非常に珍しい原因による故障の修理です。
FMは音が出ず、MWは同調がうまく取れないと言う故障です。
アンテナも音質ツマミも紛失しています。
このようなラジオの場合、修理を諦めたほうが無難なのですが、記念のラジオと言うことで修理を引き受けました。
開けてみると、内部まで汚れがしみこんでいます。
おそらく長年台所で使用したのでしょう。
内部を清掃し、油汚れをエレクトリッククリーナーで落とすと、一応動作するようになりました。
FM 正常受信。
SW 正常受信。
MW 一応受信するも(小さな)ガリガリ雑音あり。
雑音は小さいがりがり音なので、最初は外部ノイズかと間違う程度でした。
ただどうも気になるので、調べる事にしました。
普通この種のノイズはTR不良が考えられるのですが、SW MWとも同じTRが使われています。
と言うことはTR原因は理由としては弱いです。
バリコンの発振側をオシロスコープで観測してみました。
波形を見ると周期は変動しませんが、振幅がノイズと同期して変動しています。
ここまでくると原因は下記3点に絞られます。
@ 切替SWの接触不良(MW部分のみ これは原因としては弱い)
A MW発振コイルの不良。
B Rの不良。
最終的にRの不良でした、交換して快適に動作するようになりました。
このRは発振コイルをQダンプするように取り付けられいます。
どうも抵抗値が発振電圧により細かく変動するようです。
安定用の部品ががりがりの原因でした。
しかしすごく珍しい故障でした。
珍しい故障なので、あえて参考のためホームページに掲載することにしました。
バリコンの発振側端子にオシロスコープを接続。
波形を観測して原因を推定。
修理完了した、RF−818.
ロッドアンテナは別のものを流用。
音質調整つまみは準備しませんでした。
これで充分実用的に使えるようになりました。
2004年3月14日
2006年6月26日