ナショナルRF−818の修理    

非常に珍しい原因による故障の修理です。
FMは音が出ず、MWは同調がうまく取れないと言う故障です。
アンテナも音質ツマミも紛失しています。
このようなラジオの場合、修理を諦めたほうが無難なのですが、記念のラジオと言うことで修理を引き受けました。

開けてみると、内部まで汚れがしみこんでいます。
おそらく長年台所で使用したのでしょう。

内部を清掃し、油汚れをエレクトリッククリーナーで落とすと、一応動作するようになりました。

FM     正常受信。
SW    正常受信。
MW    一応受信するも(小さな)ガリガリ雑音あり。

雑音は小さいがりがり音なので、最初は外部ノイズかと間違う程度でした。
ただどうも気になるので、調べる事にしました。
普通この種のノイズはTR不良が考えられるのですが、SW MWとも同じTRが使われています。
と言うことはTR原因は理由としては弱いです。

バリコンの発振側をオシロスコープで観測してみました。
波形を見ると周期は変動しませんが、振幅がノイズと同期して変動しています。

ここまでくると原因は下記3点に絞られます。
@ 切替SWの接触不良(MW部分のみ これは原因としては弱い)
A MW発振コイルの不良。
B Rの不良。

最終的にRの不良でした、交換して快適に動作するようになりました。
このRは発振コイルをQダンプするように取り付けられいます。
どうも抵抗値が発振電圧により細かく変動するようです。
安定用の部品ががりがりの原因でした。
しかしすごく珍しい故障でした。
珍しい故障なので、あえて参考のためホームページに掲載することにしました。

バリコンの発振側端子にオシロスコープを接続。
波形を観測して原因を推定。


修理完了した、RF−818.
ロッドアンテナは別のものを流用。
音質調整つまみは準備しませんでした。
これで充分実用的に使えるようになりました。


2004年3月14日

2006年6月26日





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