Zenith T−404 4球・ポータブルラジオの修理


キャビネットから取り出したところ シャーシは上下逆さに組み込まれます(下が 上になる)。
ループアンテナが使われています。


シャーシ内部。
どうも誰か修理をしたらしく ケミコンが新しく付加されています。
ただ通電すると 受信は出来ないがハムが酷いです。



ゴムが腐って バリコンがガタガタです。
画像はシャーシとバリコンの取り付けネジの部分



ゴムが腐っています。



ゴムブッシュを加工して 苦労してバリコンを組み込みました。
ネジが短いので 取り付けに難渋しました。


  





 


組込も終わり 配線した処


これで通電してみると ハムが酷くて 驚きました。
ケミコンを増量しても 小さくなりません、容量の問題ではないようです。

さらに オシロスコープで測定してみると 発振もしていません。
発振コイルは断線も無く正常のようです。

ただDIPメーターで信号を入れてみると、NHKが受信できます、どうもIF以降は曲がりなりにも働いているようです。

次に OSCとDIPメーターで共振周波数を測定してみると バリコンのもっとも入った位置で900KHz以下を示すではありませんか。
バリコンの抜けきった位置で1500KHz位です。
これではうまく受信できるはずが有りません。
どうもこのラジオは修理途中で 諦めたような感じの壊れ方です。

発振不良は 真空管1R5を交換することで解決しました。
実はTV−10で試験して それなりにGMがあるので大丈夫と判断したのですが、駄目でした。
コンバーター管はGMの試験だけでは実態を表してはいないのです。

発振コイルのコアとバリコン付属のトリマを調整して540〜1600KHzが受信できるように調整しました。
高い周波数への伸びが不足したのはトリマの締めすぎが原因でした。
どうも発振しないので コアとトリマをやみくもに弄り回したようです。
発振しないときに どの範囲で共振するかはDIPメーターを使うのが便利です。

ハムが多いのはペーパーコンデンサーの不良でした。
このラジオは回路図が無くて 良く似たゼニスのラジオL403Gを参考に調査していたのですが、
微妙な差があり 部品を1個1個確認していて、非常に効率が悪いこと甚だしかったのですが、
2人の方ら 回路図を提供いただき、すごく効率よく修理することが出来ました。
ご協力有難うございました。

このラジオの背面から見たところです。



シャーシ上から



組み立てたところは 分解時と同じ画像ですが



修理 完了した シャーシ内部。




今回交換した 部品です。
真空管 1R5は試験機ではGMも正常なのですが、何故か発振しません。
原因は不明です。
コンデンサーはリークが酷かったです、ハムの原因にもなっていました。



IFの調整をして、最後にトラッキング調整をして 終了。



ツマミに周波数目盛が刻まれています。


右上の部分にプラグを挿すと 電池動作に切り替わります。
ただ 電池が有りませんので 動作確認はしてありません。


2013年7月22日
2013年7月23日:150

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