東芝 RP-1700Fの修理 

 
先日、ヤフオクで東芝のRP- 1700Fを手に入れました。
フィルムダイアルにヨレがあるとのことでしたので落札いたしましたが
中を見ましたところ、貼付の写真のようにチューニングダイアルの糸が外れておりました。
こちらの修理をお願いできないでしょうか。

修理の優先順位としては、
@フィルムダイアルまわりの修理
Aバンドセレクトのガリ
B感度調整(現状は普通に受信しているように聞こえます)




東芝のBCLラジオは生産拠点(工場)の関係かフイルムダイアルが暴れる現象が多いのです。
特にRP−1700の場合 殆どの固体で同じ現象が起きます。
原因はフイルムをプーリーに固定する接着剤がはみ出して起きるのです。

下記画像の 矢印の部分。
この汚れた(茶色)感じの部分がはみ出していてフイルムが暴れるのです。



フイルムは巻き取られて重なって行きますが、元に戻るときにこの糊(接着剤)が重ねたフイルムを軽く接着して 
はがす力で暴れるのです。

普通はダイアルの糸まで外れません。

当方の予想では フイルムと軸を接着した部分が修理中にはずれ、修理する人が再接着したのではと思われます。
常識的にはつか無い部分に接着剤が付いているのです。
ダイアルの糸かけが正常にできて さて動作しようとするとフイルムを固定した軸が固着する感じなのです。
軸を外してみると 画像の矢印の部分 軸と固定枠の間に接着剤が付いているのです。

一つ下の画像参照ください。



フイルムを巻き取る軸の側面に接する固定枠に接着剤が、どうもゴム系のボンドのようです。
この部分は軸が回転しますので このような接着剤が付くはずがありません。

ツマミの軸は別のダイアル糸でプーリーを回転させる仕組み(ダイアル糸は2本ある)なので、
この部分が固定されると プーリーだけは動きますので、フイルムを駆動するほうの糸がプーリーから外れるのです。




接着剤が付いていた部分はフイルム固定ロールの軸の受け側の側面になります。
(なんとなく丸い痕が付いていますが、これが軸のすり痕)
メーカー作業でここに接着剤が付くと 
製造後40年近く曲がりなりにも動作するとは考えにくいです。



なお糸かけは意外と手間がかかります。
今回は見本も無いので、試行錯誤して 完成したのは1日半ほどかかりました。
なお軸の内部にはバネが挿入されていて、分解中に少しのショックで部品が飛んで行きます。
一時 部品が飛んで行き、探すのに苦労しました(1日半の中に含む)。
不器用ものの小生にはやりたくない作業です。

最初は原因が判らなかったので まず組み立て フイルムが正常に動かないので原因を調べ、
さらに原因の障害を取り除くという作業が必要でした。

この機種のフイルムは接着剤がフイルムの表面や軸のあちこちにはみ出しています。
これを丹念に除去しないとフイルムが暴れますのでご用心。
この部分は製造時の不注意と思われます。
おそらく出品者はこの作業をしている時にフイルムが外れ、その対策をした時の後遺症でしょう。

背面の様子です。






右下のMARKER ADJと印刷されている穴はマーカー調整用のトリマです。
この機種はLC発振ですので、水晶発振と違い 室温で微妙に狂います。
必要に応じ調整する必要があります。
中国の標準電波が15MHzで受信できることがありますので、これで0ビートをとると良いでしょう。
15MHzの標準電波を受信し マーカーをオンにして0ビートが取れるようトリマを調整する。

そんなわけで 1MHzマーカーは 温度で動きますので、あまり信用はできません、ご注意ください。

2018年1月28日









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