自作 ラジオ少年製 5S−STD 5球スーパー(2020年10月3日)

通電しても無音というラジオです。
調べてみると6BE6が1本だめです、GMが極端に低いです。
それとバーアンテナが動作していません。
調べてみると 両端で導通が無いのです、これは驚きです。
予備品がいれてあったので 交換しようとしたのですが、取り付け具がバーアンテナ本体から外れないのです。
外さないと 予備品が使えません。
どうも両端が接着されているようです。
諦めて組み込み済みの元のバーアンテナを何とかすることにしました。
半田を外して 先端を磨き 再度半田付けすると 導通があるではありませんか!。
もしかしたら ホルマル線が使われていて 磨きかた不足で半田がついていなかった可能性があります。
やれやれでした。

これで音が出るようになったのですが、蚊が鳴くような感じです。

次にIFTの調整をします。
コアの工作精度が悪いのか 調整が硬くて うまく出ません。
それでも何とか 調整し 正常に受信するようになりました。

受信範囲を525から1650KHzまでに設定。
OSCで525KHzを 1650は発振側(羽根の小さい方)のトリマで合わせます。

次は バーアンテナです コア入りですから 場所で大幅に変わります。
注意深く最大点(マジックアイが閉じる方向)に合わせて 動かないようにロウで固定します。
これで 調整は終わりです。
どちら方向に動かすかは 磁気コアの破片と5円玉を近づけると判断できます。
(コアで マジックアイが閉じる方向なら よりコアを中央よりに移動、5円玉では反対方向)

ところが 不思議なことに 同調し受信しながら IFTをたたくとマジックアイが少し 閉じるではありませんか?。

予備のIFTも入れてあったので 交換しようとしたら 下側調整穴が蓋されたとんでもないIFTでした。
小生もよく知っている有名店から通販で購入したらしいが・・・







とんでもないIFTでしたので 諦めました。

ここでダイアルの糸かけを始めました。




ダイアルの糸かけも依頼されましたが、ダイアル糸が通る穴がプーリーに比べ狭いので拡張します。
ただバリコンなど 取り外さないと工作できません。

 ダイアル糸の穴が狭い  プーリーに合わせ拡張する
   


さらにリード線の引き出し方がまずいです。
電線で接続するということは正しいのですが 高周波を流す配線としては これでは拙いのです。
幸い バリコンの近くに穴があり、 これを塞いでいるので この部分を取り去り、
ここからシャーシの上下を結ぶこととしました。

配線も 出来るだけ短くなるように切り詰めました。




外部アンテナをつけた状態です、つけないと右端のようなマジックアイ表示になります。
外部アンテナを接続すると マジックアイが気持ちよく閉じます。

 

ここまで作業が 進み 通電してみると IFTをたたいてもマジックアイがより閉じる現象が消えました。
どうも配線が 空中で ゆれていた せいかも知れません。

依頼人はオーディオの組み立てに経験があるのか、間違いは無く 半田付けも上手なのですが、
高周波関係は 未経験だつたのかもしれない。
高周波回路のノウハウさへ 理解すれば 次は大丈夫と思います。



参考(送られてきた時のシャーシ内部)

オーディオだったら これで正常に動作すると思います。
ただバリコンからのリード線が引き回されているのが 高周波回路としては拙い理由。



5S−STR 5球スーパー標準回路図と改良

CQ誌に掲載されたものらしいが、標準回路図です。
ただ使ってみて 不満足な部分があり、一部改良しました。

ラジオ少年は 親切で ありがたい存在なのですが、技術的には詳しくは無い。
雑誌で読んだ知識で 初心者向けのラジオを設計すると この様なものが出来上がる。
(辛口の評価で申し訳ない  ラジオ工房管理人の個人的感想です ご容赦ください
異議があれば申し出てください 理由を説明します)

まず配線は間違いでは無いのですが、あちこち引き回されて ものすごく遠回りなのです。
これでは高周波回路ではトラブルのものです。
幸い 塞いだ穴がありましたので カバーを外して その穴から配線をシャシの上下をむすぶ配線路としました。
まだ 問題が残っていますが 配置の問題まで手をつけると大改造になるので これでやめました。

6BE6 6BD6のG2はB電圧から15KΩで供給されているが これを11KΩにした。
さらに出力管6AQ5のプレートは6X4のカソードから直接供給した。
これはB電圧を少し上げるとともに6BE6 6BD6のG2電圧を当初の75Vから100V弱に上げるためです。
これでほんの少しですが 感度が上がります。
さらに バーアンテナは取り付け方がシャーシに近いのと、原理的に方向性もあり、
真空管ラジオとしては物足りないので、 バーアンテナにリンクコイルを巻き これに外部アンテナを接続できるようにした。

さらに雑音防止のため 安全規格のコンデンサーをAC回路とシャーシの間に入れた。
これは雑音防止のみならず、感度向上にも大いに役立ちます。
マジックアイの閉じ方が違います、お試しあれ。

ここまで改良すると普通の5球スーパーとおなじ感度になります。

なおヒーターがアースされていなかったので これは配線を追加しました。
ヒーター配線は今回は問題ありませんでしたが、アースしないと雑音が出やすいので注意した方がよい。


 ラジオの修理を自分でやる方は このホームページの他真空管ラジオ・アンプ作りに挑戦!、や真空管式スーパーラジオ徹底ガイドも参考にしてください。
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なお メールで管理人あて質問して来る方がいますが、とても個別には対応できません。
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2020年10月3日




ラジオ工房修理メモ

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