真空管ラジオの修理 ゼニス Z512G?

ゼニス615と同じ方から修理依頼がありました。
到着した時はハムが大きいながらも一応受信できていました。


この機種には型名がZ512Gと書かれているのですが、
ゼニスの回路図集には見当たりません。

回路図無しで、修理を始めました。

情報をお持ちの方、教えてください。


分解したところです。
後ろ側にループアンテナがついています。
非常にコンパクトに作られています。
修理の痕跡は殆どありませんでした。


分解途中です。

ただ不思議な事に余分な穴が開いてます。
部品もこの部分ありません。
最初からそうなのか、改造されたのかは不明です。



修理前のシャーシ内部。




電源用のケミコンが不良でした。
シャーシ内部に実装されていましたので、
これを取り外し、代わりに200V 47μF 2個を取り付けました。
これで受信してみると正常に受信できます。
ただNHK1(JOAK 594KHz)が受信できません。
NHK2(JOBK 693KHz)は受信できます。

なおカップリングコンデンサーはセラミックで絶縁には問題ありませんでした。
調べてみると、バリコンのショートでした。
これを修正して無事受信できるようになりました。
普通はこの様なことは起こりにくいのですが、清掃などをした場合、ついバリコンの羽根に触って、変形させます。
皆さんご注意ください。


バリコンの羽根の右端の部分が内側に変形している。



全部受信できるようになったのでIFTの調整をしました。
ただ検波段の下側のコイルでは反応がありませんでした。
分解して調べるのも大変だし、一応正常に受信しているので良しとしました。
実はこの部分が調べたくて、回路図を捜したのですが、この型名ではありませんでした。


空白の部分があります。
これは最初からそうなのかは不明です。

2005年8月23日

2006年6月24日移転

修理のノウハウや資料については下記の書籍をご覧ください。




ラジオ工房修理メモ

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