真空管ポータブルラジオ RCA B-411の修理体験記

1R5 1U4 1U5 3V4の4球スーパーです。
通電しても全く音が出ません。
電池は単1 1本、B電池は67.5Vです。
回路図はNostalgia Air(アメリカの古いラジオの回路図)に有るので、修理には便利です。
真空管試験機でテストすると 真空管は全て大丈夫でした。
オシロスコープでモニターするとOSCは大丈夫です。
なお B電池は貴重品なので、試験は全てケミコンテスターを応用した電源で行いました。

   





B電池の使用は最後の確認の10分間以内です。

分解したところです。
背面の写真。
この時点で部品は交換済みです。


同じ方向を撮影角度を替えて。


正面方向から見たB-411.
バリコンの右下の穴はOSCコイルの調整穴。
バリコンが594KHzの位置で、JOAK(594KHz)が受信できるよう調整する。


バリコン付属のトリマはOSC側しかありません。


交換した部品です。
この他VRやアンテナコイルにも問題がありましたが、
何とか解決しました。



594KHzを受信しながら、音量が最大になるように、コイルを調整します。



動作例は画像をクリックしてください。

回路図



   


2台目の修理(2010年11月9日追加)


2台目の修理を始めました。
部品の交換は前回と殆ど同じです。





この機種の裏蓋にはこんな印刷がありました。
1台目にはありませんでした。


ほんの少し色違いのようです。


交換した部品。

B電池 アダプター(67.5V B電池代用)の製作

2台目になると簡単なB電池代用品が欲しくなります。
これを機会にアダプターを製作しました。


ジャンクのACアダプターを準備します。
これを壊して、トランスうや整流器など中の部品を取り出します。
残ったケースを利用します。



中身はシリコン整流器と7.5KΩ 2Wの抵抗と160V 10μFのケミコンを使った平滑回路です。
無負荷の時に 無闇に電圧が高くならないように手持ちの50Vのツエナーと47KΩをデバイダーとして組み込みました。
さらに安全性を高めるために470Ωの抵抗を入力側に入れてあります(皆さんが製作される時は不要です)。


エポキシ接着剤とホットボンドでケースの中に固定します。


B電池代用品トRCA B411.


内部は単にB電池の代わりに接続するだけです。
ただスナップの配線の色は+側が黒、赤が−側になります(電池側のため+−が逆転)。
本体ケースには隙間があり、接続したまま蓋が閉められます。


B電池スナップ。
秋葉原を探したのですが、簡単に見つかりませんでした。

3台目の修理(2011年1月26日)

音が出ないと言うことで、修理しました。
前回と 同じようにペーパーコンデンサーとケミコンを交換しました。


バーアンテナにSSGの信号を結合して IFを455KHzに調整します。
C同調のせいか、調整は微妙です。
調整すると 大幅に感度が良くなりました。

その後、目盛り合わせ トラッキング調整をして終了です。



4台目の修理(2012年2月21日)

よせば良いのに また引き受けてしまいました。
ところが これがとんだ食わせ物で 修理に苦労しました。
外観は非常に綺麗なので騙されたのですが、なんと素人が修理し、
弄り回して 修理できずに放置したものだったのです。



修理後の内部写真です。


まず定番のごとく コンデンサーを交換しました。
結果 音が出ません。
アンテナ側から455KHzの信号を入れるのですが、音が出ません。
検波段のプレートに入れると微かに音が出ます。
IFのグリッドに入れても音が出ません。
初段のIFTの代わりにTR用のIFTをいれて、オシレーターで信号を入れ、
オシロで観測すると 動作します。
これでIFTの不良と判断しました。
でも後日 これが間違いであることが解りました。


いろいろ調べてゆくと、B回路のマイナスに接続されている抵抗が変です。
測定しても10Ω以下しかありません、この部分は回路図上390Ωのはずです。
どうも昔 修理した時間違ったようです。
無茶苦茶な数値を組み込むのですから、相当怪しい方が修理したと考えるべきでした。



さらに検波段の真空管ソケット付近の半田つけにも不具合が見つかりました。
となりの端子と接触するのです、これも昔の修理の後遺症でしょう。



ここまで 来て どうもこのラジオは素人が弄り回して 放置したラジオらしいと想像しました。
壊れていると思ってはいけないということです。
壊してあると 発想を変えないと不具合個所は見つかりません。

そのような疑いの目で見ると、IFTの不良も見直さなければいけません。
調べて見ると IFTのトリマが無茶苦茶に回されて、IFTとして動作していないことが判りました。
壊れているのではなくて IFTは壊してあったのです。
無茶苦茶にトリマを回すと、全くIFTとして動作しなくなります。
特に 電池管用はコンデンサーの容量が小さいので、微妙なのです。
なんとか 復元して 再度組み込みました。
狭い範囲に組み込まれているので、半田つけが大変です。
この作業だけでも泣けてきます。

最終的にIFTの調整 トラッキング調整をして終わりました。
多少カリカリという音が残ります、コンデンサーかコイルの切れかかりの故障が起きかかっているのかもしれません。
修理はここまでとしました。

修理時間は同じ機種の修理の数倍かかりました、代金は50%増しでいただく予定ですが、散々な目に遭いました。
壊れたラジオは修理できますが、壊したラジオは大変です。
依頼主も 知らなかったのでしょうから、とんだ災難でしょうね。
外観が綺麗なのに すっかり騙されてしまいました。

今回交換した部品は下記。



   

 ラジオの修理を自分でやる方は このホームページの他真空管ラジオ・アンプ作りに挑戦!、や真空管式スーパーラジオ徹底ガイドも参考にしてください。
不明な点はラジオ工房掲示板に実名で投稿ください、修理ノウハウの提供は無償です。
初歩的なことでも結構です、ただし他人が解るように書いてください(神様や占い師にするような経緯を省略した質問は返事不能です)。

当方に依頼される方はラジオ修理工房をご覧ください、こちらは有償です。
 


2010年10月13日
2010年11月9日:566 B電池代用品の製作を追加。
2011年1月26日:1,233 3台目の修理を追加。
2012年2月21日:2,790 4台目の修理




ラジオ工房修理メモ

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