鉱石検波器

STAR印 鉱石検波器

大正から昭和にかけて東京神田の金石舎が輸入販売していた鉱石検波器。
アメリカのBlende Crystal of Radio Corp N.Y. U.S.A.の製品。
十数年前に入手、NHKの放送博物館とJARLの展示室に寄贈したので、あるいはご覧になった方もあると思います。

左が探り式。
右が固定式?(上のネジで感度の調整が出来る)。

左の探り式には方鉛鉱(写真のもの、箱は緑色で写真無し)と黄鉄鉱(写真の青箱は黄鉄鉱のもの)がある。
黄鉄鋼のものは働くが、方鉛鉱の物は動作しない。
長い年月の間に駄目になったのか、製品不良かは不明。



鉱石検波器の自作

鉱石検波器を自作したいと計画中の方がいると思います。
自作には黄鉄鉱をお勧めします。
方鉛鉱は止めた方が良いようです。
真面目に検討したわけでは有りませんが、鉱物見本の方鉛鉱は検波能力が悪いようです。
不思議に思って調べると、どうも方鉛鉱は人工的に処置したものでないと実用的に使える検波器には出来ないようです。
検波器に使えるとしても、産地が問題で特定の産地(鉱山)の物でないと駄目等という事になりそうです。
子供の頃使ったFOXTON等の鉱石検波器は、どうも人工方鉛鉱を使ったものらしい。

人造方鉛鉱の製造法

理工学社のラジオ技術事典(昭和29年刊)に方鉛鉱の製造法が紹介されている。
危険を伴うので、実験する人は原典を読んで、充分注意の上行って下さい。

人造方鉛鉱、硫化鉛の製法は、銀塩溶融法、燐酸ソーダ溶融法など数種有る。
銀塩溶融法は5〜10倍の水に溶解した硫化ソーダを攪拌しながら徐々に加え、生じた硫化鉛の沈殿をよく洗浄し、のち乾燥する。
同様にして硝酸銀の溶液に硫化ソーダの溶液を加え、硫化銀を得る。
両者を硫化鉛92.5、 硫化銀7.5の割合で混合し、これに硫黄1.5を加え、充分混和し、坩堝で1114℃以上で10から15分間溶融する。
内容物が充分溶融し、表面が平らになり、清透に見えるようになったら、これを自然に冷却させ、適当な大きさに砕いて、鉱石検波器にする。

鉱石検波器の説明書



 

00/08/28

2009年9月2日:移転および画像追加。


2009年9月2日よりカウント



 

 

radiokobo-all