日本ラヂオ機 社製 真空管ラジオの修理

昭和9年前後に製造されたラジオです。

ソケットには27 26B 12A 12Bとなっています。
検波管の27は56に変更されていましたが 断線していました。
直熱真空管が断線せず 傍熱真空管のみが断線するのは珍しいです。
手持ちの米軍規格の新品を使用することにしました。 他の真空管は幸いなことに使えました。



スピーカーは 小型のものに交換されていますが 断線はありません。
ねじ止めの跡が無いので もしかしたら最初からこれだったのかも知れません。
メーカーは名古屋の会社です。
矢場町なので 松坂屋の近くに有ったのかも。


保管場所が 乾燥したところだったのか、埃はついていましたが 程度は非常に良かったです。
低周波トランスは戦後の修理で交換されていましたが これは断線していました。



シャーシの内部です。
なかなか綺麗です、戦後修理されて その後放置されたのでしょう。
あちこち 手を加えられていず 素晴らしいです。
このようなものは 珍しいです。


修理して動作試験をしているところです。
典型的な並四なので 感度は悪いし 分離もよくありません。
なんとか594〜1422LHzの受信範囲がカバー出来ます。
実際はもう少し 広いですが 550〜1500はとてもカバー出来ません。



シャーシ内部に組み込まれた方の低周波トランスの中身です、こちらは断線していませんでした。
ただ 中央のケースに入れられたチョークは断線していました。
こちらは480Ωの抵抗で代用しました。
コンデンサーはペーパーコンデンサーで 2 2 1 1 μFのブロック(缶タイプ)です。
平滑には2+2が使われていましたので 10(12Fのヒラメント側)+100μF(出力側)で置き換えました。
チョークを使わなくても十分代用できます。


修理後のシャーシ内部
抵抗とコンデンサーはほとんど交換しましたが バイアス用の巻線抵抗はそのまま使えました。
グリッドリークの抵抗も使えましたがコンデンサーは交換しました。  12A用のバイアスにはコンデンサーが接続されていないようでしたが、念のため追加しました。
AC入力にも安全規格のコンデンサーを組み込みました。







今回 交換した部品 この他 真空管56も。


電源コードはオリジナルと同じものに交換しました。
ビニール製なら安価なのですが・・。
最近 コードが入手難で 購入できても高価になったので 嫌らしいです。




動作試験中のラジオ


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2015年3月29日



ラジオ工房修理メモ

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