの部分)。



トランスの付近がこんがり焼けた形跡があります。
もう少し 通電すると発火したでしょう。





トランスを外します。
ACコードもゴムブッシュが壊れています。
新しいトランスは4つ穴方式ですから、シャーシに穴あけも必要です。



秋葉原でトランスを購入してきました。
4箇所で固定する方式です。


シャーシに固定した様子。
ACコードやゴムブッシュも交換しました。
ソケットも新品を組み込み、真空管も準備しました。

ナロー ワイド PU(電蓄)の切替部分は大昔 切り離されています。
この部分は内容が怪しいので復元しないことにしました。


修理完了後のシャーシ内部。
整流管から出た直後のケミコンは新品にしました。
それまで使われていたものは漏洩電流が少なかったので、
そのまま使用しました。



ジャイロアンテナが組み込まれています。
中央外側のツマミで回転します。
ただ音量調整用のVRと同軸で、古いためか一緒に回転してしまいます。
操作はVRツマミ(中央内側)を抑えて、外側のみ廻してください。


参考 回路図


電波技術「最新ラジオ電蓄回路図集 1」より。
但しこの回路図には間違いが多数あります。
6E5の付近、6BD6のグリッド回路、ナロー ワイド PU切替回路のPL配線など。
回路図を利用するときは充分注意してください。

 ラジオの修理を自分でやる方は真空管ラジオ・アンプ作りに挑戦!、や真空管式スーパーラジオ徹底ガイドも参考にしてください。
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2009年6月24日

2009年7月5日:033




ラジオ工房修理メモ

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