ソニー ジャッカル FXー300の修理


 初めまして。
ホームページを拝見してメールしました。
先日、SONY JACKAL FX-300 をオークションで入手し、数日は正常に
動いていたのですが、全く動作しなくなってしまいました。
デザインが気に入って入手したものなので、何とか動くようにしたのです
が、修理をお願いできないでしょうか。
[不良個所]
・電源が入らない。
・DC電源のコネクタ部がグラグラしている。
・ポップアップアンテナが格納時にロックしない。

[購入時の状況]
・ラジオ(AM/FM)は正常に受信していました。
・テレビはアナログチューナーのため受信確認できませんでしたが、モ
 ニタは点いていました。
・カセットレコーダーの動作は未確認。

[修理して欲しい所]
・AM/FMラジオが受信できるようにして欲しい。
 ※テレビ、カセットは使えなくても構わない。

ジャッカルの修理をするのは十数年ぶりです、この機種はデザインが好きで、
昔は見かけたら購入していました、その結果 我が家に十台位は有るはずなのです。
保守用の部品も手持ちがあります。



補修用の予備機(画像手前)と修理機(画像 後方)


久しぶりに 分解してみると 複雑さに驚愕、昔はなんとも思わなかった機種なのに 歳は取りたくないです。
とにかく 細かく基板が機能ごとに分割されていて 相互に配線がされているので大変です。
電源が入らないとのことで 調べてみると 電源基板の1A ヒューズが跳んでいます。



ヒューズを交換しても通電しないのです。
どこまで通電しているか調べるのが大変でした。
実は電源スイッチは普通の単純なスイッチではなくて 大型のスライドスイッチなのです。
下記画像の「電源SW」と書いてある部分です。
この基盤はカセットメカの下側に組み込まれています。
カセット部分を取り外し 裏返しにしないと見えません。
悪いことにパターン面は この基盤を取り外さないと見えない仕組みです。
どこまで通電しているのか 判別に苦労しました。
スイッチの接触不良と判り なんとか通電できるように修復できました。



電源スイッチが組み込まれている REC基板 電源スイッチはラジオ カセット TVの3種の切替スイッチを兼ねているので、
この位置に組み込まれているのです。

なお 念のためカセットを動かしてみましたが駄目でした。
ゴムベルトが伸びきっているので 全く使えません。



中央部分にブラウン管が見えます。
手前のTV基板は 画像ではカットしてあり、本当はまだ 手前側に大きいです。
上側にカセット機構が見える。



左側が 前面です。




ラジオ基板


どうもこの基板もいじられているようで ダイアルの目盛のスタート位置がずれているのです。
これでは受信はできますが 周波数が読めません。
ICFー5800の様に簡単に目盛がずらせると思ったのは大間違いでした。
ダイアルの糸掛けを90分位かけて何度もやり直すはめになりました。
(なれるまで スタート位置を合わせるのが難しい)




ラジオ基板

固定ネジは外してあります。


ラジオ基板 部品面



メーター 不良

ラジオ基板を組み込んで調整しようとするとメーターが動きません。
5900ではよくあることですが この機種までこのようなことがあるとは。

ケースを外したところ 引っ掛かりを修正します。

組み込んで受信しているところです。


ロッドアンテナが収納できない件

調整しても頭の部分が収納できないのです。
取り外してみると FXー300用とは違う物が組み込まれていました。


ICF−5900のアンテナ基台です。
外観は全く同じですが、どうも微妙に寸法が違うようです。
取り外すと 厳密には外形もほんの少し 違うのです。
修理は不可能なので、手持ちのFXー300から基台(レバー)部分を移植して修理



DCジャックの破損

プラグを挿したまま 落下させたのか固定翼部分がありません、これも手持ちのFXー300から移植。



修理完了後のFXー300







2016年8月23日








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