この機種の修理は簡単ではありません。
MWは普通の6石ラジオに近いのですが、SWの完全な修理 調整は非常に難しいです。
SWのANT OSCコイルはそれぞれ1個です。
周波数範囲の設定や、トラッキング調整にはトリマコンデンサーが多用されています。
どの部分が、どれに相当するかは判別するには時間がかかります。
(個々のトリマの機能の問い合わせはご遠慮ください)
この判別が自分で出来る、技術に自信がある方のみ、SWの調整に挑戦してください。
MW受信はAFを除き、6石TRラジオと殆ど同じ構成です。
周波数変換 CONV (T1) TR増幅 (T2) TR増幅 (T3) 検波 (VR) ICでAF増幅の仕掛け。
短波の場合はMIXとOSCが独立している。
コイル類の位置関係。
T3のトランスには2つの検波回路があり、1個はAF用、もう一つはLED駆動用。
LED駆動回路はTR2石。
この2石はイヤホーンジャックの近くにあります(写真右上)。
MW受信時 無音15mA(無信号時は12mA)程度。
RF部分が生きていれば、音量調整用VRのホットエンドに信号が出る。
これはクリスタルイヤホーンで、充分な音量が得られる程度。
ただしVRの中点の信号レベルは一般に低いので、要注意。
AF段が生きてるか故障かは、この部分にAF信号を入れれば判明します。
バリコン上のトリマの機能は刻印されている。
MW ANT MW OSC、 SW ANT SW OSCの4個。
但し単にSWと書かれていますがSW4の調整用です、SW1用ではありません注意ください。
AF ICの入力と出力。
ICの品名は部品の陰で読めないがXXX82Lと書かれている。
なお三菱マークらしきものあり。
参考までに 昔のラジオを修理する場合 同じ形名のラジオを持っていないと修理できないことがあります。 それは交換部品の入手です。 新品が入手できれば良いのですが、現時点まず無理なので 移植して修理することになります。 中古品では心配ということもありますが、もともと製造後数十年を経たラジオを修理しようとするのですから、 同じレベルです、中古品がいけないなら 修理対象のラジオそのものも 皆駄目ということになります。 生きている部品を活用して よみがえらせるのです。 ただ中古品で注意しなければ いけないのは 経験上 通電すると壊れやすい部品の再利用は避けるということです。 一番良い例がソニーや三菱のTRなどは再利用はしないほうが無難です。 これら半導体は足が銀メッキされていて エポキシ内部に染み込み 故障を起こすからです。 組み込んだ時はよく動作しても 後日故障ということが起きます。 他社のTRでも足が銀メッキされているものは使わないほうが良いでしょう。 これらは未使用品か互換品を使うようにします。 ケミコンは新品が入手できますので あえて中古品を使うことはありません。 特注IC類も使いたくないのですが、他に方法が無いので 移植して利用するしかありません。 |
参考写真
R-288(写真上)と R-299(写真下)は殆ど同じです。
部品の色が違うのは製造時期の関係と思われます、厳密にはトリマが1個省略されています。
このラジオは拉致問題の放送にも登場しました。
最近入手したナショナルに不具合があり、修理をお願いしたいと存じます。 |
この機種のSWは1~4まであります。
アンテナコイルと発振コイルは全バンド共通です。
各バンドともに直並列のコンデンサーとトリマをそれぞれ切り替える方式になっています。
したがって 常識的には特定のバンドが受信できない場合はコンデンサーとトリマの不良と言うことになります。
受信しながら、局発の漏れをモニターすると、SW2のみ発振していないことが判明しました。
裏側の蓋を開けたところ。
分解しました。
良く考えられた構造です。
発振回路をオシロスコープでモニターすると、受信しているバンドも全体的に弱い感じで、
SW2に切り替えると全く発振しません。
まず SWで発振するよう対策をしました。
モニターしてみると発振周波数が少し高いようです。
SW2関連のトリマや固定コンデンサーを1個ずつ取り外して確認しました。
残念ながら表示容量との差は確認できませんでした。
最後の手段でディップメーターを動員して、カットアンドトライで容量を可変して、
周波数を低くなるようにあわせました。
最終的に部品を1個追加して、解決しました。
2005年1月28日
2005年6月5日 R-288とR-299の部品面の写真を追加。
2006年6月26日
2010年7月27日:SW2が全く受信できない故障。
2014年1月6日:2,701 VRとVCを交換したRー288の修理体験記
2021年1月5日:5,491
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