真空管ラジオの修理 放送局型123号受信機?

放送局123号の修理を依頼されました。
写真で見るように外観は非常に奇麗です。
123号受信機の初期に作られた正規型(と自分では呼んでいる)のラジオです。
裏側の銘板もはっきり、放送局型123号受信機と読めます。
このように状態の良いものは少ないです。

裏を開けて見ると吃驚、何とIFTがあるではありませんか??。

シャーシを取り出して見ると、GT ST mTの5球スーパーに改造されています。
12SA7GT 12YR1 12AV6 12Z−P1 24Z−K2の構成です。
シャーシの上に有った、コイルとそのシールドケースは取り去られています。
紙ケースのケミコンも勿論有りません。

スーパーに改造された123号 オリジナルの123号のシャーシ上

シャーシを取り出して見るとさらに吃驚、コイルは既製品を切り裂いて作った様な物が空中に浮いています。
これでは中波は受信できそうに有りません。
ラジオそのものは電源すら投入出来ないので、DIPメーターで調べてみました。
短波の受信周波数を調べてみたら、3.5〜10MHzが同調範囲でした。
NSBが放送を開始した頃改造された物でしょう。
でも半田付けが下手なので、あるいは最初から動作していなかったかもしれません。

なお最初の改造は半田付けから見てセミプロクラス(ラジオ屋さん?)、
その後の改造は素人と少なくとも2回改造されているようです。
でも電源コードは1976年製ですから、若しかして3回か?。

結論
持ち主と相談して、修理は中止、123号の部品が入手出来た時に修復する事にしました。

余談
骨董市等でラジオを見かける事が多いですが、購入時よく見て購入する事をお勧めします。
時々昭和初期のラジオ(ラッパのついたような)に5球スーパーが組み込まれているのを見かけます。
酷い時にはトランジスターラジオが戦前のラジオに組み込まれている事も有ります。
このように外観の奇麗なラジオは骨董屋さんでは高いです、でも価値は??。
皆さん充分注意ください。

なお余談の余談ですが、戦前のラジオを修理する場合、配線を全部やり直した方が良い事が有ります。
一般に芋半田と言われる半田付けが多いです。

平成12年11月12日作成

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2001年5月9日  オリジナルの写真を参考のため追加しました。
2005年8月16日移転

2006年6月24日移転




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