真空管ラジオの修理 正体不明のラジオ

昭和7年製 大阪電気(株)?  

3球 エリミネーターラジオ ラッパ型スピーカー
使用真空管 マツダ UXー201A、 CYMOTRON UX−226、 川西 UZ−6C6
低周波トランス  CHORUS
電源トランス  YUKAWA ELECTRIC WORKS

故障状況 > 

電源はONになりますが、Volume Control ラインの3本のリード線がついていませんので、Volume Controlができません、ノブはがたついています。
Tuning ノブ が2つついていて、調節するとピーッという発信音が小さく聴こえます、ラジオ放送は受信できません。
スピーカーからは音は聴こえません差込プラグがゆるく、接続されていないようです。
配線はきれいに保たれています30年前に購入したときは、完動品ということだったそうですが、それから1度も使ったことがないそうです

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大正末期から昭和初期を思わせるキャビネットです。
ラッパスピーカーつきでジャックもあるので、
箱の下側は元々電池を入れる部分だった可能性がある。
蓋が無いが、この部分がスピーカーだと、裏側の板が取り外せても良いと思われる。
電池BOXと考えた方がよさそう。


上の桟が接着されていた、何を間違ったのか困ったことです。


前回修理した後、キャビネットの桟を間違って接着したらしい。
この部分を外さないと本体が取り出せないので、困った。
周りを傷つけないように慎重に外した。
写真を見ると接着剤の跡が判る。




不思議なことに6C6 226 201Aの構成だ。
201Aは断線していた。
ヒーターは226 201A共通で、1.5Vなので、断線球を適当に探し出して挿したらしい。
古いラジオでは良くあることです。

201Aが例え活きていても、電圧が違いすぎて動作しません。

整流はエポキシ封じのシリコンダイオードです。
これから改造時期は昭和30年代中頃以降ではないかと思われます。
半田付け、線の引き回しはすばらしいです、プロの仕事でしょう。
30年前に購入したそうですから、あるいはその時改造したのかもしれません。

メーカーは違いますが同じ容量と思われるバリコンがついていますので、
高周波増幅つきの201A 3球受信機だった可能性が高いです。
現在SWつきのVRがついていますが、電源スイッチとしてのみ使われています。
代用品を探してきたようです。
パネルの目盛りから推定して201Aのフィラメント調整用のレオスタットがついていたようだ。
トランスはネジ2本で固定されています、常識的には4本で固定すべきでしょう。
この為、後付の可能性があります。
総合すると元々は201A3本の電池式ラジオだった可能性があります。

左端のソケットは上側が半分くらい破損していますが、使えそうです。
ただソケットの色が違うので、あるいは別のラジオから移植したのかも。
低周波トランスは活きていました、非常に珍しいです。

ペーパーコンデンサーは缶入りタイプも含め全て駄目でした、ただ缶入りの物を除くと風景が変わるので、残骸は残すことにしました。
バリコンは同調用の物を再生調整に流用しています、使いにくいのですが、そのまま利用することにしました。
ダイアル機構も複雑な作りで、使いにくい部分も大いにありますが、このままとしました。

このラジオの最初の姿と思われる配線図の例。

配線材料が断面四角のめっき線で行われている部分が当時の名残と思われる。
(下の写真参照)


昭和1桁時代に改造されたと思われる226 226 KX−112の3球ラジオの回路図例。
この改造は断面が丸の配線材が使われたようだ。

現在の配線図

昭和30年代中頃以降に改造されたと思われる回路図。




復元はオリジナルに戻すのは無理なので、現状の回路を尊重する形で、動作するように修復しました。
赤字で記入した電圧は修復後の測定です。
ケミコンは耐圧が不足していたものがありました、ペーパーコンデンサーは全て不良でした。
AC回路とアース回路間に0.01μFのコンデンサーを付加しました。
こうすると比較的短いアンテナで受信できます。



まな板式の配線で、特徴的なのは配線材料の違いです。
真空管ソケットを結ぶフィラメント配線の断面は四角です。
一方この部分とトランスを結ぶ配線は断面が丸です。
やはりこのラジオは昭和初期 改造されていたようです。
電池式(201A)から、トランス式(226)に改造されたのはほぼ正しいでしょう。


電源コードはコタツ用と思われるものが使われていた、
フューズも無いので途中に入れることにした。
コードは当時使われていたものと同じような丸打ちコードとダルマ型プラグに交換した。
これらは現在でも新品が購入できる。







試験中
このラジオの受信可能周波数は620〜1550KHz程度です。
周波数の低い方は感度が悪いです。





送られてきたラジオにはサイモトロンの201Aが挿してありました。
でも断線しているし、電圧も違うので使えません。
どの時点かで226が201Aに入れ替わったようです。
手持ちに26があるので使おうとしたのですが、ソケットがUV UX兼用型なので、
ピンが無い26は固定できません。

写真左:RCA 26
写真右:マツダ 201A


大変ですが、201Aのベースに26の本体を組み込むことにしました。
真空管を割らないように注意してベースを外し、26の本体を乗っけてピンつきの26の出来上がりです。
RCA製の26を使いました。








ツマミを外してみたが、こちら側のダイアルメカは壊れているようだ。
左側と微妙に違う。

右下はスピーカー用ジャック。



2007年8月15日:126

トランスなど主要部品は製造後80年以上経過しています。
使用時のみコードをコンセントに挿すなど火災予防に 充分ご注意ください。
安全性の保証は出来ません。




ラジオ工房修理メモ


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