真空管ラジオの修理 コロンビア (1010型) 


マジックアイつきのmT管2バンドスーパーが修理にやってきました。
12BE6 12BA6 12AV6 30A5 19A3 12Z−E8のマジックアイを含めて6球のトランスレスです。
回路は特に変わった部分はありません。
普通と違うと言えば、3連の親子バリコンになっている程度でしょう。
短波と中波で発振側のバリコンが違う。

ただダイアルメカが邪魔をして、保守性は極端に悪いです。
持ち主の話では10年前に修理した時仮処置をしたとのこと。
どこをどうしたのか、怪しいところは1箇所しかありませんでした。

修理完了して、NHKを受信中のところ。
マジックアイも新品に交換しました。

分解したのはいいのですが、ダイアルの指針支えが横にはみ出し、シャーシ内部の部品面にはバリコンの大きなプーリーが覆うと言う最悪の配置です。
部品の取り外しに半田こてを使う時は注意しないとダイアルの糸を切ります。



このラジオはリモート端子が付いています。
写真右下のUSプラグの部分。


不思議なことにIFTの側面に青のビニールテープが貼り付けてあります。
これは2本のリード線を固定するためで、発振側のバリコンに接続されている。
どうもこの配線が怪しいのだが、付け直した形跡が無く不明。

同じラジオをお持ちの方からの情報をお待ちしています。

このラジオは標準的な回路で、特に変な部分は無いのだが、動作は不思議な現象で悩まされた。
@ IFTの調整をすると動作がおかしくなる。
A正常に受信できるのだがゲロゲロという感じの歪んだ音になる。

この対策に2日かかりました。
@の原因はIFTを分解したりして調べましたが、IFTに異常無し、最終的にIFTのQを少し落とすことで解決したが、いまだ釈然としない。
どうもIFT横の発振コイルへの配線が怪しいのだが。
Aこれは12BE6を交換することで、解決した。
TV−10で試験してもOKなるも、実機では音が悪い。
他の5球スーパーで念のため確認したら現象が移行したので、12BE6が悪いことはほぼ間違いない。
実物の真空管は依頼主に返却したので、原因の追究は出来ないが、不思議な現象でした。
ただ原因が複合してこの様な現象が発生している可能性も捨てきれない。

12BE6 12Z−E8 PL(3V 0.15A)2個  ヒューズ コンデンサー 2個 交換。

このラジオは単純と思ったのが運のつきで、ずいぶん梃子摺りました。

 ラジオの修理を自分でやる方は真空管ラジオ・アンプ作りに挑戦!、や真空管式スーパーラジオ徹底ガイドも参考にしてください。
不明な点はラジオ工房掲示板に実名で投稿ください、修理ノウハウの提供は無償です。
初歩的なことでも結構です、ただし他人が解るように書いてください(神様や占い師にするような経緯を省略した質問は返事不能です)。

当方に依頼される方はラジオ修理工房をご覧ください、こちらは有償です。
 


2004年7月11日

2005年8月16日移転

2006年6月24日移転
2006年12月14日 型名が不明でしたが、高松さんより教えていただき、修正しました。

修理のノウハウや資料については下記の書籍をご覧ください。




ラジオ工房修理メモ

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